『アストロシティミニ V』オールカタログ<後編>
目次
80~90年代のゲームセンターを彩った、縦画面シューティングゲームを中心とした22タイトルが遊べる復刻ハード、アストロシティミニ Vの応援企画。
今回の後編は、1992~1999年までに発売された全11タイトルの遊びかたや見どころなどを、余すところなくご紹介します!
『アストロシティミニ V』オールカタログ 前編は、こちら。
『達人王』
『TATSUJIN(達人)』の続編にあたる、難易度が非常に高いことでも有名な縦スクロールシューティングゲームです。
自機の装備は、初期状態では正面に放つショットだけですが、パワーアップアイテムを取ることでノーマルショット(緑)、サーチレーザー(青)、ナパームボム(赤)の武器を装備することができます。さらに同じ種類のアイテムを取り続けることでそれぞれの武器がパワーアップします。ピンチ回避に重宝するボンバーは、前作と同様にボタンを押すと即発動して大爆発を起こし、ザコ敵や敵弾を一掃してくれる爽快感の高さも大きな魅力ですね。
1周6ステージ構成ですが、1面あたりのマップが非常に長く、なおかつ敵キャラの種類や攻撃パターンが豊富なので、「ホントに6面しかないの?」と思えるほどのボリューム感があります。各ステージの最後に登場する、いかにも強そうなボスキャラのデザインも大きな見どころ。とりわけ5面のボスはサイズも不気味さも凄まじく、「いったい何発撃ち込めば倒せるのかなあ……」と、初見では絶望感すら覚えるほどの威圧感があり必見です。
そんな強力なボスキャラたちはデモ画面でも登場し、情け容赦ない攻撃を繰り出して自機を瞬殺するシーンを「これでもか!」と見せつけます。本作のキャッチコピーは「達人を超えて王となれ!」ですが、デモ画面には「この過酷な世界を制してこそ『王』になれるんだ!」という、開発者からプレイヤーに向けた強烈なメッセージが込められているような気がしてなりません。
ちなみに、最終面の途中でミスをすると、まれにランダムで「TATSUJIN」の自機が援軍として登場し、自動で敵を攻撃してくれる粋な演出もあります(※それ以前に、6面に行くまでがタイヘンですが……)。ハードな戦いを盛り上げる、素晴らしいBGMの数々も必聴です!
『ドギューン!!』
本機で初の移植が実現した、1992年に東亜プランが発売した縦スクロールシューティングゲームです。
自機は8方向レバーとショット、ボンバーまたは加速、プリソナービームの3ボタンで操作します。プリソナービームとは、命中した敵を自機の背後まで吸い寄せる性能を持つ、ほかの作品で見られない実に独創的な武器です。敵を吸い寄せている間は得点がどんどんアップする効果がある一方、自機の移動速度が低下するデメリットもあります。2人同時プレイにも対応しており、2人プレイ時はプリソナービームボタンを味方に当てると自機同士が合体し、より強力なショットが撃てるようになるのも本作の大きな特徴です。
自機の各種ショットの派手な演出も本作の見どころです。ショットの種類は、正面に強力なレーザーを放つメガショットをはじめ、大きく屈折しながら空中の敵を優先して追尾するホーミングファイアー、滑らかなカーブを描いて飛んでいくサイコビーム、2方向にイナズマ型のレーザーを放つVレーザーの全4種類。いずれもデモ画面をひと目見ただけで、思わず引き込まれてしまうほどの迫力があります。
1周10ステージで、全面クリアすると高難度の2周目に突入し、自機のストックがゼロになるまでエンドレスでゲームが続きます。
『デザートブレイカー』
1992年にセガから発売された任意スクロール方式のアクションゲーム。発売から実に30年の時を経て、本機で初めて家庭用への移植が実現しました。
主人公キャラは3人で、ゲーム開始時にいずれか1人を選択します。操作は8方向レバーと、ショット、ダッシュ、ボンバーの3ボタンを使用します。制限時間内に、各ステージの最後に出現するボスキャラを倒すとステージクリアとなり、主人公のバイタリティがゼロになるとゲームオーバー。2人同時プレイにも対応しています。
注目ポイントは、主人公はダッシュ中に完全無敵状態になること。さらにショットとダッシュを併用すると、強力な近接攻撃が繰り出せるので、これを利用した攻略パターン作りに本作独特の楽しさがあると言えるでしょう。また、ステージ開始時に空爆したい場所を指定しておくと、その地点に着いたときに援軍が上空から強力な爆弾を投下し、周囲の敵を一掃してくれるのも実にユニークなアイデアです。
敵の戦車や倉庫などを破壊したときも派手に爆発したりするので実に快感。また、2足歩行ロボットに乗るとザコ敵を蹴飛ばして倒せるようになるので、これまた気分爽快です。途中で橋が崩れて主人公が真っ逆さまに落下したり、敵から奪い取った水上バイクや戦闘機を華麗に乗り捨てたりするなど、アクション映画の主人公になったかのような気分にさせてくれる演出も必見です。
本作はあまり出回らなかったこともあり、筆者こと鴫原も含め、本作をガッツリやり込んだ経験があるプレイヤーは、おそらくほとんどいないと思われます。この機会に、ありがたくレアタイトルをじっくりと遊びたいところでですね!
