ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ!
山村智美の『未来ゲーム Travelers』

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    ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ!
    山村智美の『未来ゲーム Travelers』
  • 公開日
    2023年03月03日
  • 記事番号
    9275
  • ライター
    山村智美

3月。

3月といえば卒業のシーズンですねー。

オールドゲームファンな人だと「卒業」という言葉を聞くと脳内に「グラディエーション」って言葉とカラフルな髪の女の子たちが浮かんでしまう呪いにかかっている人もいるでしょうか。

もっと上の世代の人だと菊池桃子さんの「卒業 -Graduation- 」でしょうか。

最近は、そういう日本の行事ごとや日常なんかを題材にしたゲームというのも、昔に比べると少なくなったかなーとも思いますが、

今の若い世代の人なら卒業で思い浮かぶゲームというと、やはり『ペルソナ』シリーズですかね。

1年の学園生活が物語のベースにあって、数々の出会いと物語の果てに、終着点が3月に訪れるわけですが、そのラストが、もうめちゃくちゃにイイんですよ。美しいなーってなるんですよ。

ペルソナ3、4、5のリマスターやGamePass版も出ましたし、未プレイの人はぜひプレイしてみてください。

ではでは、そんな卒業シーズンに『ペルソナ』シリーズの話題も出したところで今月の曲です。

『ペルソナ』シリーズは楽曲の魅力も圧倒的でライブも人気。長年行われているライブから、あえてかなり前の2013年に日本武道館で開催された『PERSONA MUSIC FES 2013 〜in 日本武道館』より、『ペルソナ』シリーズにおける卒業ソングのひとつ。

平田志穂子さんが歌う『Never More』です。
  

続いても、この時期ならではな卒業ソングをいっておきましょう。卒業ソングも定番がいっぱいありますが、今年ボクが聴きたくなったのはこちら。

アンジェラ・アキさんの『手紙~拝啓 十五の君へ~』です。
  

ニンテンドー3DSのeショップが3月末で終了に。あのタイトルを購入できる最後の機会“ファイナルセール”をお見逃しなく

© Nintendo

2011年2月26日。

何の日かわかりますか?

そう、ニンテンドー3DSが発売された日だったんですヨ。

もう約12年も前のことなんです。

覚えている人もいると思いますが、ニンテンドー3DSは発売当初はメーカー希望小売価格は25,000円で発売。圧倒的な普及率を誇ったニンテンドーDSの後継機ながらも、その価格の高さもあってか、出足は不調でした。

そして発売から約半年ほどのある日、8月11日より価格を約1万円値下げして15,000円に改定すると、電撃発表をしたんですよね。前代未聞とも言える大胆な施策でした。

当時のリリース文は今も閲覧可能です。

◆ ニンテンドー3DSを価格改定前にご購入されたみなさまへ(2011.7.28)
https://www.nintendo.co.jp/3ds/ambassador/index.html

   

ちなみに任天堂は3DSを価格改定前に購入した人を特別なお客様である“アンバサダー”として扱い、3DSでプレイできるバーチャルコンソールのファミコンとゲームボーイアドバンスのタイトルを各10本ずつプレゼントしました。

そんなことがありつつも、軌道に乗った3DSにはいろいろなタイトルが発売されたわけですが、時代も移り変わりまして。

ニンテンドーDS/3DSシリーズの本体は2020年9月16日に生産が終了し、

そして、ついにソフトのダウンロード版や追加コンテンツを販売する「ニンテンドーeショップ」も、今年の3月28日(火)9:00をもって終了となります。

いよいよお別れなんですよ。

特にダウンロード専売だった名作たちとは、完全なお別れです。

◆ニンテンドー3DSシリーズおよびWii Uの「ニンテンドーeショップ」
サービス終了時期に関するお知らせ
https://www.nintendo.co.jp/support/information/2022/0216.html

   

というわけで……、

滑り込みで買っておこう!
最後のファイナルラストeショップ!
3DSのDLタイトル購入強化月間!
後悔だけは、ダメ! 絶対!

