発見! インディーゲーTreasures

  • 記事タイトル
    発見! インディーゲーTreasures
  • 公開日
    2023年08月18日
  • 記事番号
    10136
  • ライター
    山村智美

小ちゃい騎士たちがワラワラ大戦争! アーティスティックなセンスと丁寧な作り込みが光る、ストラテジー×ディフェンダーズ×アクション『Thronefall』

いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ

「発見! インディーゲーTreasures」は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。

今回ピックアップした1本は、こちら。

『Thronefall』!

  

タイトル:『Thronefall』
開発元:GrizzlyGames
パブリッシャー:GrizzlyGames
早期アクセスリリース日: 2023年8月2日
価格:¥800
配信プラットフォーム:Steam
https://store.steampowered.com/app/2239150/Thronefall/

  

たくさんの小さなキャラクターたちがチマチマワラワラと動きまわって戦う。

そういうゲームは好き?

好きだという人にオススメしたいのが、この『Thronefall』だ!
  

『Thronefall』は、自分の王国を発展させつつ迫りくる敵の軍勢を撃破していく、中世ヨーロッパ風な世界観のリアルタイムストラテジー×ディフェンダーズなゲームだ。

プレイヤーは馬に乗った王様となってステージ内を駆け、ステージ内に様々な施設や防壁を建設。準備が整ったら、敵軍を迎え撃ち撃退していく。

生産拠点や防衛設備を建設するためのお金には限りがあるので、うまく効果的に使って、どんどん激しくなっていく戦いに勝利していく……というのが、おおまかなプレイの流れ。

マップの中心に城があり、周辺にはさまざまな施設を建設できる場所がある。弓で敵を攻撃してくれる塔、敵を防ぐ柵や城壁、味方の兵士が出撃する兵舎など、建築物にはいろいろな種類がある。

施設を作るにはお金を使うのだが、所持金には限りがあるので“どの場所の施設を作るのか”がプレイのポイント。

次の侵攻では、どの方向から、どんな種類の敵がどれぐらいの数がくるのかがわかるので、うまく撃退できるように限られたリソースを配分するのが攻略の鍵になっていく。

建設できるのは攻撃的なものだけでなく、家や畑といった“王国の収入を増やす”ものもある。

敵を撃退できる施設を十分に整えつつも、資金の一部を収入がアップする設備にまわすようにすれば、ステージ後半により多くの資金でたくさんの施設が作れるようになる。後半の大侵攻にも耐えられるようになるというわけだ。

だが、先のことを考えるあまり生産重視にし過ぎてしまうと、目先の侵攻に耐えられなくてゲームオーバーになってしまうことも。このあたりのバランスをプレイを重ねることでつかんでいくのが、本作の醍醐味。

ちなみに、よくあるディフェンダーゲームのように敵がきたら見ているだけ~というわけではなく、自分も戦える。自キャラの王様は自分の操作で敵の攻撃をかわしつつ戦えるし、強力な特殊攻撃も可能な重要な戦力。敵の侵攻ラインのひとつを自キャラで受け持つということもできなくはない。

プレイに慣れてくると、

「序盤だし、まだ自分だけで抑えられるから収入アップ系の施設を建設しまくろう!」

ということを考えたりもするようになる。

自キャラの戦力込みで、建設コストをどこまで効率的に運用できるのかつきつめていくというわけだ

また、自キャラを操作して戦えることでアクションゲーム的なおもしろさがあるし、「王が救援に来たぞ!」と言わんばかりに戦力不足で押し込まれているところに駆けつけていったり、城まで敵が迫っているところに「間に合ってくれー!!」と走っていったりと、ドラマティックなおもしろさも加わっている。

プレイを重ねて順調にクリアができるようになった先に待つのはハイスコアアタック。

ステージ開始前の画面では、通常よりも敵の数を増やすという難易度アップの設定が可能で、難易度を上げるほどスコアが高くなる。

より綿密にコスト管理をして、敵の種類に有利を取れる施設や兵種を効果的に配置して、ギリギリを切り詰めて、切り詰めすぎてゲームオーバーになって頭を抱えたり……。そうした一喜一憂なハイスコアアタックの遊び込みが楽しめる。
  

『Thronefall』は、随所から感じられる丁寧な作り込みと、小難しくはなくてとっつきやすい戦略性のおもしろさが醍醐味だが、全体から溢れ出るアーティスティックなセンスも魅力。

グラフィックスにおいては、シンプルながら配色が美しく、アートを思わせるビジュアルの魅力があり、キャラクターのアニメーションにおいても豊かでよく動いて、かわいらしさを併せ持っている。

サウンド面においても、アーティスティックなビジュアルに合う、落ち着きのあるBGMでこちらも心地良い。

静かな夜に、落ち着いたまったりとした気持ちで、雰囲気を味わいつつ戦略の試行錯誤を楽しむ。そんな大人な楽しみ方が想像できるようなゲームだ。
  

ドイツのインディーデベロッパーGrizzlyGamesが開発し、8月2日より早期アクセスが開始された『Thronefall』。

早期アクセスでは、4つのステージに、37のアンロック可能な武器が楽しめる。また、プレイ時間は約3~5時間となるが、ハイスコアアタックは無限に楽しめるとしている。

今後は約半年から1年ほどをかけて製品版へと進めていくとのこと。価格もとても手頃なので、応援の意味もこめてぜひチェックしていただきたい。

© GrizzlyGames

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