あの『ドルアーガの塔』がリアル謎解きイベントで蘇った!

TSQ(TAMAARI SUPER QUEST)」というプロジェクトをご存じですか?
さいたまスーパーアリーナを舞台に、国内を代表する謎解き制作団体が仕掛けた大型リアル謎解きイベントで、その第3弾が、去る2019年4月13日、14日の両日にわたって開催されました。

今回、題材となったのは…なんと、あのナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)の名作『ドルアーガの塔』(1984年)! 同作は、難解な謎と魅力的な世界観で一世を風靡した名作中の名作として知られています。その『ドルアーガの塔』と「リアル謎解き」のコラボとは、なんという魅力的な組み合わせでしょうか

ゲーム文化保存研究所としてもこれは絶対に見逃せない! ということで、さっそくレポート開始です!

▲「TSQ」PR動画(公式YouTubeチャンネルより)

『ドルアーガの塔』を知らなくたって大丈夫!

▲レクチャーを受ける手塚一郎氏(左)と小沢純子氏(右)。ドルアーガファンなら当たり前のように感じる、冒頭の説明さえも謎解きの伏線となっているとは…

今回このイベントに参加したのは、当研究所から大堀康祐所長、ゲームライターの手塚一郎氏、そして『ドルアーガの塔』の音楽を担当した小沢純子※01小沢純子 : 元ナムコの作曲家。『ドルアーガの塔』以外にも、『ギャプラス』(1984年)、『バラデューク』(1985年)、『トイポップ』(1986年)、『ローリングサンダー』(1986年)、『パックマニア』(1987年)など多数。。どなたも謎解きイベントは今回が初めてとのことですが、『ドルアーガの塔』への愛や知識なら人並み以上に持ち合わせているとの自負もあり、意気揚々とイベント会場であるさいたまスーパーアリーナへと乗り込んだのでした。

会場に入って目にしたのは、300人はいるのではと思われるほどのたくさんの入場者。この人たちが全員ライバルかと思うと、緊張感が高まってきました。

本イベントは両日ともに午前11時スタート。以降、午後4時まで1時間ごとに次の組のプレイヤーたちがイベント会場へ入場していくというシステムになっています。
まずは、巨大スクリーンの前に設置された椅子に座り、イベントの説明を受けます。『ドルアーガの塔』を知らない人にも物語や世界観が分かるように、スタッフが丁寧に説明してくれました。

「TSQ Vol.3」の舞台設定を一言でまとめると、「ドルアーガの魔力によって、プレイヤーであるあなた(主人公・ギル)が、このさいたまスーパーアリーナへ飛ばされてしまいました」というもの。つまり、会場の各所に設置された謎を解き、一刻も早く塔へ戻り、カイを救出しなければならないというわけです。

レクチャーが終わったら、いよいよゲームスタートです。
大堀所長、手塚氏、小沢氏のお三方はいずれもリアル謎解きが初めてという超初心者。『ドルアーガ』への愛や知識だけで、果たしてライバルたちよりも先に謎を解き、カイを救出できるのでしょうか。

▲リアル謎解きのセオリーをつかむまでは、とにかく苦戦の連続だった様子(左から大堀所長、手塚氏、小沢氏)

謎解き4団体の豪華競演!

会場あちこちに解き応えのある謎が用意されています。それもそのはず。複数の有名謎解き制作団体が、各エリアをそれぞれ担当しているのです。

参加しているのは、「Tumbleweed」「NAZO×NAZO劇団」「クロネコキューブ」「K-dush2」の4団体。謎解きファンなら、「おおっ」と思わず声を上げてしまうほどの豪華なメンバーです。この4団体が4つに分けられたエリアをそれぞれ担当しているため、各エリアがまったく異なる様相を呈しているわけですね(ちなみに、今回のイベントではここで紹介している本編とは別に「エクストラコンテンツ」というものが用意されており、「K-dush2」がこちらを担当しています)。

▲会場で配布された冊子を手に、謎解きに挑むプレイヤーも手に汗握る1コマ

最初のエリア「翡翠の導き」は、12ページほどの冊子と、会場内に掲示された資料やヒントなどを照らし合わせて謎を解いていくタイプ。
「なるほど。謎解きイベントというのはこういうものなのか」と3人は納得するものの、方向性が理解できただけで、実際に謎が解けたということではありません。周囲の参加者がどんどん謎を解き、次のフロアへと進んでいくのを横目にしながら悪戦苦闘。気がつけば人影もまばらに…。まずい、このままじゃ次の回のプレイヤーに追いつかれてしまうではありませんか!

会場の要所にQRコードが張り出されているほか、謎解きが苦手な人のためにLINE@(ラインアット)アプリを利用したヒントの配信も実施されています。しかし、大堀所長の「ヒントなしでクリアするのだ!」という一声で、自力クリアを目指すことになったお三方。灰色の脳細胞をフル回転させて何とか謎を解き、次の組のプレイヤーたちに追いつかれる寸前で、ようやく次のフロアへ進むことができたのでした。危なかった…。

イベントの目玉は「スマートフォンとの連動」

▲QRコードをスマートフォンに読み込ませる大堀所長

謎解きイベントって、いったいどんなことをするんだろう? どんな謎を解いていくんだろう? と思う方もいるかもしれません。そんな方のために説明すると、こんな感じです(TSQはネタバレ厳禁。これはあくまでも例であり、イベントで使われていたということではありません。ご注意ください!)。

壁に「タカイ イワ」と書かれていたとします。これを読んで、皆さんはどう思いましたか? 普通は「高い岩」と読み、見上げるような岩山を想像するのではないでしょうか。けれども、こういった謎解きイベントは一筋縄ではいきません。わざわざカタカタで書かれているのには、何か意味があるのかも? と考える必要があったりします。もしかしたら、いくつかの読み方があるかもしれません。今回の例で言うならば「値段(価格)が高い岩」なんて読み方もあるわけですね。

謎解きイベントというのはこんな感じで、従来の固定観念がぶち壊されるような問題が、とにかく山ほど用意されていました。しかも、どの問題も答えが分かると、「なるほど!」と思わず膝を叩いてしまう完成度の高さ。
もっと謎の雰囲気を知りたい方は、「TSQ Vol.3 ドルアーガの謎」公式サイトの練習問題にチャレンジしてみてください(実際の謎はこれよりも、もっと難しくておもしろかったです!)。

さて、このようにイベントは進んでいくのですが、今回の目玉についても忘れずにご紹介しておきましょう。それが「スマートフォンとの連動」――すなわち、スマホなどの携帯端末を使用した「Quest Recordingシステム」です。
会場内の要所に掲示してあるQRコードを、スマホやタブレットのカメラで読み込むことでアイテムが入手でき、入手したアイテムは画面内にストックされます。また、新たな装備を手に入れてパワーアップしていくギル(主人公)の勇姿なども確認できます。

▲ゲーム開始直後のスマホ画面。これが初期装備のギルのお姿。スタート直後は、まだまだ弱っちいのですが、次々と謎を解いてアイテムを入手していくと…
▲このように、ギルの姿がどんどんカッコよくなっていく!

脚注 +