餅月あんこのゲーセンに行きたい!

  • 記事タイトル
    餅月あんこのゲーセンに行きたい!
  • 公開日
    2021年12月17日
  • 記事番号
    6733
  • ライター
    餅月あんこ

第38回 ケイブ広報・したっぱさんと話したい!(前編)

あんこ(以下「あ」):今日は、非公式放送「ケイブるてれび」レギュラーでケイブさん広報の、したっぱさんに色々お話を聞かせていただきたいと思うのですが、実は今回はライターで編集者さんの橋本新義さんから「したっぱさんにお話を聞くとおもしろいですよ」というリクエスト的なアドバイスをいただきまして、ではぜひ一緒にお願いします! ということで、ゲストインタビュアーに来ていただきました。
豪華! 新義さんとは、はじめまして。
  

はじめまして。女性2人の中にどういうわけか自分が(笑)。

あはは。いいじゃないですか(笑)。

あ:映像的には女子3人(※ご自宅でのオンラインインタビューで、したっぱさんのお子さんたちには普通にしててくださいと言ってあるので、したっぱさんのお嬢さんのヒメちゃんが映ってる)の中に男子1人ですよ! したっぱさんのおうちの男子、お兄ちゃんは今はどうしてるんですか?
  

うちの男子はいまゲームやってます(笑)。

今回参加していただいたかたがた

したっぱさん
ケイブさんの広報で、非公式放送「ケイブるてれび」レギュラーでおなじみの、よく和服を着ている女子。
男の子と女の子のママのシングルマザー。シューティングゲームが好き。
Twitter

橋本新義さん
Engadget日本版などで執筆されている、パソコンやITガジェットなどの記事を扱うライター兼編集者さん。
シューティングゲーム、特にケイブさん作品のファンで、「シューティングゲームサイド」ではケイブのIKDさん(池田恒基さん)インタビューも担当された。
Twitter

ユウシャくん
したっぱさんの息子さん。お兄ちゃん。
いま遊んでるゲームは『スーパーマリオメーカー2』。
好きな教科は体育。ママの料理で一番好きなのはオムライス。

ヒメちゃん
したっぱさんのお嬢さん。音楽で習ったばっかりの〇ッキーマウスマーチがマイブーム。
いま遊んでるゲームは『マインクラフト』。
好きな教科は体育。ママの料理で一番好きなのはハンバーグ。

シューター女子、したっぱさん登場!

あ:そうか(笑)。ではまず、したっぱさん、自己紹介をお願いします。
  

はい、株式会社ケイブで、ふだんは広報の仕事をしています。
いろんなことをやっているんですけど、わたしが子どもを2人産んだときに……あ、おにいがきた。

僕たちは! この運動会で!

何で運動会始めるの!

質問コーナーにしよう!

あ:仕切り始めた!
  

ハハハハ。

ちょっとメイク直してくる!

あ:この状況で何とか話を聞きだすのを楽しむ回にしよう。この隙にしたっぱさんの話の続きを……えーと、広報さんのお仕事がメインで……あ、昨日も「ケイブるてれび」拝見させていただきました。(『究極タイガー』の)黄色取ってとか言ってすみません(笑)。したっぱさん、さすがうまかった。
  

『究極タイガー』、なかなかムズいですよね(笑)。

非公式放送「ケイブるてれび」ができるまで

あ:そうそう、そんな「ケイブるてれび」さんの活動は、広報さんとしてではないっていうことですか?
  

えーとですね、わたしが子どもを2人産んでから復帰させてもらったら、
『ごまおつ』(ケイブさんのスマホ用STG『ゴシックは魔法乙女』の略称)が
売り出し中のタイトルだったので、宣伝もイベントも『ごまおつ』一色だったんです。

   

ですが、そんな中で、ケイブの今まで出してきたシューティングゲームも
Steamで販売されているので、もっと宣伝しないともったいないと思ったんです。
あと、社内でも若い子たちが、今までのシューティングゲームを知りたいけど知る機会がない、
と言ってて。それで、わたしよりちょっと行動力がある男の子が、
シューティングゲームが好きな人が集まるチャット部屋を作ってくれて、
会社の中にゲーム筐体が何個かあるので、それで昼休みに遊ぼうよ、っていうことをやり始めて。

