北日本のレトロゲーム大殿堂 ディノス札幌中央(※2019年6月2日に現店舗閉店予定、他の場所に移転計画あり)
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北日本で最大級の都市たる札幌の、その中でさらに最大の繁華街として知られる街・すすきの。その中心部から数分行ったところ、駅でいえば豊水すすきの(市営地下鉄東豊線)の最寄りに、そのゲームセンターはあります。
ディノス札幌中央。「スガイディノス」「ディノスパーク」などの呼び方もあります。ディノスというのはアミューズメントチェーンで、このディノス札幌中央も支店の一つです。ゲームセンターだけではなく、映画館にボウリング場、その他各種テナントも入った大きなビル一棟まるごとの施設になります。
ゲームセンターがあるのは地下1階から地上2階にかけてです。その2階フロアの一角が、レトロゲームコーナーとなっています。
※2019年6月2日(日)に現店舗を閉店し、他の場所に移転する計画があるようです。
目の当たりにした内部は壮観の一言
この2階のレトロゲームコーナー、まず台数だけでも尋常ではありません。この写真は全景ではないのです。ディノス札幌中央の一角にあるレトロゲームコーナーと名付けられたエリアのそのまた一角です。
軽く三十台以上はあるゲーム機が「レトロコーナー1986~1994」と書かれた看板の下に並んでいます。なお、レトロゲームコーナー以外にもかなり古めのゲーム、例えば90年代の格闘ゲームなどが別のエリアにもあったりします。
集められているゲームのラインナップも、往年の、つまりその時代のアーケードゲームを知るものにとってはそうそうたると言うべきラインナップです。全部列記するのは不可能ですが、いくつかご紹介してみましょう。
カプコンの名作アクションゲーム、『魔界村』の無印版です。この後に『大魔界村』、『超魔界村』などが続いていく、その元祖ですね。厳しい難易度で恐れられた作品でもあります。ちなみにプレイしてみましたが最初のレッドアリーマーで死にました。
ほんの少しだけですが懐かしのテーブル型筺体まであります。初期のゲームセンターのスタイルといえばこれであり、またいわゆるインベーダー喫茶に置かれていたタイプのものでもあります。
今はコレクターグッズとなっている絶滅種ですが。その後も駄菓子屋の店先などに根強く生き残っていたものの、その駄菓子屋というもの自体も、そのほとんどが世の中から消えてしまいました。
上の写真のゲーム機は右が『ドンキーコング』(1981年/任天堂)、左は『アルカノイド』(1986年/タイトー)。任天堂のアクションゲームの歴史の礎を築いた作品と、今でも渋く命脈を保っている「ブロック崩しゲーム」の日本での興隆の祖ですね。
他にも、恋愛シミュレーションゲームの元祖として知られる『ときメモ』の派生ゲームである『ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま』(1995年)もありました。リアルタイムでプレイした経験がありますが、まさか2018年にもなって再びお目にかかる日が来るとは夢にも思いませんでした。
【現在稼働中のレトロゲーム】(2018年1月24日現在)
奇々怪々 | 源平討魔伝 | ゴールデンアックス デスアダーの復讐 |
大魔界村 | チェルノブ | ムーンウォーカー |
熱血硬派くにおくん | コラムス | ドクターマリオ |
ドラゴンセイバー | ドルアーガの塔 | ゼビウス |
ドンキーコング | VSスーパーマリオブラザーズ | 忍者くん |
アルゴスの戦士 | スパルタンX | アイスクライマー |
ドラゴンスピリット | アルカノイド |
常連客の愛情を感じる掲示板コーナー
常連客の愛情を感じる掲示板コーナー
2階には「ゲームBBS」と銘打たれた、アナログな感じの鉛筆手書きによる掲示板コーナーもあります。お客からのリクエストなどが記されています。
もっとも多いのは、「~というゲームは入手できないか」「~をプレイしたい」と言ったような内容のリクエストです。対応可能かどうかはものによるようです。
次いで、多いのは「なになにのゲーム台のどのボタンが弱くなっている」と言ったような、調整依頼の内容のものです。この類はすぐに対応してもらえます。
他にも、お客からの時候の挨拶、なんていうものも掲示されていました。イラストが描かれたものまであります。鉛筆書きで、なかなかの力作でした。常連客の愛着を感じます。
ゲームセンターを盛り上げるスタッフ渾身のワークショップ
こちらのお店では、ゲームセンターにあまり馴染みがない人向けに、その楽しみ方を学んでもらおうと、「体験型講座」すなわちワークショップも開催しています。
この記事の執筆時点で開催予定の講座は、クレーンゲーム講座と格闘ゲーム講座の2つ。いずれも参加費は500円、所要時間は60分(2名から催行)。対戦ゲーム初挑戦の初心者向けの講座と、クレーンゲームで上手に景品をゲットするコツを学ぶための講座です。
子どもも大人も楽しめそうな内容で、毎回親子で参加する人もいるのだとか。日程や口座の内容は、公式サイトで紹介されてあり、ここから申込ができます。
このワークショップと並行して、ディノス札幌中央では対戦イベントも積極的に行っています。
2018年1月20日には「ワンダーランドウォーズ2ロール限定大会」が開催され、12名のゲーマーが参加したそうです。「ガロスペ大会兼対戦会」など、マニアックな対戦イベントもあり、色んなゲーム層をとりこもうとする店側の努力が感じられます。札幌在住のゲーマーにとっても、腕試しもでき、かつ交流もできる場となっています。
札幌を訪れるゲーマーよ、ディノスを訪れよ
このディノス札幌中央ですが、まあ言ってみれば知る人ぞ知る聖地です。
札幌の一般的な観光ガイドブックに載っていたりするかといえば載っていませんし、札幌市民がみんな知っているというほど有名でもないです。外からパッと見てレトロゲームを置いてあるマニアックな店だと分かるような店構えでもないです。ですが入ってみれば分かります。
ここは間違いなく、北日本随一は当然として日本でも有数というべきレトロゲームのメッカの一つでしょう。所有台数、ラインナップ、レトロゲームに対する愛情とこだわり、どの角度から見てもそう思います。
店舗情報
ディノス札幌中央
住所:北海道札幌市中央区南3条西1丁目8番地
電話:011-231-7032(ゲームセンター直結)
営業時間:10:00~24:00
休み:なし
公式サイト
※記事中の写真は全て店舗の許可を得て撮影しています。(撮影者:藤沢文太)