ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ! 山村智美の『未来ゲーム Travelers』

ゲームやエンタメの最新の話題を伝える月刊連載コラム「未来ゲーム Travelers」です。
寒い日が、日を追うごとに減っていきますねー。それと比例するように空や空気の色味が増し、花粉の匂いが濃くなっていくことに恐れおののきながら暮らしているボクです。どうもこんにちは。
3月です。
春がきますねー。
今年の春は、狩りの春。
2月28日についに発売された『モンスターハンターワイルズ』が3月中はもちろんとして、しばらくゲームシーンのトレンドに居座り続けるんじゃないでしょうか。
『モンハンワイルズ』の影響はかなりのもので、ゲーミングPCやグラフィックボード、PS5やXboxといったコンソール機の需要が非常に高まっています。特にゲーミングPCへの注目度が高いのが昨今の特徴ですが、『モンハンワイルズ』をきっかけに初めてゲーミングPCを買ったという人は、これからのゲームライフがかなり変わってくるかもしれませんね。PCって遊ぶだけじゃなくて、クリエイティブな活動のベースにもなりますから、そこも魅力と言えます。
さて、3月といえば卒業シーズンでもありますが、ライフステージが変わるとゲームとの付き合い方も変わりますよね。
小学生から中学生になると、新しい友だちきっかけで遊ぶゲームがガラッと変わったり、高校生や大学生になると、競技性の高いゲームに本気で打ち込む人も出てきます。ちょうど今、『ストリートファイター6』の世界最強を決める「CAPCOM CUP 11」が3月5日から9日にかけて両国国技館で開催中なので、その盛り上がりに感化される人も増えそうです。
一方で、高校生や大学生ともなると、ゲームを遊ぶだけじゃなく、開発に興味がわいたり、将来はイベント運営や配信に携わりたいって思う人も出てくるかもしれません。
3月8日~9日には、国内インディーゲームの祭典「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」が開催されますし、インディーゲームの世界を覗ける機会が増えてます。こういう場所に足を運んで刺激を受けるのはめっちゃオススメですよ。
この春に学生から社会人になる人は、「ゲームは週末ぐらいしかできなくなるかも……」なんて現実もあるかも。そんなときは、短時間で遊べるジャンルにシフトしたり、クリアまで数時間の良質なインディーゲームに手を出すのがオススメです。例えば、2月にリリースされて高評価の『都市伝説解体センター』みたいなミステリーアドベンチャーは、ストーリーを短時間に楽しめて社会人にもぴったりです。
ゲーム歴が長い人もそうでもない人も、この春からあまり触れてこなかったジャンルに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
それでは、今月の曲~。
卒業シーズンですので今月はこちら。斉藤由貴さんの1985年のデビュー曲「卒業」をリーガルリリーがカバー。卒業式の定番ソングとして長年愛され続けている名曲をリーガルリリー特有の繊細かつ力強いサウンドで再解釈していて、印象はガラリと変わりつつも、寂しさと清々しさが共存する独特の雰囲気はそのままに醸し出されている一曲ですよ。
『モンスターハンターワイルズ』ついに発売! 初日のSteam最大同接数は“130万人”を記録

MONSTER HUNTER WILDS is a trademark and/or registered trademark of CAPCOM CO., LTD. and/or its subsidiaries in the U.S. and/or other countries.
いやー発売されましたね『モンスターハンターワイルズ』。
発売直後の様子を見ると、SNSもYoutubeやTwitchなどの配信サイトも、どこを見ても『モンハンワイルズ』一色。発売前の評判や想定を超えるほどにプレイされているのを感じます。
具体的な数字として、発売初日のSteamの最大同接数、つまりPCで『モンハンワイルズ』をプレイしているアクティブの人数が130万人を突破したとのこと。
アクティブプレイヤー数のピークが「130万7976人」というのは、Steamの歴代ゲームのなかでも6位となり、カプコンがSteamにリリースしたゲームで初めて同接100万人を突破したゲームとなりました。
※発売翌日の3月1日ではそのピークをさらに超えて138万4608人を記録! 歴代5位に浮上しました。
言うまでもないことですが、『モンハンワイルズ』はシリーズの下地としてもファン層としても、家庭用ゲーム機で遊ぶ人が多いシリーズです。今作ももちろんPS5やXboxでプレイする人がたくさんいて各プラットフォームにプレイヤーが分散しているのですが、それでもSteam単体のみで初日130万人を超えるアクティブを記録するというのは、ゲーミングPCでのプレイヤー層が加速度的に増加していること、PCゲーマー層も『モンハンワイルズ』に注目して購入していること、海外プレイヤーにも『モンハン』の存在感が高まったことが伺える結果と言えるでしょう。

