闇のイカサマポーカーでアドレナリンを出しまくれ! ポーカーにローグライクなデッキ強化要素を組み合わせたらすごいことになった衝撃作『Balatro』
いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ
『発見! インディーゲーTreasures』は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。
今回ピックアップした1本は、こちら。
『Balatro』!
タイトル:『Balatro』
開発:LocalThunk
パブリッシャー:Playstack
リリース日: 2024年2月20日
価格:¥1,700
配信プラットフォーム:PC(Steam) / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Nintendo Switch(※)
※ Nintendo Switch版は当初は販売されていましたが、
ギャンブルに関する内容が含まれているという理由からレーティングの変更があり、
一部の国のコンソール版デジタルストアおよび日本のニンテンドーストアでは
販売が停止されています(3月2日現在)。
本稿をご覧いただいている現在では販売が再開されている可能性がありますので、各自ご確認ください。
【Steam】
https://store.steampowered.com/app/2379780/Balatro/
【PlayStation】
https://store.playstation.com/ja-jp/product/UP3639-PPSA21401_00-0767712965312971
【Xbox】
https://www.xbox.com/ja-JP/games/store/balatro/9pk087lngjc5
ポーカーをやったことはありますか?
『ドラクエ』のカジノでルールを覚えた? あーそういう人は多いですよね。
いい役で勝ってたくさんコインが儲かると気持ちいい?
なるほど、そうですよね。
それが醍醐味ですよね、気持ちいいですよね。
じゃあ、いろいろ“ズル”をしてとんでもない量のコインを荒稼ぎして、ものすごく気持ちよくなっちゃいましょうよ。
できちゃうんです、このゲームなら!
それが、今回ピックアップした『Balatro』です。
『Balatro』は、トランプのポーカーを題材にしたデッキ構築ローグライクゲーム。
本作の基本は、いわゆる『ビデオゲームポーカー』。自分の手札からカードを引いて役を作り、できた役に応じた報酬が手に入るというものです。『ドラクエ』のカジノや、ゲーセンのメダルゲームにあったりするルールですね。
作った役や使ったカードの種類によってスコアが入るので、これを繰り返して規定ラウンド数以内でステージクリアに必要なスコアを稼ぐことが基本的な流れ。
もちろんステージをクリアするごとにクリアに必要なスコアが高くなっていくわけですが……、こちらはステージの間に「ショップ」が利用できます。
ショップでは、「ジョーカーカード」や「タロットカード」といった特殊な効果のあるカードがランダムにラインナップ。ステージクリア時にもらえるお金で購入できます。
これらのカードには例えば、
・何枚かのカードのマークを、ダイヤやクラブなど特定のものに変更する
・条件を満たすとスコアの倍率を引き上げる
・カードのスコアを高くしたり、同じカードの枚数を増やしたり、逆に減らしたり
などなど……数百種類以上もの様々な効果があります。
ショップで自分が使うトランプを強化したりカスタマイズできるんですね。
フラッシュやストレートフラッシュを出しやすくするために、例えばダイヤのカードの枚数を多くしたり、手堅く作りやすいツーペアのスコアを強化したり。
ショップにどんな強化カードが売られるかはランダムなので、そのランダムな中から自分なりの強いスタイルを作っていくところが、いわゆるローグライク的な要素なんですね。
自分のトランプことデッキを構築しながらステージを勝ち進んでいくというゲームで、強化を上手く活用することが求められ、強化の条件やカードのカスタマイズをうまく組み合わせてシナジー効果を高めると、ありえないような膨大なスコアを稼ぐこともできちゃうんです。
ショップで購入できるカードは、
・「ジョーカーカード」:一定条件でスコアを加算したり倍率を上げたりなど様々な効果がある
・「タロットカード」:トランプのマークを変更するなどカードのカスタマイズ強化
・「スペクトルカード」:低確率で出現。強力な効果があるがデメリットもあるカスタムが多い
・「惑星カード」:役の基本スコアや倍率を強化する
・「バウチャー」:カードの所持数を増やすなど、カード以外に作用する効果を持つ
といった種類があり、それらがランダムで販売。ジョーカーカードだけでも全150種類あり、さらにカードにはホログラム加工やポリクローム加工などの材質の違いが5種類あって、そちらでも強化効果が変わってきます。つまり150×5の種類があり、それらを複数所持して効果が組み合わされるわけです。
この組み合わせで効果がさらに高まっていく、いわゆるシナジー効果が本作はえげつなくて、
例えば普通のツーペアでも惑星カードでツーペアのスコアそのものを強化し、ジョーカーカードでもツーペアに倍率が高まるものを揃えたりすると、
「え、このジョーカーとこれとで倍率がこんなに……!? いいんですかーーー??」
と思わず声が出ちゃうようなスコアが出たりするんです。
逆に、強化カードが発動しない役は弱かったりするので、例えば何も発動しないストレートより、いろいろ発動するワンペアのほうがスコアが良かったりします。そのときのショップのラインナップと、自分の選択次第で、普通のポーカーとはかなり異なるものに変わっていくんですよ。
自分がトンデモ強化をしていく一方、待ち受けるステージも手強いです。
ステージ構成は8段階の「アンティ」と呼ばれるもので、アンティは「スモールブラインド」「ビッグブラインド」、そして「ボスブラインド」の3つのラウンドで構成されています。
先のラウンドに進めば進むほどクリアに必要なスコアが高くなるのは当然として、「ボスブラインド」ではプレイヤーに不利な条件、いわゆるデバフをかけられてしまいます。
ボスのデバフは例えば、「特定のマークの手札は効果が無効になる」、「1手で目標スコアを超えなければいけない」、「特定の手札が裏返しで表示される」など様々。例えばダイヤのカードを増やして強化しているデッキで、「ダイヤの強化効果は無効」のデバフがくると途端に苦しい戦いになったりもします。
ボスのデバフも考慮すると、いろんな状況に対応できるように複数の役を伸ばすスタイルが堅実なわけですが、ハマったときに爆発的なスコアが出せる一点突破なスタイルも魅力的。どんなプレイにするかはあなた次第です。
ポーカーとローグライクの融合がすさまじい興奮と中毒性を生み出している『Balatro』。
全体に漂うぐにゃあぁぁあっとした怪しいビジュアルとサウンド、そのなかで思考を巡らせてデッキを育て、とてつもないスコアを出せたときの驚き混じりの気持ちよさは、他にない極上の体験となっています。
初めてプレイしたときは、ポーカーにローグライク的な強化という要素を組み合わせたら、こんなに危険なほど刺激的なゲームになるのかと、驚きが隠せませんでした。天才的な発想とすら思えます。
ゲーム画面だけでみるとこのおもしろさと衝撃が伝わりづらいところはありますが、ゲームファンならぜひ触れてみてほしいタイトルです。
この“ヤバさ”、クセになりますよ。
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