マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.02 見城こうじ(ゲームディレクター)

アーケード業界のゲームクリエイター、ゲーム情報通でもあるゲームライターや業界関係者が、個人的に好きだったアーケードゲームをランキング形式で選ぶマイ・ベスト・アーケードゲーム」。第2回となる今回は、ゲームディレクターの傍ら、当研究所のライターでもある見城こうじ氏。子供の頃から無類のゲーム好きであったという見城氏が「単純に好き」といえるアーケードゲームを選びました。

見城 こうじ 氏

1965年、東京都生まれ。ナムコでディレクターとしてさまざまなアーケードゲームの開発に携わった後、ゲーム開発会社のノイズを設立。任天堂と共同で『カスタムロボ』シリーズ5作(NINTENDO64他/1999年~)を手掛ける。その他代表作はナムコ『コズモギャング・ザ・ビデオ』(1992年)、『コズモギャング・ザ・パズル』(1992年)、サウザンドゲームズ『TWIN GATES』(APP/2016年)、『PENDULUM FEVER』(APP/2017年)など。元『マイコンBASICマガジン』ゲームライターの顔も持ち、現在はフリーランスのゲームディレクターとして活動。当研究所の電子書籍制作にも協力している。

No.1 『Mr.Do!(ミスタードゥ)』(1982年/ユニバーサル)

▲当サイトのライターである忍者増田氏によるスーパーファミコン版『Mr.Do!』のプレイ動画(「Impress Watch」公式チャンネルより)

初めて見たときは「何だ!? この『ディグダグ』(1982年/ナムコ)にそっくりのゲームは!?」と思ったのですが、プレイを重ねるうちに、その遊びの深さに魅了されました。

スコアの状態を含めたすべてのフィーチャーが関連し合っていて、途切れなく進行していくスピード感あふれるアクション性、パターン化できないランダム性、1UPを狙うのがあんなに熱く楽しいゲームはほかに知りません。いまだに古びることのない、アーケード史に残る傑作だと思います。

No.2 「スペースインベーダー」(1978年/タイトー)

▲当初白黒だったが、カラーバージョンも販売されるようになった初代『スペースインベーダー』(画像は公式サイトより引用)©TAITO CORPORATION 1978, 2019 ALL RIGHTS RESERVED.

言わずと知れたビデオゲームの金字塔。当時にして、すごくシステマティックで複合的で、いきなりとんでもない完成度の遊びが現れたという感じで、大変なインパクトがありました
このゲームがどれだけ先進的で、大きなブームを巻き起こしたか、リアルタイムで体験していない人たちにどう伝えればいいのか。とにかく、ゲームセンターに入ると『スペースインベーダー』しか置いてないという時代があったのです。

No.3 『ブラステロイド(BLASTEROIDS)』(1988年/アタリ)

アステロイド』(1979年/アタリ)の続編です。スピード重視、攻撃力重視、バランス重視型の3種類の機体を瞬時に切り替えて戦うシステムが特徴で、こういう仕組みの場合、なかなか全部は活用できないものなのですが、ちゃんとどれも必要な設計がなされていて、秀逸なゲームバランスでした。ステージの順番が自分で選べて、戦略性に関係しているところも実におもしろく、日本で遊べるお店が少なかったのが本当に残念です。

No.4 『テトリス』(1988年/セガ)

当時本当に驚いたのは、それまでのアクションゲームと根本的にルールの作り方が違うこと。何もないフィールドに上から降ってくるブロックを自分で積み上げて自分で消す。何物にも似ていない衝撃的なゲームでした。

No.5 『ギャラガ』(1981年/ナムコ)

▲Wiiのバーチャルコンソールアーケード版(公式チャンネルより)

開発者としてのデビューがこれの続編だったのですが、『ギャラガ』自体大好きでずっと遊んでいたので本当に助かりました。続編を作りながら知った仕組み・構造もあったり、自分のゲーム作りの原点になっている作品です。

No.6 『パックマン』(1980年/ナムコ)

最初の印象は何てオシャレな画面とスマートな遊びなんだろうというものでした。とにかくデザインもゲームシステムも洗練されていて無駄がない。操作だってレバー1本で済ませている。究極のゲームの一つと言いたい。

No.7 『Chack’n Pop(ちゃっくんぽっぷ)』(1984年/タイトー)

当時、タイトー直営店のロケテストで見つけて、そのキャラクターのかわいらしさと独創的なゲームシステムにハートを撃ち抜かれたのですが、なかなか発売しなくてヤキモキしていたのをよく覚えています。

No.8 『トイポップ』(1986年/ナムコ)

かわいい絵柄と、それに似つかわしくないハードなゲーム内容とランダム性が大好きで、後半のステージの投げやりな難しさも含めて気に入っています。本作の世界観を使った続編があったら楽しそう。

No.9 『ゲイングランド』(1988年/セガ)

学生時代、製品が発売される直前ぐらいに、ライターとしてセガに取材に行き、開発者の方から直々に内容を解説していただいた思い出深いゲームです。時に緻密、時に大胆、奇跡のような完成度だと思います。

No.10 『レインボーアイランド』(1987年/タイトー)

バブルボブル』(1986年)、『サイバリオン』(1988年)などあるなか、三辻富貴朗氏※01三辻富貴朗(みつじ ふきお) : ゲームデザイナー。タイトー在籍時代、記事本文に挙げたタイトルほか『ハレーズコメット』(1986年)、『ヴォルフィード』(1989年)などを手掛ける。晩年はMTJゲームデザイナーズスクールを設立、人材育成に専念した。2008年没。がタイトーで作られた作品では、遊びとしては一番大味だと思うのですが、それでも氏のサービス精神が隅々まで行き届いている点で大好きなゲームです。

まだまだ挙げたいタイトルがいっぱい

自分がゲームセンターに一番通っていたのは1980年代なので、ほぼその時代から選ばせていただきました。やっぱり、アイデアのおもしろさがそのまま遊びのおもしろさにつながっているものが好きでしたね。

ベスト10から泣く泣く外したゲームをいくつか挙げると、『ブレイクアウト』(1976年/アタリ)、『アステロイド』、『クレイジー・クライマー』(1980年/日本物産)、『ハンバーガー』(1982年/データイースト)、『ボンジャック』(1984年/テーカン)、『B-ウイング』(1984年/データイースト)、『サイバリオン』(1988年/タイトー)、『マーブルマッドネス』(1984年/アタリ)なども負けないぐらい好きです。

ゲームディレクター 見城こうじ

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