「で、実際どうなんですか? おもしろいんですか? 」というのが未プレイな人の気になるところであり重要だと思うのですが、
これがねーおもしろいんですよ。
今作はシリーズのジャンプアップ、いわゆる大きな進化を実感できるものになっています。
系譜として『モンスターハンターワールド』の発展と言えますが、『ワイルズ』をプレイした今、『ワールド』を振り返ると、マップは大きく進化したもののシステムやプレイの流れがまだまだ旧来の『モンハン』シリーズのものだったなと痛感します。
『モンハンワイルズ』では、オープンワールドの強みが大きく進化しているのが感じられます。『モンハン』に限らず多くのゲームでは、物語に関わるNPCは基本的に居場所が固定されていて動かず、主人公が単独で目的地に向かって、現地に着くとNPCが加わって凝ったカメラワークのカットシーンが流れ、その後に通常のプレイ画面で戦闘が始まるという構成が一般的です。
ですが『モンハンワイルズ』では、主人公とNPCが通常のプレイ画面のまま一緒に会話しながら目的地に向かうという場面が多く見られます。オープンワールドRPGでのNPC制御を思わせるもので、マップだけでなく物語もシームレスにライブ感のある見せ方に進化しているなと感じられます。
従来のシリーズに見られた「クエストを受けて現地で狩りをする」という基本的なプレイの流れもメインストーリーでは見られなくなりました。
一度狩りに失敗するか中断をして再チャレンジするときには受付嬢からクエストを受領するスタイルになるのですが、順調にストーリーを進行できている間はそれを意識することもなく自然な会話の流れでクエストが展開していきます。『モンハン』というよりもRPG寄りな体験と感じる人もいるのではないでしょうか。
もちろん狩りがはじまれば、そこはしっかり求められている『モンハン』ですが、このマップとキャラクター制御ならば本格的なオープンワールドRPGもそのまま作れてしまいそうとすら思えます。

MONSTER HUNTER WILDS is a trademark and/or registered trademark of CAPCOM CO., LTD. and/or its subsidiaries in the U.S. and/or other countries.
肝心のハンティングアクションにおいても、今作は進化を感じる人が多いのではないでしょうか。「集中モード」という、いわゆる狙いをつける機能が加わり、攻撃を振り下ろす位置を動かせるようになりました。例えば大剣では溜め斬りが醍醐味なわけですが、従来は溜めはじめた向きにしか振り下ろせませんでしたが、今作では集中モードで方向を変えることができます。
また、相殺といういわゆるカウンター攻撃をするアクションも加わっていて、防御テクニックの幅が広がっているのもポイント。難易度は高いですが、モンスターの大きな一撃を逆にカウンターできる爽快感はかなりのもの。攻撃と防御のどちらも自由度が上がりテクニカルさが加わっていて、アクションの深みが増しています。
βテストでは仕様に不満の声が上がっていた武器も、製品版ではそのフィードバックを受けてだいぶ調整されている様子で、改善に積極的なところも嬉しいですね。

