川崎にそびえ立つ電脳九龍城「アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店」

川崎にそびえ立つ電脳九龍城「アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店」  IGCC
川崎にそびえ立つ電脳九龍城「アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店」  IGCC
▲夜の取材だったため、より異彩を放つビル外観

JR川崎駅東口を出て南へ歩くこと10分、日進町交差点まで来ると、明らかに周囲とは違った佇まいの建物が目に入る。「電脳九龍城」というコンセプトで外装、内装ともにデザインが統一されたアミューズメントパーク ウェアハウス川崎店だ。

ウェアハウスと名付けられたゲームセンターは関東を中心に10店舗あり、ここ川崎店は2005年にオープンしたグループ最大級の大型店だ。
筆者も、オープン当初から建物の異様な雰囲気が気になっており、ある日予備知識なしで入店、中にゲームセンターがあることに驚いた。

 

18歳未満入場禁止のゲームセンター

川崎にそびえ立つ電脳九龍城「アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店」  IGCC
▲駐車場側の入口からは、小さな池の飛び石を通って店内に入る

川崎店は、プライズ機とビデオゲーム中心の2階、メダル機中心の3階、ダーツやビリヤードの4階、ネットカフェの5階と、幅広い業態で運営している。また4階にはレンタカーの窓口まである。

店内は全フロア18歳未満は入場禁止となっている。2階では『マリオカート』や各種データカードダス機を稼働させているのにも関わらず、それらを遊べるのは18歳以上だけだ。これは、大人のプレイヤーが落ちついて遊べるようにという店側の営業方針で、確かに店内は筐体間の空間も広く、通路にはソファやテーブルが配置されており、ゲームを遊ぶ時も遊ばない時もリラックスできる環境が整えられている。

現在ウェアハウス各店舗は、レンタルDVD等でお馴染み、株式会社ゲオのアミューズ運営部により管理・運営されている。今回の取材では、同部署所属で川崎店の店長を務める永石昌也氏に御対応頂いた。

永石氏自身もゲームファンであり、特に体感ゲーム全盛期の1980年代後半~1990年代前半にかけては様々な機種を夢中になって遊んでいたとのことだ。

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▲店長の永石氏、稼働当時から遊んでいる体感ゲーム筐体と

レトロゲームコーナーのラインナップと、それが決まるまで

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▲『平安京エイリアン』が稼働中!

現在ここで稼働中のゲームタイトルに関しては、公式サイトのリストを参照して欲しい。取材時には広い店内で『スペースハリアー』(1985年)『アウトラン』(1986年)などの体感ゲーム、『ストリートファイター』(1987年)『ガントレット』(1985年)などのアップライト筐体、『沙羅曼蛇2』(1996年)『リブルラブル』(1983年)『平安京エイリアン』(1980年)などのビデオゲームと、様々な年代/メーカーのゲームが多数稼働していた。

ここ川崎店のオープンにあたっては、永石氏を含める当時の担当者たちが会議を重ねて、店全体のコンセプトの一つとして、レトロゲーム稼働を柱とする方針が決められた。そうした背景には、やはりレトロゲームは通信費がかからず、基本的に電気代だけで稼働できるという利点がある。
川崎店開業時、ウェアハウスではそれほど多くの筐体を保有していたわけでは無かったため、いくつかの筐体は新店のために買い集められた。

一時期レトロゲーム、体感ゲームに関しては、ウェアハウスグループの別の店舗、三橋店(営業中)や東雲店(2012年閉店)でも稼働させていたが、その後店舗や客層とのマッチングを考慮し、現在の川崎店へ集約する形となった。

体感ゲームの維持、メンテナンスの裏側

ウェアハウスに限らないが、30年以上前に製造されたゲーム筐体を維持、稼働させるのは大きな手間と費用がかかる。
ここ川崎店でも、特に古い体感ゲーム筐体のメンテナンスには苦労しており、『スペースハリアー』(1985年)の駆動モーターが故障した際には、メーカーをはじめ全国の修理業者に連絡を取り、なんとか北海道のとある業者に修理してもらったそうだ。この時の修理費はとてもインカムで賄える金額ではないものの、レトロゲームコーナーの顔として稼働してもらうため、修理に踏み切った。

しかし、あちこちに問い合わせても、修理の目途が立たなかった大型筐体もあり、『ハングオン』(1985年)などは泣く泣く手放さざるをえなかったそうである。

また、川崎店ではそれぞれのゲームは可能な限りオリジナルの状態での稼働を心掛けており、初代『ダライアス』(1986年)筐体には、いまだに当時の純正ボタンが付けられている。たまたま部品が入手できたために今の形での運用ができているが、もう予備は保有していないため、もし故障してしまったら別のボタンに取り換えるしかなく、遊ぶときはどうか乱暴に扱わないで欲しい。

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▲レトロゲームコーナーには新旧の大型筐体が並んでいる

レトロゲーム ラインナップの意外な真実…?

