ARCADE HOUND #06:The Bonus Round
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- 記事タイトル
- ARCADE HOUND #06:The Bonus Round
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- 公開日
- 2026年04月17日
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- 記事番号
- 14213
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- ライター
- IGCCメディア編集部
大好きなゲームの話をしていると、つい時間が経つのを忘れてしまうことってありませんか?
前回同様に、アーケードゲームの黎明期からゲームを愛し、遊び続けてきた3人――西谷 亮、見城こうじ、そして大堀康祐が思う存分に語り合います。
お題は、The Bonus Round ――ボーナスステージについて。
例によって、文字ばっかりギッシリでお届けいたします。
―― 今回もお集まりいただき、ありがとうございます。というわけで「ARCADE HOUND」も第6回目となります。
大堀 早いね。
―― 今回のお題は「ボーナスステージ」です。
西谷 パッと思い浮かぶのは、やっぱり『ギャラガ』ですかね。
見城 そうですね。ただ『ラリーX』のほうがリリースが先だと思います。
西谷 あ、そうだそうだ。『ラリーX』も忘れちゃいけないですね。
大堀 あれ、『ギャラガ』のが先じゃなかったか。前にも言ったけど、うちのほうだと『ギャラガ』が先に入荷されたからさ(笑)。
西谷 『ラリーX』が1980年11月で、『ギャラガ』は1981年ですね。
大堀 そうだったのか。
―― 『ラリーX』のチャレンジングステージはビックリしましたね。ぼくは友だちに教えてもらってその存在を知ったのですが、その友だち曰く「3面になると、敵の車が暴走族みたいに待機してて怖いんだよ」と(笑)。
見城 いい表現だね(笑)。
西谷 いわゆるボーナスステージなんだけど、敵の車にぶつかると死ぬんですよね。
見城 『ラリーX』だと敵にぶつかるとミスになるけど、『ギャラガ』のチャレンジングステージは敵が一切攻撃してこなくて死ぬ要素がない。進化したんだな、と当時、思いましたよ。
大堀 あれはビックリしたよね。
見城 しかも、ナムコは「チャレンジングステージ」なんて、カッコいい名前までつけて。
西谷 私が当時思ったのは、死ぬ要素がない面をタダで遊ばせてくれるのか、と(笑)。何て太っ腹なんだ、って思いましたもん。もの凄い感動しましたよ。
見城 わかります(笑)。
大堀 チャレンジングステージは、そうなると『ラリーX』が一番最初ってこと?
―― 「インベーダー」の回でお話が出ましたけど、『メロディインベーダー』のサナギの面も、解釈によってボーナスステージと呼べそうですよね。
西谷 ああ、そうですね。
―― 一応、敵は攻撃してくるけど移動はしないし、制限時間がゼロになると終了して次の面に移りますし。
大堀 そうだね。相手を倒さなくてもクリアってことになるよね。やっぱり『メロディインベーダー』は凄いな(笑)。
―― 大堀さん、大好きですもんね。
大堀 『ラリーX』に話を戻すけど、『ニューラリーX』が出たのって前作から一か月後ぐらいだったっけ?
西谷 一か月かどうかはわかりませんが、早かったですよね。
見城 うん、かなり早かった印象ですね。前作はすぐに撤去されたのか、見なくなりましたし。
―― あれはロム交換とかだったんですか?
見城 どうなんだろう。別物だったんじゃないかな。
大堀 別基板だと思うよ。「夏のボーナス、稼ぎ出せ。在庫を吐き出せラリーX」って歌があるじゃん。
見城 知らない(笑)。何それ。
大堀 『ニューラリーX』の歌詞があるんだよ。
―― 大野木さん(大野木宣幸氏)が歌ってましたね。
見城 そうなんだ。はじめて聞いた(笑)。
大堀 「な~つのボーナス 稼ぎ出せ~。在庫を吐き出せ ラリ~X」って歌詞だったよね。え、知らないの?
西谷 知らないなぁ(笑)。
大堀 ゲームスタジオで、みんな歌ってたじゃん。
見城 ぼくは、ゲームスタジオにあんまり出入りしてなかったからなぁ。
大堀 となると、いわゆるボーナスステージは、やっぱり『ラリーX』が元祖ってことになるのかな?