『BATSUGUN』
数々の名作シューティングゲームを世に出し続けた東亜プランが、最後にリリースしたシューティングが本作です。8方向レバーとショット、ボンバーの2ボタンで自機を操作するオーソドックスなシステムで、1周5ステージをクリアするとエンディングを迎えてゲーム終了となります。
本作の魅力は、『達人王』や『ドギューン!!』などに比べて難易度がかなり低いので、初心者でもプレイしやすいところにあると言えるでしょう。自機はA、B、Cタイプの3種類が登場しますが、初心者には攻撃性能に優れるBタイプのドラゴンズウィスパーがオススメです(※元攻略記事の担当者、筆者こと鴫原談)。
自機はパワーアイテムを取るとショットの威力がアップするだけでなく、敵を倒すごとに獲得できる経験値を増やし、経験値のゲージが満タンになるとレベルアップして、さらに性能が向上します。まるでRPGのような成長システムを搭載しているのも、本作ならではの個性が際立つところでですね。
ゲームの腕に自信があるプレイヤーは、単に1周クリアしただけでは物足りなさが残ることでしょう。そんなときは、いったい何点まで得点を稼げるのか、スコアアタックにぜひチャレンジしましょう。本作には、触れるともの凄い勢いで得点がアップする効果を持つ、隠れキャラのブタや、特定の条件を満たすと獲得できる「59630(ゴクロウサン)点」の隠しボーナスがあちこちに存在しますので、これらの出現方法や稼ぎ方をぜひ探してみてください。
2人同時プレイも可能で、同時プレイ時は2人が同時にボンバーを発射すると、より強力な合体ボンバーが発動するユニークなアイデアも搭載されています。また2人プレイ時は、ステージをクリアするごとに、選択した機体(キャラクター)の組み合わせによって異なるセリフが表示されますので、こちらにもぜひご注目を。
『V・V(ヴイ・ファイヴ)』
往年の名作『グラディウス』シリーズではおなじみでも、ほかのタイトルでは非常に珍しい、パワーアップゲージによる自機のパワーアップシステムを採用した縦スクロールシューティングゲームです。
自機の装備はショット、サーチ、ミサイルの3種類で、いずれもボタンを押しっ放しで超高速連射するので実に快感です。ショット装備時は、自機の前方に装着される2個のウイングを操作することで、前方集中型とワイド型のショットに切り替えることが可能。サーチは威力こそ低いものの、敵を自動でロックオンする特長があり、ミサイルは着弾後の爆風でも敵にダメージを与えられるので攻撃力に長けています。
先のステージに進むほど敵弾が非常に多くなるだけでなく、本作のザコ敵などが放つ弾は丸形や正方形ではなく長方形で、しかもサイズがかなり大きいのも本作ならではのユニークなところでしょう。さらに2周目に進むと、敵を倒した直後にいわゆる「撃ち返し弾」も飛んでくるので、シューティングの腕に自信のあるプレイヤーはテンションがますます上がること間違いなしです。
1周6ステージで、2周目をクリアするとエンディングを迎えてゲームオーバーとなります。1周目と2周目とでは、エンディング曲がそれぞれ異なるのも注目ポイントですよ!