ということなんですよ。

ちなみに、3DSのニンテンドーeショップへの残高の追加は昨年にとっくに終了しているのですが、現行のNintendo Switchに使っているニンテンドーアカウントに連携して、「残高をまとめる」をすれば、Nintendo Switchのアカウントにチャージした残高で3DSタイトルの購入が可能です。

© Nintendo

最後のときとなれば、当然セールがあります。
  

3月2日より「セガ 3DSファイナルセール」が行われています。

まぁ、やはりボクのことを『セガ3D復刻アーカイブス』などのインタビュー記事で知っていただいた人も多いと思いますが、

その一番最初、『3D スペースハリアー』は2012年の12月26日に配信されました。もう約10年前ですね。例のインタビューシリーズの始まりもその日でした。

ちなみにボクは『3D スペースハリアー』のインタビュー収録に同席させてもらっていたのですが、セガの奥成さんにしても、エムツーの堀井さんにしても、ゲームが好きすぎてちょっとやばい人たちの集まりみたいな話の連続で、何だかずっと笑っていた記憶がありますヨ。

あらためておさらいすると、過去のタイトルを3DSに“立体視をつけて”移植するというのは、ただ他のハードに移植するのとはだいぶ異なる話なわけですよね。

2Dドット絵で作られているゲームは、例えばBG=背景にいろんなキャラクターなり背景が配置されているとして、それを手軽に立体にしてもBGまるごと全部が手前や奥に表示されるばかりで、全然立体感がでないわけですが、エムツーさんはそれを全部切り分けて、分解して、ひとつひとつに深度情報をつけて組み直すということをされたと。

例えるなら、もう完成しているプラモデルを全部バラバラにして、パーツに特殊な塗装を施して、また組み直して、立体視がオフのときには元のままに見えるけど、立体視をオンにすると、全然違う立体的な見た目に変わるようにした……みたいな。

『3D ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のときには背景の木のひとつひとつに深度情報を手付けしていったなんてエピソードもありました。手間のかかりようがすごい。

3DSというあんなに小さいハードで、アーケード基板やメガドライブなどのゲームをエミュレーションして、2Dドット絵のグラフィックスのゲームなのに3D立体視に対応させて、動作は60フレームをキープさせて、さらにジャイロ操作なんかもさせたりして、それでいて細かな調整の積み重ねで遅延を極限まで削って手触りを良くしていたと。

あらためて、「そんなことよくやりますね」って思いますよ。

ゲーム開発者という職人の矜持というか、こだわりというか、狂気というか。

青春かな?

恋かな?

そんなゲーム好きのドモホルンリンクルみたいなものが、セールで単体なら150円とかで買えてしまいますが、でも、今月いっぱいで買えなくもなるんです。

この連載を読んでくださっている人のほとんどはもう『セガ3D復刻プロジェクト』のタイトルを購入済みだろうなーって思うんですけど、

もし購入していないという人や買いそびれているタイトルがあるという人は、この最後の機会を逃さず、ぜひ。
  

立体視といえば、飛び出る系の立体視効果がすごいということで定評がある『EYERESH for ニンテンドー3DS 眼のストレッチ&トレーニング』も最後のセール。こちらも200円と安いですし、ぜひ。

◆EYERESH for ニンテンドー3DS 眼のストレッチ&トレーニング
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000041335

© 2016 REMEDIA Co.,Ltd All Rights Reserved. Developed by MCF Co., Ltd.

ついにニンテンドーeショップも終了になるということで、久々に3DSのアレコレを思い出したわけですけど、おもしろいハードだったなーって思いますよ。

繰り返しになっちゃいますけど、あの二つ折りの筐体で2画面でタッチパネルと裸眼立体視で、ジャイロなんかもついてて。ギミックの塊みたいなハードですよね。

どうしても時代の流れはスペックとコスパが基本で、ギミックも遊び心より手軽さのための工夫に絞らざるをえないところがあると思いますが、今のその状況からすると、3DSはむしろ贅沢なおもしろさ重視なハードとすら思えますよね。

ぜひ、みなさまも所持されている3DSにファイナルセールでソフトをたっぷり詰め込んで、大切になさってください。

発売前はちょっと心配してたけど『ホグワーツ・レガシー』がものすごい良作で、まさにルーモス・マキシマだった

魔法学校での生活、楽しんでますか?