見城 あと思い出せるのは、さっき話に出た『メロディインベーダー』ぐらいですかね。そして、『ラリーX』を進化させたのが『ギャラガ』。自分がどうやっても死なないし、1面まるまる遊ばせてくれるだけじゃなく、専用の敵や動きまで用意している。
西谷 パーフェクトって概念もあって、攻略させようって意識もありましたもんね。
見城 そうそう。言ってしまえば『ラリーX』って敵が動かないだけなんて、そこから見たら、もの凄い進化ですよね。
―― イマドキの考え方だと、あれを一番先に持ってきそうなもんですよね。
見城 ああ、チュートリアル的な?
―― そうです。『ラリーX』って何気に難しいじゃないですか。
西谷 わかります、難しいですよね。
見城 『ラリーX』ってレーダーも見る必要があるし、それなのに行き止まりというか、袋小路になってる箇所がかなり多かった。岩もあるし。
―― 『ラリーX』は、止まれないのが大きかった印象ですね。
西谷 煙幕で敵をまいたりできるけど、あれの使うタイミングも難しいですね。危ないと思った瞬間に使っても遅すぎるんですよ。
―― 袋小路に入り込んで、しまったと思って使っても遅すぎますもんね。
西谷 そうなんです。ある程度、先読みして「置いておく」感覚で使えるようにならないと効果が薄いんです。
大堀 やっぱり、みんな難しいって思ってたんだろうね。『ニューラリーX』になって、あきらかに袋小路がなくなってたもんね。
見城 一回入っちゃうと脱出しにくいコースの脇に、抜け道を作ってくれてたりね。ぼくも全部のステージはもう覚えてないけど、そういうのが結構あった。
大堀 それでも難しかったけどね(笑)。
見城 ボーナスステージの話から、どんどん逸れてるけど……まあ、いつものことだからいいのかな(笑)?
―― いいんです(笑)。
大堀 他のメーカーのゲームでボーナスステージって、どんなのがあったっけ?
西谷 私が思い出すのは『マッピー』かな。
大堀 それもナムコじゃん(笑)。
―― 基本的に難しくなくて、息抜きみたいな印象でしたね。
西谷 工夫が必要だったり、攻略するみたいな部分はなかったですね。ただ音楽が素晴らしかった。だから、それで満足してました(笑)。
大堀 音楽とシンクロしてるっていうか、クリアのタイミングできれいに音楽が終わるのがよかったよね。
西谷 そうです、そうです。
見城 あのシンクロする部分は、サウンドを担当している大野木さんが調整されたんですかね。本当に素晴らしい。でも、ボーナスステージ自体には、あんまりゲーム性はないんですよね。いくつかの場所で壁にバンバンぶつかって素早くトランポリンを破壊するぐらいで。
大堀 やり方がわかっちゃうと作業っぽくなるんだよね。
西谷 どこだったか、ちょっと変則的な部分はありましよね。
大堀 そうだね。『マッピー』って単純なようで、じつは奥が深いんだよね。たとえばトランポリンで跳ねているときも、必ず同じ位置にいるわけじゃないんだよ。
西谷 そうなんですか?
見城 確か、左右のどちらかに座標がちょっとずれてるんだよね。
大堀 そうそう。右の壁にボコボコぶつかってトランポリンを割ったとすると、若干だけど右寄りになるんだよね。
西谷 そうなんだ! 知らなかった!
大堀 まあ、「だから?」って知識なんだけど(笑)。
見城 ちょっと自分が担当したゲームの話になっちゃうんだけど。
西谷 おお、どうぞどうぞ。
見城 自分がまだナムコにいたとき、『ナムコクラシックコレクション』の中に入っている『マッピー・アレンジメント』というのを作ったんですよ。正直、本編のほうはあまりうまく作れなかったところもあるんだけど、ボーナスステージは評判がよかったんです。
大堀 どんな内容だったっけ?
