山頂を目指して、空腹やケガでスタミナが削られアクシデント続出の中、知恵と勇気のクライミング! 協力プレイもソロも楽しい山登りゲーム『PEAK』

  • 記事タイトル
    山頂を目指して、空腹やケガでスタミナが削られアクシデント続出の中、知恵と勇気のクライミング! 協力プレイもソロも楽しい山登りゲーム『PEAK』
  • 公開日
    2025年07月18日
  • 記事番号
    13235
  • ライター
    山村智美

いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ

『発見! インディーゲーTreasures』は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。

今回ピックアップした1本は、こちら。

『PEAK』!

 

タイトル:『PEAK』
開発: Team PEAK
パブリッシャー: Aggro Crab, Landfall
リリース日: 2025年6月17日
価格:880円
配信プラットフォーム:PC(Steam)

 

「なぜ山に登るのか?」

「そこに山があるからだ。」

イギリスの登山家ジョージ・マロリーによる有名な言葉です。

登山には人生に立ち向かうための様々な要素が詰まっています。

高みを目指し挑む精神性、緩やかな道もあれば険しい道もあり、

いかなるときでも一歩ずつ足を動かし続ければ、いつか素晴らしい景色にたどり着けることを実感できる。

達成感と共に、自分の心量を増やせる。

このように登山は素晴らしいものなのです。

……まぁ、ボクは登山をしたことはないですが。

そんな登山未経験者でも山登りのスペクタクルをゲーム的に楽しめる!

それが今回紹介する『PEAK』です。

『PEAK』は、シングルプレイとフレンドを招待しての最大4人協力プレイに対応している山登りゲーム。

6月17日にリリースされてから、わずか9日後の26日には売上が200万本を突破。当初は日本語は未対応でしたが、7月11日のアップデートで日本語も実装されました。

そもそも“山登りゲーム”って何ですか? という話になりますが、本作のメインになるのはクライミング、いわゆる壁登りです。

飛行機が無人島に不時着してしまったところからプレイが始まって、周辺に落ちている物資を獲得しつつ、島の中心にそびえる山の頂上を目指していきます。

画面は一人称視点で、プレイヤーの手が表示されているというスタイル。

岩山や木やツタなどあらゆるものにしがみついて登っていくのですが、いわゆるスタミナゲージがあって壁にしがみついているだけでも減っていき、ゲージがなくなると落下してしまいます。

ゲージがなくなる前に足場の上まで登りきってゲージを回復しないとダメで、スタミナが足りるかどうかの目測が非常に重要。読みを誤って途中でスタミナが尽きたら落下が待っています。

これだけみるとスタミナでクライミングするパズル的なゲームなのかなと思えてしまいますが、本作のうまさは“スタミナゲージがいろいろな要素で増減する”ところ。

例えば、高いところから滑落すると負傷してスタミナゲージの最大値が減りますし、時間経過でお腹が減っていくことでもスタミナゲージが削られていきます。

怪我を包帯のアイテムでを治したり、空腹は食料や木の実で満たしたりとアイテムを活用するのがポイント。ただし、アイテムはそんなに潤沢には手に入りませんし、木の実にも種類があって食べると毒状態になってしまうものもあったりと、予測のつかないアクシデントも起きます。

怪しげな植物に近づいたら破裂して毒まみれになったり、

アイテムが入っているトランクが高いところにあるのが見えて、そこを目指す途中で落下してダメージを負いつつ、やっとたどり着いたトランクにはあまり良いアイテムが入ってなくて踏んだり蹴ったりになったり、

登っていこうとしていたルートが微妙にスタミナ不足で迂回している最中に空腹が進んでしまって焦らされたり、

そんな、プレイを揺さぶってくるような出来事が何かしら起きていきます。

さらに本作がうまい作りになっているポイントが“マップが日替わりで変わっていく”ところ。

そのため、決まったルート攻略はなく、その場で観察してどういうルートを取るか判断していくことがポイントになっていきます。

本作はソロプレイだと、じっくり自分で試行錯誤しながら山登りに没頭していく独特なプレイフィールを楽しめるゲームですが、

最大4人でのマルチプレイは、またおもしろさがガラッと変わります。

登るのがうまい人が先に登って下にいる仲間を引っ張り上げたり、ロープや登山用のスパイクを設置して登りやすくしてあげたりが可能で、協力して登山するという要素がしっかり作られています。

お互いの持ち物の枠には限りがあってアイテムの重量でも最大スタミナは減少するので、荷物を軽くしたプレイヤーが先に上ってロープを設置して、重い荷物を持っているプレイヤーを引っ張り上げるなど、頭脳プレイな連携も重要になっていきます。

そもそも、ワイワイとボイスチャットをしながらルートをみんなで考えつつ雑談しつつ登っていくだけでもおもしろいですが、

操作をミスして誰かが落下していく声がおもしろかったり、落下してダウンした仲間を助けに行くときの助け合っている感が良かったりと、現実なら大事故で笑えないですが、そういうところもゲームだからこそ楽しめるものになっています。

お手軽な880円という価格ながら、他では味わえない独特なプレイフィールが楽しめる『PEAK』。シングルプレイでは見た目とは裏腹に攻略性が高く、無言で没頭してしまうようなストイックなおもしろさが味わえます。
マルチプレイではそこが一転して、ワイワイと楽しむ中でいかに協力するか、役割を分担していったり助け合ったりと、チームでの登山の要素がしっかりと楽しめるし、アクシデントで笑うこともできるという良いバランスとなっています。

大ヒットも納得の手触りの良さと独自の魅力。気になる人はぜひチェックしてみてください。

© Aggro Crab, Landfall

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