あ:おお、楽しそう。
  

そのとき遊んでる人に、まわりの人がツッコミを入れたりしてるのが
すごくおもしろかったんですね、ハタから見てても。
で、こういうノリの放送があってもいいんじゃないかなと。
ケイブのシューティングってけっこう難しいとされていて、ネットを見ると、
1クレジットクリアが前提、みたいな、すごくレベルの高い攻略動画が多いんですよ。
なので、もっと愚直にごちゃごちゃ遊んでても楽しいっていう、
そういう気持ちを共有したいなと思って、許可取れるんだったらやってみようか、と。
それで社内で同好会を立ち上げてやったのが「ケイブるてれび」のはじまりです。

あ:ほぇ~! スタートはいつからだったんでしょうか? 回数もすごいですよね。
  

もう200回越えてます! えーと、2017年の3月から始めました。

あ:基本週イチでやってるんでしょうか?
  

そうです。最初の頃は機材も全然なくて、社内からかき集めて、
ゲームをプレイする人をタブレットのカメラで直撮りで生放送したりしてました(笑)。
でも、それを見ていた社内の人たちが、「こういうのあるよ」、「使ってないミキサーあるよ」
「昔イベントで使ったマイクあるよ」っていろいろ機材を持ってきてくれて……。

侵入者発見! 侵入者発見!

うるさいよ!
それで、社内の人たちからモノや知識がちょっとずつ集まってきて、
だんだん放送の体を成してきた、という感じです。
ほんとに仕事とは無関係に、昼休みと、仕事が終わった後の時間を使って自主的にやっていて、
正式な業務としてやってるというつもりは今でもなくて、
あくまでも社内のボランティア活動というか同好会というか、
好きな人たちがやってるという感じです。だから「非公式」ってついてるんですよ。

あ:そういうことだったのか~。でも非公式とはいえ、この前タイトーさんの「ZUNTATA NIGHT」に(「ケイブるてれび」レギュラー出演者の)シュー太郎さん(*01)としたっぱさんが呼ばれたりしましたよね。
  

そうなんですよ。さすがにこれはちょっとちゃんと会社を通さないと、
って、正式にケイブの社員として出ました。

あ:あと、この前、池田さん(通称『IKD』、ケイブ執行役員COOの池田恒基さん)と出てらっしゃったのは……。
  

あ、「ぜんため」ですよね。社内でMC的なことができる人間、
ということでわたしたちに声がかかったみたいで(笑)。
シュー太郎先生とわたしはずっと放送をやってて、喋るのにだいぶ慣れているので。

あ:めちゃくちゃ喋り慣れてますよね。何か重要なポジションになってきてるじゃないですか!
  

「この人、メディアに出て喋ったらおもしろいだろうな」っていう人は、
社内にたくさんいるんですけど……MCをやるっていうと、最近は慣れてる我々が呼ばれがちですね。
1時間の昼休みで、15分でごはんを食べる、30分間放送をする、残りの15分で準備と片づけ、
っていうのをずっと長くやってたので、我々、最適化されてるんですよ(笑)。

あ:最適化!(笑)
  

だからタイムキープとかにも慣れてきて、もちろん失敗した回も何回かはあるんですけど。
限られた時間の中でそのゲームの魅力を伝えるっていうのは鍛えられました。

進行は大事ですもんね。

そうですね、でもコロナ禍になって在宅ワークメインになったので、昼休みは関係ないから、
仕事後の夜に思う存分やろうって。それで今は金曜日の22:30からやってます。

あ:夜って、ユウシャくんとヒメちゃんの2人は寝てるんですか?
  

わたしは〇ッキーマウスマーチを弾きまーす!(ピアノを弾き始める)

僕は『マリメ2』でね、ステージを選べる騙しコースを作りました。

あ:そうか、夜の「ケイブるてれび」やってる時間は、2人は寝てるんだ(察し)。
  

そうそう、うちは夜21時が就寝時間だから、21:30ぐらいまでには2人とも完全に寝てます。
寝つかなくても、「金曜の夜は放送あるから呼ばれても反応できないけどごめんね!」
って言ってるけど、でもまあいつも寝てますね。

すごいすごい。

あ:いいなあ!