見城 元の『マッピー』をオマージュして、元祖が横にスクロールするゲームだったから、縦にスクロールする……上へどんどん進んでいく構成のボーナスステージにしたんですね。そうしたら、それが評判よくてね(笑)。
大堀 みんながおもしろかったと思うボーナスステージって何?
見城 うーん、そうだなぁ。まず思い浮かぶのは、さっきから話をしている『ギャラガ』になっちゃうかな。
―― 攻略要素がとてもおもしろかったですよね。一番最初はデュアルファイターの左で画面上部「HIGH SCORE」のGとHの間を撃ってとか、自分なりにパターンを作ったり。
見城 そうそう。
大堀 デュアルファイターになってなくても、うまくやればちゃんとパーフェクト取れるのが凄いよね。
見城 そうそう、そうなんだよね。
西谷 難しいけど、できますね。撃つタイミングとか重要ですけど。
見城 あのバランスは凄いよね。
大堀 シングルファイターでパーフェクト取ると、やったぜ!的なのがあったよね(笑)。
西谷 わかります。
大堀 でもさ、申し訳ないけど『ギャプラス』のボーナスステージは、ちょっとアレだったよね(笑)。
西谷 (笑)
大堀 やらされてる感が、個人的には強く感じられてね。
見城 攻略という感じではなかったですからね。アイデアはおもしろいと思いましたけれど。
―― 『ギャプラス』は本編が歯ごたえがあったので。
西谷 うんうん。
大堀 ナムコ以外のボーナスステージで印象に残ったのってある?
見城 『ギャラガ』に似てるけど、コナミの『ジャイラス』とかはどうかな? 名前も似てて「チャンスステージ」となってる。まあ、ゲーム全体が『ギャラガ』から発想されたものなのかもしれないけど。
大堀 あれ、岡本さん(岡本吉起氏)だよね?
西谷 そうですね。岡本さんです。
見城 同じコナミってことで『プーヤン』。あの作品の、肉だけを投げるステージもボーナスステージですよね?
大堀 『プーヤン』は好きだったけど、あんまり覚えてないな(笑)。
西谷 私も(笑)。
見城 え、そうなの?
―― みんな、ナムコ脳ですから(笑)。
西谷 ボーナスステージって、あの頃はコーヒーブレイクみたいな受け止め方をしていたかもしれませんね。息抜きみたいな感覚と同時に、どこまで進んだのか、みたいな指標というか。あの頃のゲームって、先に進んでもそんなに変わり映えしないから、そういうので変化をつけてプレイヤーを惹きつけようとしていたのかもしれませんね。
見城 うんうん。
西谷 ナムコ以外のメーカーの、というので少し新しめですが、データイーストの『空手道』が印象に残っていますね。
―― 全然新しくないです(笑)。
大堀 さあ牛だ!
見城 牛の他にも、瓦を割るやつとかもあったよね。
―― あとは植木とか、物が飛んでくるのを打ち落とすものもありました。
大堀 あれ、牛で失敗すると死ぬんだっけ?
西谷 死ぬというか、ボーナスステージは終わります。ただ、残機という概念のないゲームなのでゲームオーバーにはならないですね。
大堀 『空手道』は難しかったイメージしかない(笑)。
見城 散々訊かれているかもしれませんが、『ストリートファイターⅡ』のボーナスステージって、『空手道』の影響があるんですか?
西谷 『ファイナルファイト』にもありますしね(笑)。
大堀 え、マジで?
西谷 いえ、そんなことはないです(笑)。
大堀 日本車を壊すのはタイムリーというか、そういう感じだったよね(笑)。
西谷 そうですね(笑)。今の人は知らないかもしれませんが、当時はアメリカで日本車が売れまくっていて……。
大堀 貿易摩擦でね(笑)。
見城 ほんとにそういう理由なの?
