大堀所長出演「125回 アーケードアーカイバー」生配信レポート

大堀所長出演「125回 アーケードアーカイバー」生配信レポート  IGCC

2018年5月24日に配信されたハムスター社の公式チャンネル「125回アーケードアーカイバー」に大堀康祐所長が出演しました。このチャンネルは、ハムスター社の濱田社長とアケアカ芸人フジタさん※1アケアカ芸人フジタ: 所有ソフト1万5000本を超えるゲーム芸人。ゲームソフトの収集に使った金額は1000万円以上とか。アーケードゲームも大好きで「アーケードアーカイバー」では数々の珍プレイ好プレイを披露している。がさまざまな「アーケードアーカイブス※2アーケードアーカイブス : 1980~1990年代に発売されたアーケードゲームを家庭用ゲーム機向けに配信しているサービス。ハムスター社提供。タイトルを紹介し、時にはゲストとトークを交えながらゲームを遊び、競う中で、その魅力を広く伝えていくチャンネルです。

実は、筆者・きらり屋も1年半ほど前にプレイヤーとしてお邪魔したことがあります。今回は純然たるギャラリーとして気軽に見学に訪れたのですが、急きょリポート記事を作成することになりました。2018年7月現在、第125回の配信が終了しているため、残念ながらその回の動画を見ることはできませんが、筆者が間近で見た緊張感と笑いがこもごも訪れた生配信の様子をお伝えします。

大堀所長出演「125回 アーケードアーカイバー」生配信レポート  IGCC
▲(左から)濱田社長、大堀所長、芸人フジタさん

到着早々1プレイ目でノーミス3万点

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▲周回を重ねると難易度が上がり、高速化するアトミックパイル。逆に冒頭でミスすると難易度が下がる。「『ムーンクレスタ』はレベルデザインがしっかり作られていることに、当時驚いた」と大堀所長。©HAMSTER Co.

せっかく現場にいたので、生配信前のスタジオ控え室の様子もちょっとご紹介します。
現場に到着した大堀所長は、集まったギャラリー含めその場の全員に挨拶を済ませ、早速生配信予定の『ムーンクレスタ』(1980年/日本物産)をプレイしました。

『ムーンクレスタ』は縦画面シューティングゲームで、性能の異なる3タイプの自機(1号機、2号機、3号機)を単独または合体させて操作し、攻略していきます。3万点に到達するとエクステンド※3エクステンド : 3万点到達で1、2、3号機がまとめて増加する。となり、全滅後、再び1、2、3号機がそろった状態でもうワンチャンス。次の周回からプレイが可能となります。

大堀所長はギャラリーの質問に答えながら、軽々とノーミス3万点でエクステンドを達成。その後もプレイを続行して、3機全滅後のエクステンドプレイも披露してくれました。

周回を重ねたことで高速化したアトミックパイル※4アトミックパイル : 自機を目掛けて真下に落下してくる細長い敵。には、周囲のギャラリーから「懐かしい!」といった歓声が上がり、まるでゲームセンターでした。

この後の本番のプレイでは、3万点を達成したものの、時間の都合でその後やむなく捨てゲー(プレイを放棄して省略)となりましたが、控え室では、周回を重ねるプレイヤーとそれを囲んで沸くギャラリーという、昔のゲーセンのような懐かしい光景が見られました。

大堀所長プロフィール紹介

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▲大堀所長プロフィール。「駄菓子屋を攻略」に始まり興味深い内容がギッシリ

生配信が始まり、司会進行役の濱田社長と芸人フジタさん、大堀所長が登場。最初に大堀所長のプロフィール紹介がありました。本サイトをご存じの方には重複する内容もあると思うので、印象深かったところをかいつまんで紹介します。

上の画像にある「小学校低学年」の項目にある「駄菓子屋を攻略」とは、ビデオゲーム時代以前、駄菓子屋で当たり付きお菓子の当たり率を極限まで上げる攻略のことです。例えば、あんこ玉の当たりは箱の隅っこに入っていて、お店の裁量で当たる確率を調節できるようになっていますが、なかにはそれを知らずそのまま店頭に並べているお店があったそうです。そういうお店を見つけたり、また、乾燥によってできるひび割れで当たりハズレの見分け方を見つけるなど、「どうやったら勝てるかを研究していました」とのこと。「勝てるか」と表現するあたり、恐るべき小学生!