レビオーサを唱えるときに頭の中に「あなたのはレビオサー」って言葉が響いてますか?

ちなみにボクの組はレイブンクローでした。キレ者揃いの組ですよ。存在感は薄いけど。

いやぁ、『ホグワーツ・レガシー』想像以上にいいゲームですよ。すごい。

HOGWARTS LEGACY software © 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Avalanche Software. WIZARDING WORLD and HARRY POTTER Publishing Rights © J.K. Rowling. PORTKEY GAMES, HOGWARTS LEGACY, WIZARDING WORLD AND HARRY POTTER characters, names and related indicia © and ™ Warner Bros. Entertainment Inc.

正直に書きますけど、ボクは発売前、特に去年あたりは『ホグワーツ・レガシー』のことをちょっと警戒してたんですよ。

発売が楽しみなタイトルとして期待していましたけど、一度発売予定が延期になったあたりで、「これはもしかして……開発状況は結構、厳しいのでは?」みたいに思いましたし(実際、厳しかったんでしょうけど)、あんまりゲームプレイの映像も出てきてなかったので、嫌な気配を感じていたんですよね。

こう言っては何ですけど、ハリーポッターという強烈かつ厳格な原作があるIPのゲーム化なわけで、そんなの一筋縄でいくわけないんですよね。原作の魅力を遵守する縛りだってあるわけですし。

その上でゲームとしておもしろくするというのは、そりゃあ大変だろうと。

そんなこんなで期待のハードルを下げつつ、発売日を迎えてプレイしてみたら……、

『ホグワーツ・レガシー』は真正面から原作の魅力と向き合って成功している正攻法な逸品でした。

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まぁ、何といってもホグワーツ城の再現度の高さですよね。

ボクは映画の「ハリーポッター」シリーズは公開当時の約20年ぐらい前に全作を観ていましたが、時間が経っているのでもはや記憶はうっすらボンヤリ。

それでもゲーム中でホグワーツをうろうろしていると、「この場所……もしかして、知ってる!」と、何だか記憶喪失だった人が記憶を取り戻したかのような現象が起きるんですよ。

それというのも、作り込みがものすごく細かくてクオリティが高いゆえ。映画と同じ独特なくすんだ色味までもうまく再現されていて、映画の1シーンが脳内のかなり深いところからもブワッと蘇ってくる。

これは映画公開当時に観ていたボクのような人にだけの感覚だと思いますが、昔いた場所に久しぶりに訪れたような感覚もあったりします。

この感覚になれるゲームっていうのは、もう大勝利だと思いますよ。

原作ファンにとって一番いいものですし、原作を知らなくてもゲームからダイレクトに原作の魅力を知っていけるぐらいに再現されているというわけで、誰も損をしない。……まぁ開発者の人は膨大な時間と手間をかけたことでしょうけども。
  

Youtubeの公式チャンネルでは、映画シリーズの名場面が『ホグワーツ・レガシー』で再現されているところを紹介するトレイラーが公開されています。
  

『ホグワーツ・レガシー』をプレイしたことで、以前に観た映画「ハリー・ポッター」シリーズをあらためて観たという人もおそらく世界中にいますよね。もちろんボクもその一人。

日本のNetflixでも、人気急上昇中の作品に「ハリー・ポッター」シリーズや「」ファンタスティック・ビースト」シリーズがランクインしています。

昨年はNetflixオリジナルアニメの「サイバーパンク:エッジランナーズ」によって、ゲームである『サイバーパンク2077』のプレイ人口が増加し、ゲーム内でアニメに登場した場所を巡るなんていう現象が起きましたが、

