対戦格闘ゲームの元祖『空手道』は今遊んでも熱いゲームだった

対戦格闘ゲームの元祖『空手道』は今遊んでも熱いゲームだった  IGCC

空手道』は1984年にデータイーストからリリースされた空手をモチーフにしたアクションゲームです。開発はテクノスジャパン。ゲームの内容を大まかに言うと「CPUキャラを相手に、空手の試合で何人勝ち抜けるか」を競うというものでした。その後、3カ月ほど遅れてプレイヤー同士で対戦可能な『対戦空手道 美少女青春編』がリリースされ、友達同士で対戦を楽しむ光景が各地のゲームセンターで見られました。そのため、本作が対戦格闘ゲームの元祖であるという説を唱える人もいます。
今回は、そんな『空手道』の魅力について改めて掘り起こしていきたいと思います。

ツインレバーの入力組み合わせで多彩なアクションを表現

『空手道』のインタフェースはツインレバーとなっており、特徴的な操作が非常に印象的でした。左レバーに左右移動・ジャンプ・しゃがみが、右レバーに攻撃といった機能が割り当てられていて、右レバーの各方向に割り当てられていた攻撃の種類はけっこう直感的に理解できるものでした。前方向で前蹴り、後ろ方向で後ろ蹴り、下で下段蹴り、上で回し蹴りが基本攻撃です。
これらの右レバー操作に合わせて、左レバーを同時にどの方向に入れていたかで技が変化するようになっていました。また、同じ入力でも対戦相手との距離によって変化する技もあったので、実に多彩なアクションをプレイヤーに見せてくれましたね。対戦相手が攻撃してきたときに左レバーを反対方向へ入力すると防御になるなど、現在の対戦格闘ゲームでは基本ともいえる操作も、このゲームで誕生したのです

『空手道』は、右レバーは直感的に操作できるものの、左右レバーを組み合わせるとなるとその操作感は少々クセが強く、攻撃のモーションが完了するまでレバーを入力し続けなくてはなりません。攻撃のモーションが終わる前に入力を止めてしまうと技がキャンセルされてしまうので、慣れるまでは相手に攻撃がまったく当たらず、「なぜ?」となってしまうことが多かったようです。

▲独特のサウンドもいい味を出していた。PlayStation4のアーケードアーカイブス版の公式動画

やっぱり演出のクセが強い~!この頃からデコゲーらしい演出

データイーストとのゲームといえば、まず誰もが口にするのが「デコゲー」。※1デコゲー:ファンによるデータイースト製ゲームの呼称。現在、デコゲーの『空手道』など一部の版権はジー・モードが保持する。「データイースト復活PJ」公式サイト「デコゲー」とは詰まるところ、バカっぽい演出やゲームデザインをファンが好意的に表現したものですが、『空手道』も、そんなデータイーストらしいクセの強い演出が楽しめるゲームでした

ゲームの主な流れは、「練習」で基本操作を覚えて「道場」で試合をした後、「全国大会」の試合をひたすら勝ち進んでいくというものです。試合の合間にはボーナスステージとして瓦の試し割りや牛との対戦があるのですが、対牛戦の前には「さあ牛だ!」と、やる気があるのかないのか分からないメッセージが表示されるのも、デコゲーファンなら「ニヤリ」としてしまう部分ではないでしょうか。

対戦格闘ゲームの元祖『空手道』は今遊んでも熱いゲームだった  IGCC
▲巨大化する顔もデコゲーならでは(画像はPlayStation4のアーケードアーカイブス版『空手道』、公式サイトより引用)©G-MODE Corporation / ©2014 HAMSTER Co.

また、対戦相手に勝った時やボーナスステージで、時々プレイヤーキャラの顔が巨大化してドヤ顔になるのもバカバカしくてよかったですね。この「顔の巨大化」は、私の頭の中にずっと強烈なイメージとして残っていたのですが、今回あらためてプレイして、『空手道』だったことを思い出しました。
タイトルは忘れても演出は覚えているという、それほど強烈なインパクトであったことは確かです。データイーストが後年にリリースした『トリオ・ザ・パンチ』(1990年)で、プレイヤーキャラクターのサントス(タフガイ)が「ここ一番!」という特殊攻撃で顔がでかくなるのも、『空手道』のオマージュだったのかなと想像してしまうのであります。

思い返してみると、この『空手道』がリリースされるまで、データイーストからクセの強い演出のゲームは特にリリースされていなかったんですよね。ごく一般的なゲームばかりだったというか、我々の脳裏に焼き付いてしまうようなインパクトのある演出は『空手道』が最初だったのではないかと思います。そう考えてみると、『空手道』はその後のデータイーストのノリを決定づけた「元祖デコゲー」と言ってもいいかもしれません

派手さはないがジワジワくるおもしろさにもう1プレイ

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▲楽に点稼ぎができた技テスト(画像はPlayStation4のアーケードアーカイブス版、公式サイトより引用)©G-MODE Corporation / ©2014 HAMSTER Co.

レトロゲームなので、当たり前ながら現在のゲームのような派手さもスピード感もありません。それどころか、当時のほかのゲームと比較しても、ある意味牧歌的なのんびりとした雰囲気のゲームだと思います。技の種類が多彩なこともあり、ビギナーのうちはいろいろ技を出そうとした揚げ句あっという間にゲームオーバーになり、そこで嫌になってやめてしまう人は多かったかもしれません。

レバーの組み合わせと対戦相手との距離により16種類の空手技を出すことができました。この頃のゲームとしては技数が多く、その多彩さがある意味でこのゲームのトラップだったような気がします。上級者になると、また違う感想を持つのかもしれませんが、個人的には技レバーを後ろ方向に入れる系統の技は不利になるだけだと思います。

基本的には、方向レバー(→)に技レバー(→)か(↓)で攻撃する「前げり」「ローキック」、余裕があれば一本取得技の「上段追突き」「飛び横げり」の4種類だけで充分でしょう。この4種類さえ覚えてしまえば1プレイが長く遊べるようになり、かめばかむほど味の出るおもしろさに、「もう1回プレイしよう」となること間違いなしです。

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▲『空手道』の技一覧(当時のインストラクションカードを参照)

見かけたらぜひ1度はプレイしてもらいたいゲーム

当時のハードウェアの性能的に、今となっては非常に地味なゲームです。現在の対戦格闘ゲームと同じようなテイストを求めてしまうとがっかりするかもしれません。けれども、プレイヤー同士の対戦が可能な『対戦空手道 美少女青春編』のほうは意外と駆け引きが熱く、楽しめるのではないかと思います。レトロゲームセンターで見かけたら、ぜひ遊んでみてください。

また、コンソール版ではPlayStation4のアーケードアーカイブスでダウンロード購入ができる他、FaceBookのメッセンジャーで当時のアーケード版を再現したHTML5版をプレイすることができます。興味があればこちらも試してみてくださいね。

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脚注   [ + ]