ローアングルさん

ヒメのあたまのネジが10本抜けた!

締めておいて。

あ:そういえば、わたしが初めてしたっぱさんを認識したのは「ローアングルさん」としてだったんですけど……。
  

ハハハハハ、堀井さん!

あ:そうそう、エムツーさんのイベントで。堀井さんをすごくローアングルで撮影している人、っていう。
  

あれはわたしがエムツーさんのイベントに行くたびに、堀井さんが好きすぎて、
かっこいい写真を撮ろうとしてめっちゃローアングルで撮りまくってる、ローアングル芸です(笑)。

あ:恒例行事なんですね。
  

し:弊社の『ケツイ』とか移植してくださって、しかもあれだけクオリティ高いものを作ってくださって、
ホントに堀井さんめちゃめちゃ……というか、エムツーの人全員尊敬してるんだけど、
何かこうデベロッパー側として伝えにくい気持ちが炸裂して(笑)。
立場上、一般のお客さんたちのように「移植して」っておおっぴらに言えないから(笑)。

あ:そうなんだ(笑)。
  

そうか、あんこさんの、したっぱさんの最初の印象は「ローアングル撮影の人」って感じだったんだ(笑)。

(笑)あのとき、撮ったアングルにちょうどセガの奥成さんもフレームにおさまってて、
奥成さんとの初対面がそれで。

あ:床に寝っ転がった状態で!(笑) さらにその写真を、奥成さんが撮ってましたよね。カオス……!

エムツーさんのイベントで堀井さんをローアングルで撮影するしたっぱさんの名物光景。

小さい頃からゲーセンに行ってました

わたしは3歳ぐらいからゲームをやってました。
父親がファミコンを買ってきて、一緒にゲームをやりつつ、ゲームセンターにも行ったり。

あ:けっこう早いうちからゲーセンに行ってたんですね。
  

そうですね。両親が買い物をしたいときとかに、ちょっとゲーセンで遊ばせておく、
みたいなところがあったんです。もちろんある程度大きくなってからですが(笑)。
小さい頃はゲームで遊んでる父親のヒザの上に座ってました。

あ:パパさんはどういうゲームで遊んでたんですか?
  

父親はわりとなんでもやってた印象があります。
わたしは見た目的にかわいいゲームが好きで、『パックランド』とか
『モモコ120%』とか『ワンダーモモ』とか。
見た目的にポップでとっつきやすいゲームでよく遊んでました。

あ:見た目が可愛いゲームを選ぶの、わかる!
  

『ドルアーガの塔』は「可愛い!」と思ったんですが、子どもの頃は難しかったです(笑)。
渡されたわずかなお金を持って、うまいお兄さんの後ろで、やりかたをじっと見て。
まだインストとか読めなかったんで。

あ:そんなに小さい頃!
  

そうそう、「こういうゲームなんだ」って学んで。
お金入れて、でもそんなに長く遊べないからすぐ終わっちゃうんですけど。

あ:そうか~、ゲーセン人生は長いんですね。
  

そうですね、小学校……習い事にひとりで行くようになると、
帰りにゲーセンに寄っちゃって。

あ:寄っちゃうんだ(笑)。小学生で!
  

なんだけど、小学生はさすがにひとりでゲーセンはアレだな、
って自分でも思ったんで、チラッと見て帰る程度で(笑)。

当時わたしも、小学校の頃、そろばん塾に行ってたんですけど、
帰りにゲーセンに行く常連の子たち、いましたよ。

あ:みんなやってるなあ!
  

それで中学生ぐらいからけっこうピアノ教室サボりつつ、
みたいな感じで本格的にゲーセンに行き始めて(笑)。
だから1992~1993年ぐらいからけっこうゲーセンに入り浸る時間が長くなってきたかな……。
高校受験があったので、そんなには行けてなかったですけど。

その頃のゲーセンって、個人営業のゲーセンですかね?

