3チーム合計100人の大規模FPS! 射撃戦に基地作り、ヘリで空のタクシー、物資を運ぶトラック野郎、スポッター専門にスナイパー、楽しみ様々な幕の内弁当的傑作『WARDOGS』
いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ
『発見! インディーゲーTreasures』は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。
今回ピックアップした1本は、こちら。
『WARDOGS』!

タイトル:『WARDOGS』
開発:BULKHEAD
パブリッシャー:Team17
リリース日: 2026年9月11日
価格:4,980円
配信プラットフォーム:PC(Steam)
大人数でワイワイとしたFPSが遊びたい
でも、撃ち合うだけじゃなくそれ以外の楽しさもほしい
ヘリや車で仲間を運ぶだけでもいい
ひたすら基地に壁を建て、防衛設備を作るのもいい
双眼鏡を覗き続けて敵の位置を知らせるスポッターもいい
いろんな形で活躍できる
その活躍で得たお金で装備が充実していく
失敗すると……お金を失うから、ほどよい緊張感もある
それが今回紹介する『WARDOGS』です。
開発チームは、当初は本作を千人程度のプレイヤーが楽しんでくれることを期待していたということですが、ウィッシュリストは100万件を超え、初日だけで販売本数は125万本、その後に150万本を突破。同時接続は初日に約33万、週末には42万人超えという、2026年のFPSタイトルとしてはトップの人気、2026年のインディーゲームとしても『めっちゃカメレオン』に次ぐヒット作となりました。
『WARDOGS』を開発したのはイギリスのBULKHEAD。FPSを専門とし、『Battalion 1944』や『The Turing Test』を手がけたスタジオで、『WARDOGS』もインディーゲームの上限と言えるほどに規模の大きいものとなっています。
『WARDOGS』のおもしろさはルールとシステムの秀逸さにあって、いろんな楽しみ方をかわるがわるできるところが大きな魅力。
最大100人が3チームに分かれ、ひとつのゾーンを取り合う大規模戦闘FPS。
マップは広大で3陣営が3方向に配置されています。特に重要なのはマップの中央にある直径1kmの円になっているコントロールゾーン(CZ)です。CZ内に滞在している人数が最も多いチームに一定時間ごとにポイントが加算される仕組みで、それが100ポイントに到達したチームが勝利となります。キル数が勝敗にはならずゾーンに味方が何人いるかが試合の軸。
さらにCZ内には、より小さい円のホットゾーン(HZ)があります。HZ内にいると滞在人数の換算が2倍になりますが、HZはCZ内を移動し続けるので常に激戦地を追いかけて移動していくことになります。

CZ内にはタワーという基地候補の施設もあって、そこを制圧して制御するとタワーにHZを引き寄せることができます。
また、FOBという基地を建設することもできて、ハンマーを片手に壁を作り、監視台を作り、迫撃砲や対空砲を作り、リスポーンポイントになる車両を迎え入れたりと、ポイント獲得の拠点にしていけます。タワーにFOBを重ねてタワーを防衛する拠点を作るのがわかりやすいセオリーになっていますが、FOB自体はマップ内のどこにでも作ることができます。
FOBの建設もかなり細かに、それでいて手軽に行えます。壁を作り、車両や仲間が出入りするゲートや扉をつけ、内部の安全を確保したら迫撃砲や対空砲などを設置、さらにはHZを引き寄せるドリルリグという設備も設置できるのでチームポイント獲得の意味でも重要になります。
この基地建設はマルチプレイヤーサバイバルの『RUST』のような感覚。実際に『RUST』で基地建設をしている人なら、扉を2重のいわゆるエアロック式にして出入りを狙った敵の侵入を防いだり、窓にさらに扉や土のうをつけて敵の射撃を防げるようにしたりといった工夫が本作にも応用できます。
基地建設はあくまでそのマッチだけのものなので、ほどよい作り込みと速さがポイント。FOBが1箇所だけだと敵に集中して狙われやすくなるので、複数のFOBを建てて敵の攻撃対象を分散させることも、チーム内で意識するほうがいいかもしれません。
もちろん、FOBやタワーは敵チームに狙われて奪われることもありますし、逆にこちらが敵拠点を奪うことも起きます。HZを引き寄せること、CZ内に仲間が多くいること、それらを上手く進めるためにもFOBを作ったり攻撃したりを、うまく状況に応じたバランスをとっていくことが重要になっていきます。

マップは広大でひらけた場所も多いので、CZ内で突然かなりの距離からスナイプされることも。ちょっと驚いてしまいますが、ひらけている危険な場所を堂々と通っていたら危険なこの感覚はタルコフのよう。敵の監視兵に位置を特定されてミニマップに表示されている可能性もあるので、常にほどよい緊張感が求められます。
本作は“音の情報”もしっかり作られていて、発砲音や足音の方向がほどよく聴こえるようになっていて、音の情報に気を配っているプレイヤーであれば敵の接近や位置を把握できます。“100人大規模”というとお祭り騒ぎを想像する人は多いかもしれませんが、本作は細かなところがとても作り込まれていて、かなりシリアスな側面を持っています。