MONSTER HUNTER WILDS is a trademark and/or registered trademark of CAPCOM CO., LTD. and/or its subsidiaries in the U.S. and/or other countries.
想像以上にシリーズ作からの大きな進化を感じさせる『モンスターハンターワイルズ』。特に物語やNPCの動きのライブ感が大幅に増して、『モンハン』シリーズがかねてから着手し続けている生態系などを含めた“生きているモンハンの世界”がどういうものか、それをより実感できるものへ大きく前進しています。『ワイルズ』というターニングポイントからどんな未来へと発展していくのか、それも楽しみになっていきます。
特に『モンハン』シリーズはご無沙汰という人ほど、進化の大きさと『ワイルズ』から見えてきている未来に驚かされるのではないでしょうか。まだの人もぜひ環境を整えてトライしてもらいたいなと思います。
「ポケモンデー」に最新情報が多数発表! 『ポケモンレジェンズ Z-A』は2025年秋に
2月27日の「Pokémon Day」を記念して、ポケモンシリーズの最新情報を配信で伝える「ポケモンプレゼンツ 2025.2.27」が配信されました。
そもそもなぜ2月27日が「Pokémon Day」なのかというと、初代ポケモンことゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されたのが、1996年の2月27日なんですよね。
もう29年も前のことですよ。
当時はすでにプレイステーションとセガサターンが発売されていて熾烈な争いを繰り広げていた中、ゲームボーイは初代モデル発売からすでに7年近くが経っていて存在感がだいぶ薄れていたところ。そんなおりに発売された『ポケットモンスター 赤・緑』も、当時は知名度は当然ながらなく、ちょっと変わった新規タイトルでしかありませんでした。ですが、口コミでジワジワと人気になっていき、ゲームボーイの人気そのものも復権。あれよあれよと大人気タイトルへと育っていきました。
そんなポケモンのはじまりの日である「Pokémon Day」に、様々な展開が発表されました。

ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
ポケモンシリーズの最新作『ポケモンレジェンズ Z-A』の最新映像が公開! 発売時期も2025年秋と発表されました。
舞台は都市再開発が進む未来の設定が特徴な「ミアレシティ」(『ポケモン X・Y』のカロス地方)。メガシンカが復活し、シリーズで初めてポケモンとトレーナーがリアルタイムに行動するバトルシステムが導入されるとのこと。
最初のポケモン3匹、いわゆる御三家はチコリータ、ポカブ、ワニノコ。主人公や新キャラクターが公開されているほか、ジガルデの姿や、AZがホテルオーナーとして登場するなどの情報も明らかになっています。

ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
ポケモンバトルに特化した完全新作『ポケモンチャンピオンズ』発表!
Nintendo Switchとスマートフォンとのクロスプラットフォームでの対戦が可能。メガシンカとテラスタルが融合したような戦闘シーン(例:メガリザードンX vs テラスタル化したヘイラッシャ)が公開されています。

ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
この他にもポケモンタイトルのアップデート情報が多数公開されました。
・『ポケモン スカーレット・バイオレット』アップデート
新たな最強レイドが開催決定。登場するのは「最強のマスカーニャ」「最強のラウドボーン」「最強のウェーニバル」。そのほか、「最強のあかし」を持つポケモンが続々登場予定。スマホロトムの着せ替えカバー用シリアルコードも公開。
・『ポケモンカードゲーム Pocket(ポケポケ)』新パック
新テーマ拡張パック「超克の光」が2月28日より登場。幻のポケモン・アルセウスや「リンク」特性を持つポケモンが収録。3月末にはランクマッチが開幕予定。
・『ポケモンGO』:ダクマ関連のコラボが実現。
・『ポケモンマスターズEX』:新衣装が登場。
・『ポケモンUNITE』や『ポケモンカフェReMix』など既存タイトルのアップデート情報を公開。
また、ポケモンデーを記念した新作アニメーションも公開されました。このためだけの短編アニメを制作するという豪華さにポケモンの凄さを感じますねー。何と主題歌はsuis from ヨルシカ×Evan Callが歌っていて、こちらの楽曲も各種音楽配信サイトにて配信されます。
・新作アニメ『カイリューとゆうびんやさん』がポケモンデー記念として公開。
『都市伝説解体センター』が2週間弱で累計販売本数10万本を突破!