『ホグワーツ・レガシー』は逆に、ゲームの世界からあらためて映像作品へと誘って、互いに相乗効果を出しているというわけで。

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世界観の作り込みだけでなくゲームプレイもうまく組まれていて、原作にあった魔法をちゃんと再現しつつ、それをパズル的なギミックに使いつつ、同時に戦闘にも使えるようにしています。

ある意味では、そのまま素直に「ハリー・ポッター」シリーズの魔法を活かしてゲーム的な流れに組み込んだとも言えるのですが、原作の要素に足したり引いたりせずにそのまま自然な形でゲームプレイに仕上げているのは、高度なことだと感じるところ。

ただまぁ、あくまでゲーム的なところとして、主人公は遊びこむうちに強大な魔法にもどんどんと長けていって、ハリーはおろか、ダンブルドアや例のあの人すらちょっと引くぐらいの無双っぷりを発揮するので、「この主人公、ホグワーツの歴史上で最もヤバい奴なのでは……?」と思えたりもするのですが。まぁ、それはそれ。ゲームならではのユニークさというところで。

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今年は、前半だけでも期待の大作揃い。先月はTango Gameworksの新作リズムアクション『Hi-Fi RUSH』が、ボク的にかなりのスマッシュヒットだったわけですが、続けざまに『ホグワーツ・レガシー』が驚異的な作り込みと丁寧なおもしろさをみせてくれました。

正直なところ『ホグワーツ・レガシー』を上回るゲームとなると、それはもう10年に1本を超えるレベルになってくるとすら思えるのですが……。『ホグワーツ・レガシー』は、今年これから発売される大作たちの“壁”となるのは間違いないですね。

というわけで、『ホグワーツ・レガシー』は、ボクの発売前までの不安まじりの期待のハードルを軽々超えて、驚きのクオリティを見せつけてくれました。

特に映画シリーズや原作本とセットで楽しんでいったときの魅力の輝きは、ルーモス・マキシマ(強い光の魔法)。他のゲームには真似ができない強さです。

気になっている人はぜひ、魔法の世界へ。

3月は期待の新作もクラシック系タイトルもがたくさん! 注目はやっぱり『バイオハザード RE:4』

3月の新作ゲームについてですー。

というかもう、2月も新作ゲームが大量で、ゲームファンの睡眠時間がどんどん足りなくなっていきますが、3月もどんどん押し寄せてきます。

今月発売予定の新作の中から、ボクが独断でピックアップした注目どころはこんな感じです(発売される全タイトルではないのでご注意を)。

『Wo Long: Fallen Dynasty』 2023年3月3日(金)
『レイズ アーケード クロノロジー』 2023年3月9日(木)
『零 ~月蝕の仮面~』 2023年3月9日(木)
『Star Wars ジェダイ:サバイバー』 2023年3月17日(金)
『ベヨネッタ オリジンズ: セレッサと迷子の悪魔』 2023年3月17日(金)
『R-TYPE FINAL 3 EVOLVED』 2023年3月23日(木)
『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』 2023年3月23日(木)
『バイオハザード RE:4』 2023年3月24日(金)
『重装機兵ヴァルケン DECLASSIFIED』 2023年3月30日(金)

今月は、けっこうクラシックタイトルも多いなか、尖った新作が発売されるなーという印象ですね。

やはり特に注目&期待がされているのは『バイオハザード RE:4』でしょうか。
  

また、月末にはスーパーファミコンのロボットアクションの傑作『重装機兵ヴァルケン』が「DECLASSIFIED」としてNintendo Switchに登場しますね。開発はエムツー。こちらも楽しみですね。
  

あと、以前の発売予定の中で発売直前に延期となっていたSwitch/PS4『ワンダーボーイ アルティメット コレクション』が2月22日についに発売となりました。こちらも購入予定だった人はぜひチェックを。
  

あと、こちらは映像作品ですが、3月31日にApple TV+にて映画「テトリス」が公開されます。ザ・テトリス・カンパニーの共同創設者であるヘンク・ロジャース氏が、1988年に『テトリス』を世界に広めようと奮闘した、実話に基づいた作品。

下のトレイラーでは任天堂との交渉のシーンも。見逃せません。
  

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