「あの人の隣は嫌だ!」、「窓際がいい!」、様々なシチュエーションでお客さんの要望通りの“席”を見つけていく席決めパズルゲーム『Is This Seat Taken?』

  • 記事タイトル
    「あの人の隣は嫌だ!」、「窓際がいい!」、様々なシチュエーションでお客さんの要望通りの“席”を見つけていく席決めパズルゲーム『Is This Seat Taken?』
  • 公開日
    2025年08月15日
  • 記事番号
    13427
  • ライター
    山村智美

いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ

『発見! インディーゲーTreasures』は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。

今回ピックアップした1本は、こちら。

『Is This Seat Taken?』!

 

タイトル:『Is This Seat Taken?』
開発: Poti Poti Studio
パブリッシャー: Wholesome Games Presents
リリース日: 2025年8月7日
価格:1,313円
配信プラットフォーム:Nintendo Switch / PC(Steam) / iOS / Android
 

都会育ちの人が誰でも身に着けるスキル。

それは、“電車やバスに乗ったときに自分のスペースを素早く見つける能力”です。

まず座れるかどうかがあって、

席が空いているにしてもスペースに余裕はあるか、さらに両隣の人の様子がおかしくはないかを見極める必要があり、

座れなさそうなら適度に周囲と距離が空いた、いい感じに立っていられる場所を探す。

この一連の流れを車内にから約0.3秒で行えれば立派な都会人というわけです。

そんなスキルを駆使して良い場所に座っても、

隣の人がだいぶ汗臭かったり、イヤフォンからの音漏れがすごかったり、

後ろの席から小さな子どもが席をバンバン蹴ってきて、お母さんが「そんなことしたらダメでしょ!」とキレていたり……。

世の中、いろんなことがあるものです。

そんな、あらゆる場面での“良い場所”へとうまく配置して希望を叶えてあげるパズルゲーム。

それが今回紹介する『Is This Seat Taken?』です。

『Is This Seat Taken?』は、いろいろなシチュエーションでの“席”を決めてあげるパズルゲームです。ちなみに『Is This Seat Taken?』は日本語で「この席は空いていますか?」という意味。

バスやタクシーの車内、映画館や結婚式場など様々な場所で、キャラクターたちの好みやこだわりに合った席を決めていきます。

例えば日本だとあんまり馴染みがないですが、ちょっと広めのリムジンバスに5人のお客さんがいるとして、

ゴレンという人は、車の進行方向と同じ前を向いた席に座りたいと考えています。

逆向きに座るとちょっと気持ち悪い感じがして嫌だという人いますよね。

また、ゴレンはオリビアという人と一緒に座りたいようです。

そして、そのオリビアはというと“窓際に座りたい”と考えています。

となると、オリビアは進行方向を向いた席の窓際に座って、ゴレンがその隣という回答が決まってくるというわけです。

残りの3人もそれぞれ希望があって、

アナとデイビッドは“じぶんだけでいたい”チャーリーは“まどがわにいたい”。

映画館も、日本では全席指定なのであれですが、

もし自由に席を移動できるとしたら“こういう人の隣は嫌だ”というのはありますよね。

上映中なのにスマホをいじっているとか、

前の席の人がすごく座高が高いとか、

ポップコーンを食べる音がうるさいどころか撒き散らしてるとか、

何かお風呂に入っていない感じの臭いがする人とか……!

そういう人の近くはせっかくの映画の思い出が台無しになるので、避けたいところ。

ちなみにボクは『アベンジャーズ:エンドゲーム』を映画館に観に行ったとき、隣の席がキャプテン・アメリカのコスプレをした海外の人で、上映前にはものすごく高ぶって今にも叫びだしそうなほど興奮していたので「(これはヤバイな……)」と思っていたのですが、いざ映画が始まると静かで、上映後には顔を手で覆い、静かに涙しているのを見て良い人だなと思ったことがあります。

まぁ、何の話だという感じですが、そんな映画館の隣の席の人あるあるは誰しもひとつはありそうですが、本作では“そんな人いる?”と言いたくなるぐらいモラルがやばい人もいるので、不快な思いをさせないよう上手く席を決めてあげましょう。

バンドのコンサート会場もありますが、曲に乗って前列で盛り上がりたい人もいれば、座って楽しんでいたい人もいます。

現実のコンサートあるあるでは、関係者席や取材席を良かれと思って前列のほうにされると、お客さんのほとんどが立って盛り上がっているのに、ステージの前方に座っているゾーンがあるぞみたいに気まずくなることも。
なので関係者席は後ろとか横とかが無難なんですよね。

そして……席決めの苦労話あるあると言えば、定番の「結婚式」。

あの人とあの人、前に飲み会でもめたんだよね~……でも招待しないわけにもいかないしなぁ……とか、

あの人は酒癖が悪いからちょっとお目付け役をそばに配置しないと……とか、

このテーブルは1人参加の人ばかりになっちゃうから話せる社交的な人を入れて孤独にならないようにしようとか。

まぁ、結婚式の席決めもいろいろと難しさがあるものです。

役者を目指している主人公「ナット」のストーリーが展開される中で、様々なシチュエーションのステージが登場する本作。

パズルゲームとしては正解の組み合わせが複数あるような緩めの自由度と難易度になっていて、肩の力を抜いて楽しめるものになっています。キャラクターの希望を読み取って理解することや、希望やシチュエーションのちょっとクセがあるところを味わいつつリラックスして楽しむというところ

その中で、キャラクターたちそれぞれの希望に「わかるわかる、そういう人が近くの席は嫌だよね」となったり、それこそ自分の記憶も何かしら呼び起こされたりと、いろいろとくすぐられるものがあります。

カジュアルかつオシャレなデザインでとっつきが良く、サウンドも癒やしの時間にぴったりな落ち着いたもので良質。タイムリミットもなくじっくりと考えて楽しめます。気になった人はぜひデモ版からチェックしてみてください。

©2025 Poti Poti Studio.

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