西谷 そうですよ。ただ『ファイナルファイト』のときはうまく表現できなかったので、『ストⅡ』では本気でやって(笑)。結構、豪華にやりました。
大堀 そうだったんだ(笑)。
西谷 ただ、あれぐらいからボーナスステージってどんどん少なくなっていきましたよね。
大堀 そうだね。
―― プレイ時間をどんどん短くしようという方向性とボーナスステージは、ちょっと相反するところがありますからね。
西谷 余計な演出は削るとか、そういう感じになっていきましたからね。それこそ私も含めて、アーケードの人たちは秒単位で削っていました。
見城 さっき西谷さんがおっしゃっていましたけど、昔のゲームはいろいろと制約があってゲーム本編に変化が出しづらい。でも、たまに敵が攻撃してこないとか、そういうのを入れるだけで新鮮味が出せた。そういうことなんでしょうね。
西谷 そうですね。
見城 でも、よく考えると凄いですよね。『ラリーX』も『ギャラガ』も最初のチャレンジングステージがステージ3でしょ? たった2ステージ遊んだだけで、そういうのが出てくる。
―― とにかくプレイヤーに変化を感じてほしいと、制作者側は考えていたんでしょうね。
見城 そういうことなんでしょうね。
大堀 『ギャラガ』のイメージが強くてボーナスステージは死なないって思い込んでいたから、『ギャッツビー』はビビったよね(笑)。
―― 『ギャッツビー』は『ギャラガ』のコピー品ですね。
西谷 あれ、そうでしたっけ?
大堀 いや、『ギャッツビー』もボーナスステージでは弾を撃ってこないんですよ。でも自機が8方向に動けるから。
―― 調子に乗って上へ行くと……。
大堀 そうそう、あれはヤバいね(笑)。
見城 『ギャッツビー』は遊んだことないんですが、そんな作りだったんですね。
大堀 『ギャラガ』でボーナスステージは死なないってすり込まれていたから、あれはショックだったよ(笑)。
見城 ボーナスステージで死んじゃうゲームって、探せばいくつか出てきそうな感じもするよね。
西谷 忘れてるだけで何かありそうですよね。
―― ここまでナムコのゲームが圧倒的に多いんですけど、たとえばタイトーのゲームでボーナスステージのあるゲームって何が思い浮かびます?
見城 パッと思い浮かぶのは『ワイルドウエスタン』かな。あれは1面をクリアしたら、もうすぐに出てくるんだけど。投げられたコインを狙って撃って、命中すると倍率が上がっていくという。
西谷 ありましたね。
見城 当時は、ナムコのものに比べると出来が今ひとつかな、なんて印象を持ってたんですけど、今になって思うと、あれはあれでおもしろかったなって思うんです。とてもシンプルでいいな、と。
―― 世界観というか、雰囲気を感じさせてくれる演出というか。
見城 そうそう。そういう点でもよかったんだと思うんですよね。
大堀 他にもある?
見城 同じタイトーだと『インディアンバトル』のボーナスステージ。
西谷 ボーナスステージありましたっけ?
見城 投げ縄の……。
西谷 あ、思い出した! あったあった、ありました!
見城 上のほうで動物が左右に動いていて、プレイヤーのカウボーイ(?)が下から投げ縄を投げて、その動物を捕まえるって内容。投げ縄が飛んでいくのが妙に遅くてね。
―― 『インディアンバトル』って、もしかしたら『ラリーX』よりも発売が早くないですか?
見城 あ、本当だ! 『インディアンバトル』は80年で、『ラリーX』は81年ですね。『インディアンバトル』ってかなり先進的な要素を入れていたんですね。
大堀 それから……あれ、何だっけ? アヒルが玉を食うやつあるじゃん?
西谷 私も今、それを思い出しました。
見城 セガの『カーニバル』だね。
大堀 相当古いけど、あれもボーナスステージがあったよね。熊を撃つやつ。ちょっと『ギャプラス』っぽいというか。
―― この『カーニバル』は、1980年6月発売との話もありますので、『インディアンバトル』よりも、さらに古いゲームかもしれません。
見城 やっぱりみんなナムコのイメージが強いからつい見逃しちゃうんですね。『メロディインベーダー』との間にもっとあるかもしれませんね。
西谷 いろいろと思い出してきました。『ノーティボーイ』もボーナスステージがありましたよね。
大堀 あったっけ?
