ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ!
山村智美の『未来ゲーム Travelers』

  • 記事タイトル
    ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ!
    山村智美の『未来ゲーム Travelers』
  • 公開日
    2024年11月01日
  • 記事番号
    12040
  • ライター
    山村智美

ゲームやエンタメの最新の話題を伝える月刊連載コラム『未来ゲーム Travelers』です。

あっという間に今年も残すところ2か月のみ。

11月になりましたが、例年より遅いとは感じるもののじわじわと涼しくなってきましたよね。

年末に向けて話題作が次々と発売されていくわけですが、11月といえばやはりブラックフライデーです。

ブラックフライデーはそもそも、アメリカの祝日「感謝祭(11月第4木曜日)」の翌日金曜日に行われるセールのこと。日本でもすっかり定着したような気がしますね。

新作はもちろんですが、遊びそびれていた高評価なゲームや、プレイ環境を高めるデバイス、ゲームの時間のお供のお菓子や飲み物などなど、「セールがきたらこれ買っておこう」という計画をしっかり立てて、年末年始のゲームライフを充実させていきましょう。

それでは、今月の曲~。

まずは、新進気鋭のバンドAoooより「リピート」。Aoooは、石野理子、すりぃ、やまもとひかる、ツミキの4名で2023年に結成されたバンド。10月に1stアルバム「Aooo」を発売、発売記念フリーライブを新宿・東急歌舞伎町タワー前シネシティ広場にて開催し、そのライブからの動画となっています。今後に注目のバンドですね。

続いては、パソコン音楽クラブの「Memory of the moment」。
パソコン音楽クラブは、以前にもこの連載では「Day After Day feat. Mei Takahashi」を紹介しましたが、音源モジュールやデジタルシンセサイザーをメインにしたDTMユニット。5th Full Album「Love Flutter」からの1曲となっていますので、これを聴いて「おっ!」となった人はアルバムも要チェックですよ。

「桜井政博のゲーム作るには」最終回! 明かされた秘密に視聴者が震撼

『星のカービィ』シリーズ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどを手掛けたゲームデザイナー桜井政博氏が、自身のYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」の“最終回スペシャル”を2024年10月22日に公開しました。

「未来のゲームをよりよくするため」をスローガンに、ゲーム制作のいろいろなノウハウなどを紹介してきた同チャンネルですが、最終回スペシャルでは驚愕の事実が次々に語られました。

同チャンネルは2022年5月に開設され、そこからまとめ動画を含め260本の動画を公開していますが、

何と「すべての動画が2年半前には撮り終わっていた」ということなんです(ただし、最終回スペシャルは除く)。

意味がわからないですよね。

SNSではこれに対して「動画内でX(旧Twitter)のことをかたくなにTwitterと呼び続けていたのも、こだわりとかじゃなく2年半前に撮っていたからなのか……!」など、まるで叙述トリックのどんでん返しをくらったような感想が漏れていました。

同チャンネルは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のDLCがすべて配信され、次のゲーム制作に移ろうというタイミングで、制作チームの招集に5か月を要することがわかり、その期間内にYoutube動画の制作を決めたとのこと。

この5か月の期間内で、桜井氏は、

・チャンネルで紹介する内容の全体像を構想
・1か月で動画256本分の台本、約30万字の原稿を執筆
・動画のパイロット版を制作、納得がいかないものをボツにしつつリテイク
・最終的に256本の動画の撮影を2021年10月から2022年4月で完了

したということです。驚愕の内容ばかりですが、しかも業務はあって20時からチャンネル業務をしていたというのだから、もう理解を越えていますね。
 

そんな動画の制作にかかった費用の総額はなんと約9,000万円!

当初の予想より遥かに高くついたということですが、動画の編集は、IPコンテンツ制作会社の「HIKE(ハイク)」に依頼し、英語版の翻訳は『UNDERTALE』や『ストリートファイター6』のローカライズなどで知られるゲーム翻訳会社「ハチノヨン」が手掛けたとのこと。

さらに、動画で使用するOP・EDジングルは『イース』シリーズ、『アクトレイザー』シリーズ、『世界樹の迷宮』シリーズ等々の楽曲を手掛けた古代祐三氏が制作していたということです。

単純計算はあまり意味がないですが、256本の動画1本あたりに約35万円の制作費がかかっている計算にはなりますね。多くは非常に労力の掛かる編集作業を請け負ったHIKEへの支払いだったということです。

こんなに豪華かつ力作な動画を公開してきたチャンネルですが、同チャンネルは収益化はしておらず、収入はゼロ!

