シリーズ最高傑作との呼び声も高い『グラディウスⅡ GOFERの野望』の語りきれない魅力とは!?

アーケードゲーム史のマイルストーンの一つとして、『グラディウス』(1985年/KONAMI)の名を挙げることに異論を唱える人はいないだろう。 『グラディウス』のゲームデザインは、とくに横スクロールシューティングゲームにおいて、その後に続くタイトルに大きな影響を与えたことは明らかだ。

KONAMIのフラグシップシューティングとして、アーケードタイトルでは『グラディウスⅣ -復活-』(1999年)まで続いたグラディウスシリーズであるが、各タイトルに熱狂的なファンがついている。特に『グラディウスⅡ GOFERの野望(以下『Ⅱ』)』(1988年)と『グラディウスⅢ 伝説から神話へ(以下『Ⅲ』)』(1989年)にはファン派閥のようなものが生まれており、どちらが傑作かという論争も後を絶たない。しかし、一般層のプレイヤーも含めると『Ⅱ』が最高傑作とされることが多く、リリースから30年以上を経た現在でもその評価は揺るぎないものとなっている。今回は、『Ⅱ』がそこまでファンから愛されるタイトルになった理由について考えてみたいと思う。

アーケード史に名を残す初代グラディウスの正統進化版として登場

『Ⅱ』についてはいまさら説明不要かもしれないが、30年以上前にリリースされているということもあり、名前しか知らない若い読者もいることだろう。まずはおさらいとして、『Ⅱ』がどんなゲームだったか紹介しよう。

『Ⅱ』は1988年に『グラディウス』の続編としてKONAMIからリリースされた横スクロールシューティングゲームだ。シリーズ作としては、初代との間に『沙羅曼蛇』(1986年)、『ライフフォース』(1987年)が存在しているので※01『沙羅曼蛇』と『ライフフォース』 : 『グラディウス』と共通する要素が多かったものの、リリース当初はシリーズ作品として公式で明言されていなかった。そのため、のちにKONAMIのPR誌『KONAMIマガジン』上でシリーズ作品として公認されるまでは、プレイヤーが勝手に同一シリーズとして見なす存在だった。ちなみに、『ライフフォース』は『沙羅曼蛇』の海外版である『LIFE FORCE』(1986年)を、日本向けにさらにアレンジして国内販売したもの。それらの事情からこれら3タイトルを実質的に同一作品と考える人も多い。、実質4作目(『ライフフォース』を『沙羅曼蛇』のマイナーチェンジとして捉えれば3作目)ということになるが、『グラディウス』の名を冠するナンバリングタイトルとしては2作目にあたる。

上下へのスクロールが加わるシーンもあるが、基本的には右方向への強制スクロールでゲームが進行する。各ステージの最終地点にはボスが待ち構えており、ボスを倒せばクリアとなる。全8ステージ構成。操作は自機をコントロールするレバーと、ショットボタンにミサイルボタン、パワーアップボタンの合計3ボタンで行う。

初代のパワーアップゲージは「スピードアップ、ミサイル、ダブル、レーザー、オプション、バリア」という内容で固定されていたが、『Ⅱ』ではゲーム開始時に異なるパワーアップ内容のゲージ4種類から選択できるようになった。『沙羅曼蛇』から登場したリップルレーザーや、後方に弾を発射できるテイルガンなど、新規に追加されたパワーアップは多様なプレイスタイルを生み出すこととなった。

▲『Ⅱ』から登場したパワーアップタイプの選択は、その後に続くシリーズにも引き継がれていくことになる

初代のイメージを守りつつ、新しいグラディウスの世界を提示したステージ構成

▲新しく登場したステージながら、そのデザインに『グラディウス』らしさをしっかりと感じるのは、制作スタッフがシリーズ思想を根本から理解しているからだろう

人工太陽とファイヤードラゴンが『沙羅曼蛇』のプロミネンス(高密度エネルギー)ステージを連想させるステージ、初代の細胞ステージを思い出させるギーガー風のエイリアンステージというように、それまでのシリーズ作品をモチーフにした序盤は、新鮮でありながらも『グラディウス』のDNAをしっかり感じ取れるものだった。また、中盤に逆火山ステージ、モアイステージを登場させたことも、前作からのファンにはうれしい演出だったといえるだろう。

『Ⅱ』は各ステージとも、開始からボスにたどり着くまでの長さが適度で、長時間の緊張を強いられなかった点も良かったと思う。『Ⅲ』のステージ3や最終ステージは、通常ステージの2つ分もしくは3つ分もあるような長さがあった。加えて、ゲーム全体を通じて超高難易度だったのだから、肉体的にも精神的にも疲弊するプレイヤーは多かっただろう。画像や楽曲が素晴らしかったにもかかわらず、『Ⅲ』より『Ⅱ』の方が一般層にウケたのは、そういったレベルデザインの差ではないだろうか。

当時のKONAMIゲームミュージックの特徴が色濃く出ている楽曲

スピード感のある爽快なBGMも魅力(KONAMI公式YouTubeチャンネルより)

『Ⅱ』のもう一つの魅力といえば、要所要所でスピード感のある爽快な楽曲。筆者の音楽知識では、どのようなテクニックを駆使して作曲されているか語ることはできないが、ゲームと切り離して聴いても十分に通用する音楽性だと感じている。

本来の役割であるゲームを演出する要素の一つとしても、秀逸な完成度であることは言うまでもない。空中戦やボス戦のBGMからは、かすかに初代の雰囲気を感じ取ることができ、シリーズ作品としてのイメージをしっかりとキープしている。また、同一ステージ内でも先に進むとテンポが速くなるなど、ゲーム展開に合わせた楽曲の変化も巧みな演出として効いている

名曲ぞろいの本作で、筆者は特にステージ6(高速スクロールステージ)のBGM「Maximum Speed」にしびれた。車に例えるなら、シフトアップしながらどんどん加速しているようなメロディラインは最高だ。あのBGMに心が高揚し、目の前のゲーム操作よりも曲に気が取られてしまうことで何度凡ミスを繰り返したことか。筆者にとってはあの曲の良さがトラップでもあった(笑)。

百聞は一見にしかず! 実際にプレイして『Ⅱ』の魅力を体感しよう

▲『Ⅱ』の演出やゲームシステムは、以降に続くシリーズの方向性を決定づけたと言っていいだろう。それもひとえに優れた完成度があったからこそかもしれない

初代から『Ⅳ』まで、部分的な視点ではそれぞれに突出した魅力が存在する。しかし、総合的な完成度の高さで言うと、個人的には『Ⅱ』がシリーズ最高傑作だと思う。

初代も完成度の点で申し分ない名作ではあったが、1985年の作品であり、現在プレイするとクラシカルな印象を受けてしまうのは避けられないのではないだろうか。特に、若いファンにとってそれは顕著だろう。しかし『Ⅱ』は、ゲームシステムや映像・楽曲のブラッシュアップで初代の完成度がさらに高めてられており、現在でも十分に通用するモダンさを持っている

その魅力を理解するには、実際にプレイするのが一番だ。過去さまざまなプラットフォームへと移植されてきた本作だが、現在ではオリジナル版と同等の内容でプレイできるKONAMI『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』がおすすめ。Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、PC(Steam)向けに2019年4月18日からダウンロード販売されているので、『Ⅱ』の素晴らしさをぜひ体感してほしい。

▲プレイのパターン化を許さない動きをするステージ3のクリスタル。まるでプレイヤーの操作を見ているかのようなトリッキーな動きは絶妙だった

※ゲーム画像はすべてKONAMI『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』公式サイトより引用しました。

©Konami Digital Entertainment

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