そうそう、まだチェーンが少なくて。

ちょっと敷居が高くなかったですか? ゲーセンに入るの。

ホント、近所は気難しい感じのおじさんが経営してるような照明が暗くて
タバコくさいお店が多かったんですけど、
それこそ不良が来たらカウンターの中にかくまってくれるような感じで。

あ:へぇ~!
  

パンチングマシーンとかが入口にあるようなゲーセンだと、
けっこうやんちゃな人たちが来てたので。逆にわたしが一人で出入りしてたので、
心配してくれてたんだろうと思います(笑)。
ここにいなー、って、カウンターに入れてくれて。
……業界紙みたいなのがあったじゃないですか、当時。

はいはいはい。

そういうのを渡されて(笑)。
いっぱい色んなことが書いてあって意味がよくわからないんですけど、
まだ世に出てないゲームの情報とかがチラホラ載ってて、
食い入るように画面写真を見てたのを覚えています。

あ:へぇ~!
  

すごい。奇跡的な環境だったんですね。

わりと環境には恵まれていたんじゃないかと(笑)。

憧れのシューティングゲーム

あ:もうその頃からシューティングゲームをけっこうやってたんですか?
  

当時は怖くて全然できなくて。すぐ終わっちゃって。

あ:え~、意外。昔からシューティングをバリバリやってたわけじゃないんですね。
  

すぐ死んじゃうのが怖くて……(笑)。
『グラディウス』は父親もやっていたので、ゲーセンでもファミコンでも
ノーコンクリアを目指すようなプレイをやってみたりしてたけど、
それ以外のシューティングって遠くから眺めてる、憧れの対象って感じだったんですよ。
「まだわたしには早い」っていう感じで。ずーっと見てて、
うまい人たちは本当にうまかったから、見るだけで楽しい、
でも大人になったらいつかできるのかなぁ、くらいの気持ちでした。

あ:そうだったんだ~。
  

で、高校時代に、自宅からだいぶ離れた高校に行くことになったら、
そっちの駅にはもっといろんなゲームがあるゲームセンターがあって、
学校終わって部活が終わったらそこに行く、という感じで。
で、そこで弊社の『怒首領蜂』と……。

あ:おおっ、キータイトル!
  

そうです、出会って……。でもまだわたしはあんまりプレイできず、
うまい友だちがやってるのを見てて。で、見た目がすごく硬派なゲームだな、
って思ってたのに、特定の場所に撃ち込んだときに、お花が咲くんですよ! ブワーッって。

うんうん。

「何だこれ! この世界観でなんで花咲くの!?」って、ビックリして。
しかもアニメーションの枚数すごい使って、めちゃめちゃ綺麗に咲かせるんですよ!
このゲームを作った人たちは、何でこんなことしてるんだろう、って。
で、友だちがプレイし終わった後、デモ画面に戻るじゃないですか。
そこでケイブのロゴが出てきて。「あっ、ケイブっていう会社なんだ。
こういうわけわかんないことをする大人がいる会社なんだな」
っていう認識がそこで生まれたんですね(笑)。

あ:へぇ~!
  

何でこんなところに力を使うんだろう、いい大人が! って。

ハハハハ。

『怒首領蜂』でケイブ作品との出会いを果たした、学生時代のしたっぱさん。
次回はさらに別のケイブタイトルと出会って、ケイブというメーカーの強いインパクトが不動のものになります。
後編もお楽しみに!

* ケイブさんよりお知らせ *

『怒首領蜂』といえば、シリーズ作品の『怒首領蜂大復活』がNintendo Switchに登場しました!
移植開発を担当したLiveWireさんによる公式サイトはこちら

脚注

脚注
01 シュー太郎さん
「ケイブるてれび」のレギュラー。ケイブが新卒採用を実施していなかった年にケイブシューへの熱意をもって門を叩き、面接までたどり着き、新卒入社を果たしたという、とてもレアな入社遍歴を持つ男。なぜか他社の生放送にお呼ばれする頻度が高い。ゲーセンミカドさんの生配信では『ダライアス外伝』をハーモニカ演奏しながらクリアして伝説を作った。解説 by したっぱさん

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