そして、小学6年生の時に登場した『スペースインベーダー』(1978年/タイトー)の衝撃。攻略ミニコミ誌を自作してしまうほどのめり込んだ『ゼビウス』(1983年/ナムコ)の話が順次紹介されました。『ゼビウス』については過去の記事もぜひご参照ください。

大堀所長は、高校2年生の時に『ゼビウス』攻略本である『ゼビウス1000万点への解法』を同人誌で制作して以降、多くのゲーム開発の先輩方と接してきたことは、とても貴重で身になる経験となったそうです。例えば、先輩方からご飯をおごってもらったときに「いつかお返しします」と言うと、遠藤雅伸さん※5遠藤雅伸 : 『ゼビウス』などの名作ゲームを手掛けたゲームクリエイター。現・東京工芸大学芸術学部ゲーム学科教授。をはじめ多くの先輩から、「俺たちも先輩にやってもらってきたから、君は次の世代の人にやってあげればいい」と言われたとのこと。これが後に、「ゲームを作りたい人のために場所を提供したい」という気持ちを育み、1994年の株式会社マトリックス※6株式会社マトリックス : 1994年に設立、家庭用ゲームソフトの企画・制作・開発を行う。その後、アミューズメント部門、携帯電話用アプリ部門などを増設し、2018年現在、九州にも開発室を構えている。設立に至ります。マトリックスでは『アランドラ』シリーズ(1997年~)、『ドラゴンクエスト』シリーズ(2010年~配信)のモバイルアプリ版などを手掛け、最近ではPlayStation Vita用ソフト『オメガラビリンスZ (ωLabyrinth Z)』(2017年)や『ファイナルファンタジーレジェンズⅡ 時空ノ水晶』(2017年)を発表しました。

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▲株式会社マトリックスの公式サイト。『ファイナルファンタジーレジェンズⅡ』『オメガラビリンスZ 』などを手掛ける

さらにその関連会社として、2016年にはゲーム文化保存研究所を設立。そのことに関して、大堀所長は「昔のゲームを残すことはプログラムに関してはエミュレーターなど進んできていますが、ゲーム文化という観点で見ると当時の制作者の開発環境・オペレーターの状況・遊んでいたプレイヤーの状況(ハイスコア集計なども)も含めて包括して残していきたい」という思いも過去の「大堀所長に聞く!ゲーム文化保存研究所のすべて」という記事の中で語りました。

「本番には魔物が棲んでいる」とはフジタ氏談。果たして…?

《大堀所長のスーパープレイ その1》
『ムーンクレスタ』ノーミス3機合体、3万点到達に挑戦!

「アーケードアーカイブス」の中から、大堀所長の得意なタイトルの一つ『ムーンクレスタ』が披露されました。プレイ前に濱田社長から「ノーミス、3機体合体を見せてください!」との要望が提示されましたが、それでは物足りないのではないかということで「3万点達成(ワンアップ)」が条件に追加され、「緊張で手がベトベト」と言いながらも、ふたを開ければノーミス3万点超えという、条件を上回る見事なプレイを見せつけました。さすが大堀所長!

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▲自機の特性を把握したプレイヤーのみ可能な、見事な放置プレイ ©HAMSTER Co.

