見城こうじのアケアカ千夜一夜
第53夜『レイダース5』(1985年・UPL)

UPL発の他に類を見ないアクションパズルゲーム
『レイダース5』はシューティング要素も含む、一風変わったアクションパズルゲームです。
じつは当時、ぼくはほとんどプレイしておらず、今回改めて遊んでみたのですが、なるほどこれはユニークな着眼点のゲームですね。
ゲームの目的は、すべてのターゲットをビームで破壊して、出口から脱出することです。
プレイヤーの移動には独特の制約があり、直線路を走り出すと障害物に突き当たるまで停止することができません(逆戻りすることはできます)。
そしてここがポイントなのですが、90度の方向転換は、
・障害物に突き当たった場所
・曲がる先に1ブロック以上の空間がある場所
このいずれかでしか行えません。
また、フィールドには常に動き回っている敵キャラクターがいて、さらに破壊可能なブロックが多く配置されています。『レイダース5』はこれらを利用して方向転換できるルートを見つけ出し、ターゲットにたどり着くゲームといってもいいかもしれません。
敵キャラクターはビームで一時的にスタンさせるなどして、方向転換のための障害物として利用します。また、破壊可能なブロックをビームで破壊し、穴を掘っていくことで、ターゲットへのルートを作り出せる場合もあります。

アーケードならではの要素も加わって手ごたえ十分
ルールを把握した上でまず難しいと思うのが、常に移動している敵をタイミングよくスタンさせた上で、素早くそれを方向転換の“足場”にする必要があるのですが、この敵が割とすぐ目を覚ましてしまう上に、何度もスタンさせていると、どんどん速くなり狂暴化していくことです。
さらに、スタンさせた敵を別の敵がすり抜けてくることや、スタン中の敵に追撃してもスタン時間のカウンターが上書きされないのも地味に辛い(これらは上手な人にとっては都合のよい仕様ともいえるのかもしれませんが)。
破壊対象のターゲットがゲーム中にどんどん追加されていくにもかかわらず、画面が縦にスクロールする点も、状況把握の上でなかなか厄介です。
また大事なテクニックとして、敵をスタンさせた瞬間に限り、その敵をプレイヤーがすり抜けることができるのですが、これはパズルゲームとしてもアクションゲームとしても、割とトリッキーな仕組みだと思います。
スタッフもパズルゲームとしての難しさを理解していて、最初に練習ステージ(Exercise)を設けているのですが、テキストによる説明もついていませんし、ステージもいきなり広いなど、練習の時点でなかなか戸惑うと思います。

開発者は自信を持ってこのゲームを世に送り出している
正解ルートをたどるために「正しく穴を掘る」「足場になるような床や壁を作る」「移動のための空間を確保する」「敵を利用する」というのは、一つひとつの要素を見ていくと、他のさまざまなパズルゲームでも見られる考えかたかもしれません。
ただ、この時代にそれらを組み合わせ、高いアクション性を持つ独特なアーケードゲームとして成立させたのは見事です。
『レイダース5』のタイトル画面では、アーケードゲームとしては比較的珍しいことに、スタッフクレジットが流れます。画期的なゲームを作ったという開発者の自信の表れだったのかもしれません。
では、また次回。

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