それもすべて「未来のゲームを少しでもよくするため」とのことで、常人には真似のできない偉業ですね。

なお、桜井政博氏は約2年前から新作の開発をスタートしているということで、今後はそのゲームがどんなもので、いつ姿を現すのか。非常に楽しみですね。

PS5 Proが11月7日、30周年エディションが11月21日にいよいよ発売

PlayStation5 Proの発売が11月7日と、いよいよ迫ってきましたね。

実は昨年2023年の11月10日にはスリムタイプの新モデルが発売されていたので、ちょうど1年周期、11月の第1木曜日か金曜日に新型を発売するというサイクルになっています。

また、PlayStationの30周年を記念したPS5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディションの発売は11月21日となっています。

おおまかにPS5 Proの性能向上ポイントをまとめると、

・ゲームプレイ時のレンダリング速度が最大で45%アップ
・レイトレーシングの処理速度はPS5と比べて2倍~3倍アップ
・AIによるアップスケーリング技術「PSSR(プレイステーションスペクトルスーパーレゾリューション)」を実装
・最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7に対応
・対応しているPS5およびPS4タイトルのパフォーマンスを高める「ゲームブースト機能」を搭載
・ストレージ容量は2TBに(通常版は1TB)

と、このようになります。

なお、価格は

PS5 Pro:11万9980円
PS5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット:16万8980円
PS5:7万9980円
PS5 デジタル・エディション:7万2980円

となります。

まぁ、この価格と性能について、SNS等々では「PS5 ProとゲーミングPCどっちを買うべき?」論争が発表以来たびたび起こっているわけですが、まぁボクとしては、できることや用途や将来性などが違いますから、一概にどちらが正解とか、上とか下とかないですという、ちょっと投げっぱなしな解説にはなります。

なかなか難しいですよね。特に人気が高い『モンスターハンターワイルズ』をプレイしたいという人が、ハードはどうするか悩むという声をSNS等でよく見かけます。

選択肢として最も安く『モンハンワイルズ』をプレイできるのは「Xbox Series S」で44,578 円 (税込)。上位の「Xbox Series X」でも66,978 円 (税込)なので、PS5より安くはあります。

『モンハンワイルズ』はクロスプレイに対応しているので、他のプラットフォームの人とも一緒に遊べるので、そこの心配もいらないとは思います。

この流れだとPS5 Pro発売の話題の中でXboxをオススメしている感じもありますが、特別そういうわけでもなく、あくまで選択肢を並べているだけなんですよね。

『モンハン』ファンの人には、『モンハン』最新作をひたすらにプレイし続けてそれ以外のゲームはほとんどプレイしないっていう人もそこそこにいるそうで、そういう人は最安の選択肢で『モンハンワイルズ』専用機にしてしまうのもありかなーと感じるところです。

『モンスターハンターワイルズ』特別デザインのDualSense ワイヤレスコントローラーとPS5用カバーも発売されます

『モンハンワイルズ』が発売される2025年2月28日まで、もしくは発売後も『モンハンワイルズ』をプレイするプラットフォームの悩みや、PS5 ProかゲーミングPCどちらも価格が高くつく……という悩みはついてまわるとは思うのですが。今まさにお悩み中の人は、選択肢を吟味したうえで自分に合うものをぜひお選びください。

スマホでWiz。『ウィザードリィダフネ』が不具合多発ながらもおもしろい

『Wizardry Variants Daphne』 © Drecom Co.,Ltd.

実はボクが人生で初めて“ハマった”と言えるゲームは『Wizardry』なんですよ。ファミコン版ですね。

子どものボクはそれまでゲームをとっかえひっかえ、学校の友だちとゲームの貸し借りをしたりと遊んでいたわけですが、そんななかドハマリしたのが『Wizardry』。

ご存知の方も多いと思いますが、『Wizardry』はある程度のゲームの目的を達成するまでは短いですが、そこから気が済むまでアイテム掘りをしたりキャラ育成をし続けることができるので、終わりがないと言えばないゲーム。

ボクはファミコン版やPCエンジン版の『Wizardry』をひたすらにプレイしたのち、ゲームボーイ版の『Wizardry外伝』シリーズにさらにハマって、学校から帰ってきたら、テレビではPCエンジン版の『A列車で行こうIII』を動かしつつ、ゲームボーイで『Wizardry外伝』シリーズをプレイするという生活を毎日毎日ひたすらにやっていました。その迷宮と線路のゲームライフの牙城を崩したのが3D格闘ゲームになっていくわけですが……。

閑話休題。

というわけで、そんな『Wizardry』のスマホアプリでの最新作が登場しました。

その名も『Wizardry Variants Daphne』。略称はウィズダフネですね。

こちら見出しにも書いているとおり、サービス開始当初からは不具合やサーバー通信エラーなどが多発していて、なかなか厳しい状況も多いのですが、その一方でゲームとしてはかなりおもしろいと評判が高いんですよね。