当時やり込んでいたプレイヤーにはお馴染みの、レバーから手を放した状態で自機を合体させる「手放し合体」にも成功。これには濱田社長もフジタさんも驚いた様子でした。
しかし大堀所長的には、メテオ※7メテオ :『ムーンクレスタ』に登場する5種類の敵の一つ。メテオ以外の敵は全滅させることで次のステージへ進むが、メテオは破壊せずやり過ごすことが可能。しかし、5種類のうち最も高得点なので、数多く撃ち漏らすとエクステンドが遠のくことに。の撃ち漏らしが思った以上に多く、エクステンド到達ポイントが全盛期の頃よりだいぶずれてしまったことに悔しさをにじませました。

「アーケードアーカイブス」新タイトル紹介コーナー

「アーケードアーカイブス」の新タイトルをプレイするコーナーでは、大堀所長が芸人フジタさんからゲームのコツを教えてもらう姿が新鮮でした。

トッププレイヤーズゴルフ』(1990年/SNK)は、フジタさんがネオジオソフトを所有して遊び込んでいたタイトルとあって、初プレイの大堀所長はフジタさんに教えてもらいながらVSプレイ。ボールを打つときボタンで止める難易な操作性やかなり速めのゲージのスピード、ゲージと芝目と気象条件に翻弄されながら「これは難しいわー」と、2人盛り上がりながらグリーンを目指しました。

いっき』(1985年/サンソフト)では、大堀所長とフジタさんが協力プレイ、のはずが、スクロールする画面を引っ張り合う2人プレイならではの妨害プレイへと発展して、現場も配信コメント欄も予想外の盛り上がり様でした。『いっき』発売当時の大堀少年は、少ないお小遣いでクリアするのが難しいと判断したタイトルは無理にやり込まず、諦める潔さも持っていて、『いっき』はまさに諦めたタイトルの一つだったそうです。

それを考えると、「アーケードアーカイブ」で当時遊べなかったタイトルを納得いくまで遊べるのは素晴らしいことですね。

《大堀所長のスーパープレイ その2》
ぶっつけ本番『スクランブル』1コイン1周に挑戦!

慣らしプレイなしで『スクランブル』(1981年/コナミ)の実演プレイに挑戦。濱田社長の提示した条件は、1コイン1周というものでした。しかし、序盤で岩壁に激突するハプニングが発生。モニターの大きさが普段の環境と異なるため、自機と配置物の距離を測ることが困難ゆえの出来事でした。

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▲『スクランブル』は、燃料を補給しながら敵地を進み、最後に基地を破壊することが目的の横スクロールシューティング ©Konami Digital Entertainment

かつては1周ノーミスクリアくらい当たり前。本番もその気概で挑んだ大堀所長に、「本番に住む魔物」が牙を剥いたのでしょうか? 慣れない環境に苦しめられながらもミッションそのものは軽く完遂。さすがです。

ゲーム文化保存所とアーケードアーカイブスは親和性が高い

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▲共にゲーム文化を残していく意義を確認して握手を交わすハムスター濱田社長と大堀所長

最後にハムスター濱田社長から大堀所長に、
「私たちはゲームを1タイトルでも多く復刻するよう頑張るので、ゲーム文化を残していってください
「一緒に残していきましょう」
と、約束の握手が交わされました。また、大堀所長からは納得いくプレイをお見せできかなかったのでいずれ再挑戦したい、との宣言もあったので皆さん楽しみに待ちましょう!

筆者が見ていた中では、配信後に大堀所長が、配信で使用したモニターの大きさやコントロールボックスをチェックしていた様子が印象的でした。もしかして、帰って同じ環境で練習する気なのではないでしょうか?

控え室に戻ってからも、『ムーンクレスタ』でメテオを撃ち漏らしたことや、『スクランブル』での激突をまだ悔しがっていて、その姿は我々に「大堀所長は生涯ゲーマーだ!」と思わせ、大変頼もしく映りました。ゲーム文化保存は容易なことではないと思いますが、子ども時代からのゲームへの情熱を失わない大堀所長に、これからもぜひ牽引していただきたいと思います。

脚注   [ + ]