本作は3チームの三つ巴バトルにしたことも優れたポイント。2チームだと前線が固まりやすくて膠着状態になったり、逆に一方的になったりもしますが、3チームだと強いチームほど、残る2チームから狙われやすくなります。1チームが突出してポイントを獲得していれば、当然2チームはそれを狙いますし、2チームが激しくやりあっている間に1チームが静かに基地を強めて逆転していくということも起きるので、ワンサイドゲームになりづらくなる作り。
ただし、それはプレイヤーが共通してそれを理解して意識できているならの話で、現状はなぜか2位のチームが3位のチームを狙ったり(押されているチームは攻撃しやすくて稼ぎやすくなるから)、チームポイントと関係なく戦っているプレイヤーが多いのが現状でしょうか。よりプレイヤー全体の理解度が高まっていった先のバランスが楽しみなところがあります。

もうひとつの本作の核が“所持金システム”です。アカウントは最初に1万ドルを持っていて、この残高は試合をまたいで所持金となっていきます。出撃のたびに、お金で武器、防具、ユーティリティ、ビークルを買ってロードアウトを組む。死ぬと買った装備は消えます。仲間の回復や蘇生、味方の輸送、ゾーン制圧、建築といった、チームの役に立つ行動ほどお金が入ってくる仕組みになっているので、ヘリやトラックで人を運ぶだけでも、双眼鏡で位置を伝えるだけでも、ちゃんと“仕事”になってお金がもらえるんですね。
強い装備のアンロックにもお金が必要なので、自分なりのスタイルで活躍してお金と経験値を得ることが成長の主軸になります。
ですが、例えばヘリで仲間を輸送するときに操作ミスで墜落して仲間もろとも全滅すれば、全員がお金を費やした装備を一瞬で失うわけで、ひとつひとつの行動にほどよい緊張感もあるんです。
それが本作がただのお祭り騒ぎなゲームではなく、自由な選択にそれぞれの価値と重みがある良いバランスを作っています。

見た目の規模感から『バトルフィールド』シリーズを思い浮かべる人は多いと思いますが、本作はゲームスピードと行動の価値の重さが大きく異なります。『バトルフィールド』よりスピードはゆったりとした重さで、ひとつひとつの動きに間がある。感覚としては『エスケープフロムタルコフ』よりほんの少し速いかなという重さ。
そこに所持金の概念が乗っているので、戦う、運ぶ、建てる、そのすべてにお金の価値がついています。例えば、敵を1人スポットするだけでも、本作では、そのプレイヤーの装備のお金が危機にさらされますし、その位置がバレている敵を倒せば収入になります。ひとつひとつの行動の価値がしっかりあるのが、本作の味を濃くしているポイント。
『バトルフィールド』の大規模戦の手触りに、『Arma』や『Hell Let Loose』寄りのスケールと、『RUST』のような建築とレイド襲撃、『エスケープフロムタルコフ』的な危険と行動の重さが乗っている、というところでしょうか。






撃ち合う人、運ぶ人、建てる人、観測する人。同じ試合の中にいくつもの役割が並んでいるのが本作の醍醐味。アサルト兵としてバリバリ撃ち合って、それに疲れたら基地建設や修復のお手伝いをして、物資が足りないなと思ったらヘリやトラックで運ぶ役をして。
9マスの仕切りの中にいろんなおかずが入っている豪華なお弁当のようで、かわるがわるいろんな味を楽しみながら、それらのどれもがチームの貢献に繋がっていて、自分のキャラクターの収入となっていく。飽きが来なくてひたすらにプレイし続けてしまう強い魅力を作り上げています。
特筆すべきは“手触りの良さ”。いわゆるプレイフィールの良さで、操作していてほどよいスピード感で、ストレスも少なく、納得感のある感触。もちろん粗削りに思える瞬間だってありますが、これだけ要素が多いゲームでアーリーアクセス開始時点から、十分にこなれた手触りになっているのはかなりのもの。
この手触りの良さもまた、長時間ひたすらに遊び続けてしまう魅力となっています。
アーリーアクセス初日はあまりの人気にサーバーが追いつかず、6時間ほどログインもできない状況となりました(自分も夜を徹して張り付いていました)が、開発チームは情報を発信し続け、謝罪し、早期に改善しました。この初日の様子は「Launch Day Recap」という動画で公開されているので、興味のある方はぜひ下の動画もどうぞ。
撃ち合うだけじゃない。運んでも、建てても、見ていても活躍できる。その活躍がお金になり、次の出撃の装備になる。大人数でワイワイできるけど、撃ち合うだけでなくいろんな楽しみ方もしたい人には、いま一番熱い1本だと思います。ぜひチェックしてみてください。

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