見城こうじのアケアカ千夜一夜
第58夜『スーパーパックマン』(1982年・ナムコ)

名作『パックマン』の続編はスピードがスーパー化!
『スーパーパックマン』は、名作『パックマン』の続編です。
今作の大きな特徴は2点。一つ目は、従来のパワークッキーの他にパックマンが巨大化するスーパーパワークッキーが新たに追加されたことです。
(ちなみに、当時はクッキーではなく“エサ”と呼ばれていました。時代とともにこうした公式の用語もリファインされていくのです)
スーパーパワークッキーを食べると、パックマンが巨大化するとともに無敵になり、さらに移動速度も大幅にアップするのですが、ボタンを押すとさらにスピードアップします。本当に制御しきれないぐらい速くなる。
この辺りのちょっと無茶なスピード感と派手な展開は、日本よりアメリカ人好みだったらしいのですが、固定画面のそれもメイズゲームで、ここまでプレイヤーの移動速度が速くなるゲームは、歴史上でもちょっと珍しいのではないかと思います。少々大味ながらぼくも好きでした。

そして二つ目は、メイズのあちこちにドアで閉ざされたエリアがあり、対応するカギを拾ってそれらを開いていくフィーチャーが加わったことです。
これはぼくの勝手な想像ですが、ドアが開くことでメイズが変化していく仕様は、当初『パックマン』に採用する予定だった(初期の企画書にも書かれている)Atariの『ガッチャ』的なフィーチャーのイメージがあったのかもしれませんね。
また、その他にも、ルーレットがそろうとボーナスが入るラッキーターゲットや、ボーナスステージが追加されていたり、旧作ではただのドットだったターゲットが、ステージ毎にバナナやドーナツに変化していくなど、視覚的にもより楽しめる作りになっています。

カギとドアがゲームバランスに大きな影響を及ぼす
前述のとおり、『スーパーパックマン』には、カギを拾ってドアを開けていくことでターゲットを集めるというルールがあります。
巨大化フィーチャーが目立ちすぎて、ちょっと陰に隠れてしまっている感があるのですが、ステージが進むと「カギとドアの対応関係」が変わるところは、とても大きな特徴です。
序盤のステージではカギのすぐそばに対応するドアがあるのですが、後半はこの距離が離れることが増えます。対応するドアが近ければ、カギを取ると同時にすぐにクッキーにありつけますが、遠いとそれができないので、よりクリアに時間がかかるし、パワークッキーを取る際にも計画的に行動する必要が出てくるわけです。
思うにこのゲームは『Ms.パックマン』をはじめとする他の多くの続編と異なり、ステージが進んでも基本のメイズが一切変わりません。その代わりに、カギでドアを開くことで、リアルタイムでメイズが変化していく仕組みを実現しているといえます。
ただ、ゲームとして難しいのは、どのドアが開いているか/閉じているかの組み合わせの数がとても多く、それによってレイアウトが激変し、都度ゲームバランスや攻略が変わるわけです。たとえば、ワープトンネルの片方のドアを開けたはいいが、もう一方がまだ閉じていることを失念していて追い込まれるなんてこともあったり。
だから、このゲームはある意味で、数ステージごとにマップが丸々変わっていく『Ms.パックマン』や『パックマニア』よりも対応が難しい、という言いかたもできるかもしれません。
……とはいえ、途中のステージまでは、そういうことをほぼ意識せずにスーパーパワークッキーを使って、短期決戦でガンガン進めていくことができるのですが(カギを無視してドアを開けていくことができる)、それもできない高難度のステージまでいくと、いよいよ逃げが利かなくなるので大変でした。
このゲームの難易度を構築する大きな要素として、パワークッキーとスーパーパワークッキーそれぞれの効果時間のパラメータがあり、さらにカギとドアの対応によっても難易度が変わるので、先のステージへ進むとこれらの相乗効果で三重に難しくなっていきます(もちろん、それ以外にもゴーストの速度もアップしていると思いますが)。個人的には、途中から急激に難しくなる印象がありました。
最後にオマケ話ですが、『スーパーパックマン』では、初代『パックマン』ではできなかったゴーストの巣の中に入ることができます。これは初代でも入りたいなーと思っていたので、ちょっとうれしかったです。
では、また次回。

SUPER PAC-MAN™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
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