2月13日より配信されているインディーゲーム『都市伝説解体センター』が約2週間で販売本数10万本を突破したとのこと。
実際にプレイした人がSNSで良さを伝えている投稿が多く、特にキャラクターへの愛着の声が目立ちますね。例えば「廻屋センター長のセクシーさ」であったり、「あざみーがかわいい」や「ジャスミンがカッコいい」といった感想が見受けられます。
こちらはボクの連載「発見! インディーゲーTreasures」でもしっかり紹介していますので、まだ未プレイだけど気にはなっているという人は、そちらもぜひ。
3月はコーエーテクモ発売ラッシュ! 新要素も追加される『ゼノブレイドクロス DE』に、文化的議論を起こし続けてきた『アサシンクリード シャドウズ』も
2025年3月に発売されるタイトルから注目作をピックアップ!
3月はいわゆる年度末でして、特に日本のゲームメーカーでは“本年度中に発売したい”というゲームが発売される傾向の強い時期でもあるわけですが……
今年の3月は何と、コーエーテクモゲームス祭りです!
・『Rise of the Ronin』(Steam版)
・『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』
・『Venus Vacation PRISM – DEAD OR ALIVE Xtreme -』
・『Winning Post 10 2025』
Team NINJA制作のオープンワールドアクションRPG『Rise of the Ronin』のSteam版に、アトリエシリーズ最新作、「DEAD OR ALIVE Xtreme」シリーズ初のイマーシブ恋愛アドベンチャーゲーム、競馬シミュレーションシリーズのウィニングポスト最新作と怒涛のラインナップ。3月の最終週である27日にはそのうち2本が同日発売と、いろいろな意味ですごいことになっています。
そのほかには、任天堂より2015年にWii Uで発売された『XenobladeX』のNintendo Switch向け移植版となる『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』が3月20日に発売されます。Wii U版にはなかった“最終章に続く物語”が収録されるなど新要素も追加されるということで、Nintendo Switch以降にゼノシリーズのファンになったという人にもオススメの決定版ですね。
そして、これまでたくさんの文化的な議論を起こしてきた『アサシン クリード シャドウズ』もついに発売されるわけですが、発売後にゲームの詳細が伝わることで、さらに新しい議論を呼ぶ可能性もあるのかもしれません。発売後にはいったいどのようになっていくのか。良くも悪くも注目作というほかないものとなってしまいました。
このように3月発売のタイトルはいろいろと個性的かつ多彩。まだまだ『モンハンワイルズ』な日々が続く人も多いかと思いますが、近づく春の訪れと共にがっつり楽しんでいきましょう。
それでは、良いゲームライフを!
2025年3月6日
『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』
[Nintendo Switch][PS5][PS4][Xbox Series X|S][Windows PC(Steam)]
2025年3月11日
『Rise of the Ronin』(Steam版)
[PS5][Windows PC(Steam)]
2025年3月20日
『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』
[Nintendo Switch]
『アサシン クリード シャドウズ』
[PS5][Xbox Series X|S][Windows PC(Steam)]
2025年3月21日
『BLEACH Rebirth of Souls』
[Nintendo Switch][PS5][PS4][Xbox Series X|S][Windows PC(Steam)]
『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』
[Nintendo Switch][PS5][PS4][Xbox Series X|S][Xbox One][Windows PC(Steam)]
2025年3月25日
『Killing Floor 3』
[PS5][Xbox Series X|S][Windows PC(Steam)]
2025年3月27日
『Venus Vacation PRISM – DEAD OR ALIVE Xtreme -』
[PS5][PS4][Windows PC(Steam、DMM Games)]
『Winning Post 10 2025』
[Nintendo Switch][PS5][PS4][Windows PC(Steam)]