かくいうボクも初日からプレイしていますが、近年における“遊びやすい『Wizardry』”としてはトップクラスと思えます。

ストーリーの内容や見せ方が非常に良く、最初の引き込みに成功していますし、『Wizardry』らしい無骨さや説明の少なさも気にはなるものの、恐るおそるいろいろ試してみるという“らしさ”が出ています。くどいぐらいに親切なよりはドライなほうが“らしさ”はあるという感じですね。

演出面においても、基本的に主人公の主観視点になっていて、主人公が盾を装備している状態で戦闘中に防御を選べば盾が画面の下を覆いますし、戦闘後には仲間キャラクターが肩をポンと叩いて一緒に歩いていきます。ダンジョンが主観視点であることをしっかり延長して今どきのものまで拡張しています。

『Wizardry』特有の油断していると突然やられる、パーティーが崩壊する感もしっかりあり、初めての階層にきたときの緊張感はなかなかのもの。某ウサギさんに思わず「え、ちょっと!」と声が出ちゃったのも久しぶりでしたねー。

やられてしまったキャラクターを蘇生するには主人公がその場で蘇生を試みるか、寺院でとなります。
主人公は諸事情からやられても復活することができるので、シリーズ作のような別パーティーを育てて救出に行くという要素は今のところないですね。
キャラクターを手に入れるのがいわゆる訓練所のクリエイトではなく、課金要素に関わったものになっているので、全滅でその場に残るというのは成立させづらいのだろうと思えます。

課金要素としてはキャラクターが引けるガチャや便利なアイテム、追加報酬がもらえるようになるプレイパスなどがあります。これが今後どこまで課金必須な難易度になってしまうのかは定かではないですが、今のところは必須とは言えないぐらいで遊びこめば一通りのストーリーを辿れると思えます。個人的にはプレイ料金代わりに月額のプレイパスぐらいは払ってもいいのではと思うところですね。

『Wizardry Variants Daphne』 © Drecom Co.,Ltd.

課金ありのスマホアプリながら、本格的なコマンドRPGとしての『Wizardry』を成立させていて、しっかりとおもしろいし、ストーリーや演出にセンスの良さも感じられるものになっています。より早く不具合が整備されることを期待しつつ今後もゆるゆると付き合っていきたいところ。

スマホアプリだしなーと様子見している人もいるかと思いますが、ぜひ試しに触ってみるのがオススメですよ。
 

11月のオススメタイトルはHD-2Dリメイクされた『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』!

2024年11月に発売されるタイトルから注目作をピックアップ!

さぁ、例年その年を代表するクラスのタイトルが発売される11月がやってきました。

だいたい11月の第2週、11月9日前後は必ずビッグタイトルが発売されるんですよ。ホリデーシーズンおよびブラックフライデー前の一番いいタイミングなんでしょうね。

で、今年はというとPS5 Proが11月7日に発売となります。

ゲームでは、『SIREN』などの外山圭一郎氏による新作ホラー『野狗子: Slitterhead』が11月8日に、HD-2Dリメイクされた『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が11月14日に発売となりますので、そのあたり注目でしょうか。

11月21日には、 ウクライナを拠点とするデベロッパーのGSC Game Worldが戦争の影響を受けつつも開発した『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』がついに発売となります。

こちらは制作のドキュメンタリー動画『War Game: The Making of S.T.A.L.K.E.R. 2 Documentary』も公開されました。

ドキュメンタリー映像は2022年に起きたロシアによるウクライナ侵攻にも触れており、戦火に追われてキーウを脱出し,チェコで開発を再開したこと、脱出に失敗してウクライナに留まった人々の体験などが多数の開発スタッフによって語られています。戦争の悲惨な場面も多く収録されていますので、ご視聴の前にその点にはご注意ください。

このほか、11月28日には『アイレムコレクションVol.2』と『タイトーマイルストーン3』の名作アーケードゲーム収録タイトルが同日に発売ですので、こちらもお見逃しなく。

それでは、良いゲームライフを!

 
『ダウンタウンスペシャル くにおくんの三国志だよ満員御礼!!』

2024年11月7日発売
[Nintendo Switch][PS4][Windows PC(Steam)]

 
『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』

2024年11月7日
[Nintendo Switch]

 
『野狗子:Slitterhead』

2024年11月8日発売
[PS5][PS4][Xbox Series X/S][Windows PC(Steam/Epic Games)]

 
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』

2024年11月14日発売
[Nintendo Switch][PS5][Xbox Series X/S][Windows PC(MS Store/Steam)]

 
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』

2024年11月21日発売
[Xbox Series X/S][Windows PC(MS Store/Steam)]

 
『アイレムコレクションVol.2』

2024年11月28日発売
[Nintendo Switch][PS5][PS4]

 
『タイトーマイルストーン3』

2024年11月28日発売
[Nintendo Switch]

 
『8番のりば』

2024年11月28日発売
[Nintendo Switch][PS5][PS4]

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