『戦国エース』
90年代に数々のシューティングゲームを世に送り出した、彩京(※『ソニックウイングス』の開発チームが独立し、後に彩京を設立しました)の記念すべき第1号タイトルが本作です。『ソニックウイングス』と同様に、1~3面は毎回ランダムで出現するステージが変わるのが特徴で、8方向レバーとショット、スペシャルウェポン(ボンバー)ボタンで自機を操作します。
本作ならではの特徴は、和風の世界観とSF的な要素が融合した独特のビジュアルに加え、全6種類の自機が登場し、機体によって攻撃性能も移動速度もまったく異なるので、攻略パターンがそれぞれ大きく変わるところになります。一定時間ショットボタンを押しっ放しにすると発射できる、強力なスーパーショット(ため撃ち)をいかに使いこなすかが重要なポイントとなります。
自機の通常ショットは、アイテムを取ると3段階までパワーアップしますが、最強状態のときは一定の使用時間が経過すると1段階パワーダウンするので、無駄弾を極力撃たずにプレイする必要があります。パワーダウンするまでの時間や、スペシャルウェポンの性能も機体によって異なるので、まずは自分が最も遊びやすい機体を探すところから始めるといいでしょう。
ステージ構成は1周7ステージで、2周クリアするとゲームオーバーとなります。
『疾風魔法大作戦』
1993年にライジングが開発し、エイブルコーポレーションが発売した『魔法大作戦』の続編にあたる縦スクロールシューティングゲームです。ガイン、チッタなど前作からおなじみのメンバーを含む、全8種類のキャラクター(自機)が登場します。
本作の特徴は、何と言ってもシューティングにレースの要素を盛り込んだことに尽きます。プレイ中は敵キャラだけでなく、レースの順位を競うライバル機も出現し、各ステージを4位以内でクリア、すなわちゴールした場合はドライバーズポイントと、順位に応じたボーナス得点が獲得できます。
ライバル機を追い抜くときは、自機を画面の上半分に移動させるか、またはショットボタンを押しっ放しにして「ハイパーブースト」を発動し、移動(スクロール)速度をアップさせる必要があります。
ただし、加速中は敵やライバル機が避けにくくなったり、あるいはショットが撃てなくなったりするリスクも生じます。自機がライバル機に接触すると弾き飛ばされ、ミスにつながる危険性が大きく高まります(※本作は、敵機などに触れただけではミスになりません)。つまり本作は敵の攻撃だけでなく、ライバル機の動きも見切ってかわすことも必要となります。
また、ボンバーには使用した瞬間から自機が一定時間だけ無敵になり、敵の攻撃から身を守れるだけでなく、ライバル機を一時的に足止めする効果を持っているのも実におもしろいアイデアですね。
1周6ステージで、2周クリアすると、機体ごとに異なるエンディングを見ることができます。2~5面は、スタート時に左右2ルートのいずれかを選択し、6面は左右に中央を加えた3つのルートから1つを選んでプレイします。レースとの融合だけでなく、同じ面でもルートによって攻略パターンが異なる、他に類を見ない珍しい作品です。
『ガンバード』
魔法使いの少女マリオン、科学者のアッシュ、ロボット軍人のバルナスなど、全5種類のキャラクターを自機として操作する縦スクロールシューティングゲームです。
本作も『戦国エース』と同様に、ショットボタンを一定時間押しっ放しにすると発射できる、強力な「ため撃ち」をいかに使いこなすかが、攻略パターンを作るうえでの最重要ポイントとなります。
対ボスや中ボス戦では、タイミングを見計らって敵弾の死角に移動したり、安全地帯を探し出してじっと待機したりするなど、弾避けのパターンを作りが楽しいのも本作ならではの魅力でしょう。また本作は、ボスであろうとザコであろうと接触してもミスにならない(※ただし、パワーアップが1段階ダウンします)、おもしろいアイデアを導入しています。
1周7ステージで、1~3面は毎回出現するステージがランダムで変化し、さらにエンディングの分岐なども用意されています。腕に自信のあるプレイヤーは、ぜひ全エンディング制覇を目指してください!