西谷 上から傘とか落として、下にいるクラゲみたいなキャラを攻撃するものです。
見城 ありましたね(笑)。
大堀 思い出した! きゅーきゅー鳴くやつだ。
見城 キャラクターの大きさが印象に残るボーナスステージでしたね。
西谷 そういえばもうひとつ思い出しました。あの有名な『ドラキュラハンター』です。これ、何面か毎にコウモリだけが出てくるボーナスステージがありましたよね。死ねるやつ(笑)。昔のことだけにはっきりとはわからないのですが、発売年数を調べてみると1980年初頭、もしくは1979年らしいんですよね。意外なダークホースかもしれません。
―― どんどん情報が出てきますね(笑)。
西谷 最初はボーナスステージのあるゲームって、そんなにないかも……なんて思っていましたけど、いろいろと思い出すもんですね。
見城 1980年ぐらいだと、まだチープな表現しかできなかったのですが、こういうものを入れて何とか変化をつけることで、ゲームが豊かになっていくと考え始めたんでしょうね。でも、ハードウェアが進歩して、ゲーム本編の内容だけで十分に変化が出せるようになってきて、それでボーナスステージが廃れていった。
西谷 そうだと思いますね。
見城 一方で『ストⅡ』は、対戦するだけで十分楽しいゲームなのに、なぜボーナスステージを入れようと思ったんですか?
西谷 日本で、あんなに対戦が流行るとは思ってませんでしたから(笑)。
見城 ああ、なるほど(笑)。
西谷 だから「対戦ゲーム」ではなく「アクションゲーム」として生きていくと思っていましたからね。もちろん、外国では対戦をやってくれる人は多いとは思っていましたけど。
―― 外国では、初代『ストリートファイター』の頃から対戦プレイは当たり前だったと聞きます。
西谷 そうですね。普通に乱入してきますよ。
大堀 見ず知らずの人が遊んでいるところに入っていくんでしょ?
西谷 外国では全然気にしないですね。大人と小さな子どもが対戦してるとか、そういうのは日常風景ですし。
―― アメリカとかですと、お店のレジに商品を持っていくと、お互いに「ハイ」って軽く挨拶する文化があるじゃないですか。
西谷 そうですね。あれは、お互いに敵意がないことを確認する意味もあるみたいですね。
見城 ああ、そうですね。エレベーターに乗り合わせたときも挨拶するとか。
西谷 なので、対戦が終わったあと、ハイタッチしたりとか。そういうことも珍しくなかったりますから。
見城 知らない人と一緒にプレイするという話で思い出したんだけど、『ガントレット』がアメリカで大ヒットして、これは日本でも行ける、と輸入したけど、日本ではみんなひとりでプレイしていた、という話がありましたよね。
西谷 『ガントレット』の4人プレイ、めちゃくちゃおもしろいのに(笑)。
―― でも、狭かったじゃないですか。端っこのプレイヤーは操作と画面が合わないというか、妙にやりにくくて。
西谷 そうなんですよね(笑)。
―― まあ、それも含めての同時プレイなのかもしれませんが。
見城 アメリカでの大ヒットの話を受けて、ナムコがプロモーションにも凄く力を入れていたのに、日本では、ひとりで遊ぶゲーム性ばかりが評価されて、売り上げも伸びず、国民性の違いを痛感しました。
―― ふと思ったのですが、シューティングゲームのボス戦などで安全地帯ってありますけど、あれって制作者が意図的に入れているものもあるんじゃないかと思っていて。たとえば『ギャラガ』のチャレンジングステージみたいな、ここで撃っていれば楽勝みたいな、そういうものの延長線上にあったりしないのかな、と。
大堀 『究極タイガー』が出る前だったかな。とある雑誌で、5ウェイ(ブルーアイ)にしてここにいれば簡単に倒せるとか、そういう記事が出てたんだよね。そういうのがあるから、ゲームによっては安全地帯みたいなのは、意識して入れていた制作者はきっといるんじゃないかって思うんだよね。
―― 道中はきついけど、ボス戦はそうでもないゲームってありますけど、そういう意味ではボス戦はボーナスというか、ご褒美みたいな感覚で安全地帯を意図的に仕込んでいる場合も、もしかしたらありそうですね。
大堀 他のゲームでボーナスステージは、どう?