古くからのビデオゲームファンであれば、レトロゲームを並べたゲームセンターに足を運ぶことも多いだろうが、ここウェアハウス川崎店2階のラインナップに、何か違和感を覚えなかっただろうか?

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▲シリーズ作品すべてが並ぶコーナーも(一部は録画環境あり)

筆者も、具体名は出せないが「このメーカーであれば、人気のあった前作がなく、そんなに人気のない続編がなんで置いてあるのだろう?」「他店のレトロコーナーで、この基板を稼働させているところは見たことがない…」と、少し妙な偏りを感じていたのだが、今回の取材でその答えが見つかった気がする。

なんと、並んでいるゲームの何割かは、一般客の個人所有物が持ち込まれて稼働しているのだ。

基板の持ち込みは、希望があれば随時相談を受け付けているが、無条件に稼働できるわけではない。無用のトラブルを避けるため、基板オーナーはウェアハウス規定の誓約書に同意する必要があり、更にその上でインカムによっては別のゲームに差し替えられる可能性もあり、稼働の保証はされない。それでも個人所有のゲームをここで稼働させたいという方がいれば、店舗に問い合わせて欲しい。

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▲レトロゲームコーナーの反対側にも多数の筐体が並んでいる

稼働中のゲームのうち、どれがウェアハウス所有で、どれが個人の持ち込み基板なのか?は、個人情報を含むため、残念ながらここでは触れられない。稼働ゲームのラインナップを見て、「なぜこのゲームがずっと稼働しているのか?」と不思議に感じたとしたら、それはどこかの誰かが稼働をお願いした基板かもしれない。
個人の基板オーナーの中には、所有している基板を自分だけで遊ぶ人もいるが、好きなゲームを大勢に遊んで欲しいというエバンジェリスト(伝道者)的オーナーもいる。個人運営のゲームセンターでは、エバンジェリスト的常連客の基板を稼働させるのは珍しくない話だが、ゲオ運営のウェアハウスでも個人の基板が稼働しているとは想像しておらず驚かされた。

レトロゲームだけではなく最新ゲームも充実!

ウェアハウス川崎店2階にはレトロゲームだけではなく、最新ビデオゲームも充実している。中でも『湾岸MIDNIGHT 5DX+』(2016年)は6台が稼働しており、なんと1プレイ50円設定だ。

川崎~横浜エリアは、駅前は勿論、ロードサイドで営業中のゲームセンターも多く、中々の激戦区となっている。このため各店舗は競合店に負けないよう、様々な趣向を凝らし、鎬を削っており『湾岸~』の価格設定もその一つだ。

またビデオゲームは2階だけではなく、他のフロアにも点在しているため、公式サイトの「マシン情報」を見て、お目当てのゲームが見当たらない場合は更に上のフロアにも行ってみよう。

落ちついた雰囲気で、大人がゆっくり遊べる

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▲3階から2階レトロゲームコーナーを見下ろせる

朝早くからメダルゲームを遊ぶ年配のプレイヤーも多いためか、土日祝日は開店時間が朝7時となっている。それでも開店前から入店待ちの行列ができる日があるほどだ。
駅からほど近く、駐車場完備でアクセスも良いため、様々な層のゲームファンが訪れ、思い思いにゲームを楽しんでいる。

ウェアハウス川崎店は、特異な内装ばかりが取り上げられがちだが、それはあくまで来場者に非日常を味わって欲しいという気遣いの一部でしかない。

ここは、高いホスピタリティで、近隣のプレイヤーや多くのレトロゲームファンから愛されている人気店だ。川崎駅周辺を訪れた折には、ぜひ一度立ち寄って欲しい。

基本データ

アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店
住所 : 神奈川県川崎市川崎区日進町3-7
電話 : 044-246-2360(アミューズフロア)
営業時間 : 月~金曜 9時~23時45分/土・日曜・祝日 7時~23時45分
休み:なし駐車場(無料):平面(店舗1階)48台/立体駐車場(平面駐車場奥)102台
公式サイト

※記事中の写真は全て店舗の許可を得て撮影しています。(撮影者:外山雄一)