『ストライカーズ1945』
『戦国エース』、『ガンバード』に続いて登場した、彩京を代表する縦スクロールシューティングゲームのひとつです。
自機はP-38ライトニング、メッサーシュミットBf109、スピットファイアなど6種類の中から1機を選択してプレイします。タイトルに『1945』とあるように、第二次世界大戦直後の世界が舞台で、日本をはじめアメリカやソビエト、ドイツなどのステージで、さまざまな敵の戦闘機や軍艦が登場します。さらに対ボス戦などの場面で、一見すると普通の戦艦だと思った敵が、突然ロボットに変形して襲い掛かってくる演出も、本作ならではの大きな見どころでしょう。
本作も『戦国エース』や『ガンバード』と同様に、一定時間ショットボタンを押しっ放しにすると発射できる、強力なフォーメーション攻撃(ため撃ち)を使用した攻略パターン作りの楽しさが魅力です。フォーメーション攻撃を発動すると、自動でショットを連射するオプションが出現し、使い方次第では自機の通常ショットでは届かない位置にいる敵を撃てるようになるのが実におもしろいですね。
1周8ステージで、1~4面はランダムで出現順が変化します。機体ごとにエンディングが3種類あり、さらに特定の条件を満たせば、高難度の2周目に進むことも可能で、2周クリアするとゲーム終了となります。
『アームドポリス バトライダー』
1996年に発売され、多くのシューティング好きをうならせた『バトルガレッガ』の流れをくむ作品。8方向レバーで自機の移動、ショット、ボンバーの2ボタンを使用して敵を攻撃する、オーソドックスな操作タイプの縦スクロールシューティングゲームです。
操作方法はいたってシンプルですが、本作に登場する自機は何と全18種類(※隠し機体の9種類も含む)! プレイヤーは18種類の自機の中から3機を選択し、チームを編成するところからゲームが始まります。最初に選んだ自機がやられたら2番目に選んだ自機でリスタートし、またミスしたら3番目の自機でリスタートするという、ちょっと変わったシステムを導入しているのが本作の大きな特徴です。
チーム編成時は、任意の機体を3機選ぶだけでなく、ランダムでチームが編成されるランダムエディット機能や、あらかじめ用意された元警察官、超能力者、凶悪犯罪者チーム(3機セット)のいずれかを選択して遊ぶことも可能です。さらに、タイトル画面でおなじみ(?)の隠しコマンド(※↑↑↓↓←→←→ABの順に入力)を入れると、『バトルガレッガ』のワイルドスネイルや『魔法大作戦』のミヤモトなど、9種類のゲストキャラクターが登場します。
ショットボタンを押さずに数秒間待ち、自機の周囲にオーラが発生してからボタンを押すと、強力な「ため撃ち」を放つことも可能。オーラ自体にも攻撃判定が存在するので、敵の破片やザコの体当たりを防ぐバリア代わりに使えるのもおもしろいところですね。
ゲームモードは練習、一般、上級の3種類で、上級コースは1周7ステージ構に加え、特定の条件を満たすと出現する、ボス戦のみを行う隠しモードもあります。『バトルガレッガ』と同様に、画面外に逃さずに連続で取り続けると得点がアップする、勲章アイテムによる得点稼ぎも非常にアツい作品です。
なお、本機に収録されているのは初期バージョンではなくバージョンBとなります。また『バトルガレッガ』の機体を使用時に限り、ショット、ボンバーとは別に3個目のボタンを使ってオプションの配置を変更することができます。
『バトルバクレイド アンリミテッドバージョン』
9種類の自機(※隠し機体も含む)から1機を選んでプレイする縦スクロールシューティングゲームです。
本作の最大の特徴は得点システムにあります。敵を倒したときの得点は、画面上部に表示された倍率の分だけアップする仕組みで、倍率は一定時間内に特定の敵を連続して倒すと2倍、4倍、8倍とどんどんアップし、最高64倍までアップします。また、得点源となる勲章アイテムは、『バトルガレッガ』と同様に連続で取り続けると得点がどんどんアップし、さらに条件次第では1個につき最高10万点まで上がります。
実は本作、初期バージョンは稼働直後にカンスト(※得点が集計の上限まで到達すること)を達成したハイスコアラーが何人も現れたため、急遽カンストしない新バージョンが開発されました。つまり、本作のサブタイトルはこれに由来するワケですね。
ゲームモードは初級、中級、上級の3種類で、『アームドポリス バトライダー』と同様に特定の条件を満たすと全種類のボスと戦うスペシャルコースが出現します。ちなみに隠し機体は、『アームドポリス バトライダー』と同じ隠しコマンド、または「↑↑↓↓←→←→BA」と入力すると選択できるようになります。
『アストロシティミニ V』7月28日(木)発売!
あの『アストロシティミニ』に続く、アーケードクラシックシリーズ第二弾『アストロシティミニ V』が発売になります。
今回収録されているのは、80年代から90年代に一世を風靡したシューティングゲームを中心に全22タイトル。
セガ以外にも5社の協力で、バラエティーに富んだ作品を楽しめます。
中でもアーケード版の忠実移植となるタイトル『達人王』『アームドポリス バトライダー』『バトルバクレイド アンリミテッドバージョン』『ドギューン‼』『アウトゾーン』『デザートブレイカー』は要注目です!
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