―― これまでのパターンですと、時間がなくなっていくと、ようやく次々と思い出しはじめるのですが(笑)。
西谷 あははは(笑)。ああ、そうだ。『フィッター』にもありましたよね。
見城 ありましたね。ルービックキューブみたいな色合わせですね。
大堀 『フィッター』って、いつ発売?
―― 1981年10月のようです。
大堀 結構、遅かったんだね。
見城 いろいろと思い出してきました。
―― エンジンがようやくかかってきましたか!
見城 『アルペンスキー』にもありますよね。ジャンプ台でジャンプするやつ。思い返してみると、タイトーはああいった一発ネタというか、一瞬で終わるようなシンプルなボーナスステージを入れているゲームが多いのかな。
大堀 『アルペンスキー』はおもしろかったけど、全然うまくならなかったな。
―― 難しいゲームでしたね。
大堀 でも、めちゃくちゃうまい人がいて感動したんだよ。
見城 あれって永久に遊べるの?
大堀 無理でしょ(笑)。
西谷 無理だと思いますね。時間が足りない。あの難易度のつけかた、凄いですよね。1万点ごとだったか、くわしいことは忘れましたが、最初は自分の持ちタイムがどんどん増えていくんですよ。でも、何面か進むと、一回転んででんぐり返っている間に、タイムがガンガン容赦なく減っていく(笑)。
大堀 とにかく難しいイメージしかない(笑)。
見城 やっぱり『スペースインベーダー』が長時間、遊ばれすぎたことも関係しているんでしょうね。あのあとは、絶対終わるようなゲームが増えていった。
大堀 世知辛くなっていったよね(笑)。
見城 1982年とか83年ぐらいからなのかな。製品リストを見直してみても、タイトーのゲームでボーナスステージを採用しているゲームはなくなっていった感じがありますね。『フロントライン』とか『エレベーターアクション』とか、本編だけで十分に変化とか起伏がつけられるようになったからなのか。
―― セガのゲームだと、どうですか?
見城 変わり種のボーナスステージだと、『テディボーイ・ブルース』なんていうのもありましたね。
西谷 よく覚えていますね(笑)。確かにありました。
見城 アーケードゲームで珍しく、アイドルの石野陽子さんとのコラボ……っていったらいいのかな。タイアップ作品のような感じで。ボーナスステージが、いわゆる宝探しになっているんだよね。
大堀 ああ、あったねぇ。
見城 陽子ちゃんの部屋に宝物が隠されているという設定で。
―― それで見城さんは燃えていたんですね。
見城 いや(笑)、遊び込みたかったけど、行きつけのお店にあまり置いてなかった覚えがありますね。それで、忘れちゃいけないのが、あのゲームはもうひとつ、ボーナスステージがあるんですよね。
西谷 ええ、そうでしたっけ?
見城 射的があるんで。どっちを遊ぶかを選べるんだけど、みんな、宝探しのほうが斬新なので、そっちを選ぶんですよね。
大堀 『テディボーイ・ブルース』は、あんまり遊んでいる人はいなかったかな。
見城 え、そう?
大堀 みんな、『フリッキー』で遊んでたから。
見城 そうなんだ。『フリッキー』は画面の左右が閉じていて、『テディボーイ・ブルース』は上下左右が閉じている。しかもブロックを壊すところがゲーム性につながっていて、どこを壊すとか考える必要もあって、ぼくは結構楽しかったかな。
―― まだまだ話し足りないこともあるかもしれませんが、そろそろお時間となります。

2026年4月19日(日曜)にキュポ・ラ本館4階フレンディア(埼玉県川口市)にて開催される「ゲームレジェンド41」に、ゲーム文化保存研究所(IGCC)も参加させていただきます。
ブースは、32ab。
当日、「ARCADE HOUND #02」を頒布することが決定しました。
価格は1,000円。
今回掲載した「ボーナスステージ」の他、「スクロール」、「アクション」、「パワーアップ」、そして「コンティニュー」の合計5つの座談会の模様を収録しています。
よろしければ、ぜひお手に取ってみてください!
画像なんて一切なし。文字ばっかりをギッシリと詰め込んだ、熱い一冊です!
