“気持ちいい”を熟知するヴァンサバ開発チームの新作はコンボとループでひたすらに気持ちよさが加速する“陽キャ”ローグライト・カードバトル!『Vampire Crawlers』

  • 記事タイトル
    “気持ちいい”を熟知するヴァンサバ開発チームの新作はコンボとループでひたすらに気持ちよさが加速する“陽キャ”ローグライト・カードバトル!『Vampire Crawlers』
  • 公開日
    2026年05月01日
  • 記事番号
    14245
  • ライター
    山村智美

いい感じの遊び心地
いい感じのポップさ
いい感じのカジュアルなビジュアル
いい感じの2Dドットなゲームも豊富
いい感じの重すぎない&軽すぎないゲームらしさ

『発見! インディーゲーTreasures』は、
そんな“ちょうどいい感じ”なインディーズゲームを紹介していく月イチ連載です。

今回ピックアップした1本は、こちら。

『Vampire Crawlers』!

 

タイトル:『Vampire Crawlers』
開発:poncle, Nosebleed Interactive
パブリッシャー:poncle
リリース日: 2026年4月21日
価格:1,200円
配信プラットフォーム:PC(Steam)/ Nintendo Switch 12 / PS5 / Xbox Series X|S

敵の大群をなぎ倒していく爽快感

ド派手にインフレする攻撃と敵が倒れる音の洪水

ノリの良いBGMが高揚感をさらに加速させて

ひたすらに気持ちのいいプレイフィールを浴びていく

そんな気持ちよさで世界を魅了した『Vampire Survivors』チームの新作はなんと

3Dダンジョン+ローグライト+カードデッキビルダーという全く異なるジャンル

なのに気持ちよさはまさに“ヴァンサバ”という不思議な体験

シビアな制限に耐えて戦うような他のカードデッキビルダーとはまったく違う新機軸

それが今回紹介する『Vampire Crawlers』です。

『Vampire Crawlers: The Turbo Wildcard from Vampire Survivors』(『ヴァンクロ』)は、『Vampire Survivors』(『ヴァンサバ』)の世界観と爽快感を継承した一人称視点3Dダンジョン探索型デッキ構築ローグライト。

プレイヤーは、今作ではクロウラーと呼ばれる『ヴァンサバ』でお馴染みのキャラクターたちを選択してマップを選択。3Dダンジョン踏破を目指していく。

ミニマップを見つつ3Dダンジョンを移動し、燭台を壊してアイテムを獲得したり、瓦礫に埋もれた中から強力な効果のある何かを見つけたりして自らを強化しつつ、道中に待ち受ける敵と戦っていく。棺から新しいクロウラーを救出したりと、探索の自由度も高いのが特徴です。

戦闘は、手札のカードをプレイして行うターン制。カードになっているのは『ヴァンサバ』でおなじみの武器やアイテムたちで、カードそれぞれにコストがあり、行動力である『マナ』を消費して使用していく。

本作の最大の魅力は“コンボ”。カードをマナコストが0→1→2→3とステップアップさせるようにプレイするとコンボが繋がり、攻撃のカードならダメージが上がるし、バフ効果なら例えばマナ回復のカードだと回復量が大幅にアップする。とにかく効果がアップするというわけ。

このコンボが昨今のいわゆる“Slay the Spire”系のカードデッキビルダーとは大きく異なるポイントで、とにかくマナ消費順にコンボが続けばいいだけなので制約が少ない。カード同士のシナジーや、ビルドが早くに作れるかの運要素などよりも、とにかくコンボを繋げつついろんな効果のカードを回せるかが重要。

これは好みがわかれるところではあるが、本作はとにかくたくさんコンボをして、たくさんダメージを出して、たくさんバフ効果を得ることが最善策。カードデッキビルダー系のセオリーと言える“デッキ圧縮”も考えなくて良い。

誰だって本当は“強いカードを山盛りたくさんデッキに入れたい”はず。本作はそれでいい。

コンボが伸びればカードのエフェクトが派手になり、敵がすごい勢いで倒れていく。プレイ中は自然と「まず1……次にこの2で……こっちの3の方が良くて~……」とぶつぶつ言いながら操作してしまうこと間違いなしで、その間に派手なエフェクトと敵がプチプチ倒されていく効果音の気持ちよさをずっと浴びているし、その気持ちよさを続けるためにマナコストを数える集中力は高まっていく。

本作は“気持ちいい”がゲーム性の軸に置かれていて、プレイし始めやデモ版の範囲だとそれを実感しづらいですが、プレイが進むにつれて実感できるものになっている。

カードにはジェムを埋め込むスロットもあって、入手したジェムで攻撃力を2倍や3倍にしたり、カードを使うとそのカードのコピーがすぐ配られたりなど、「え、そんなことできちゃっていいんですか!?」と驚かされるものもチラホラ。

もちろんヴァンサバライクな“武器の進化”もありますし、追加のクロウラーを呼び出して強力なバフを得たり、アルカナという永続バフもあったりと、プレイすればするほどにいろいろな要素が出てきてプレイの幅と気持ちよさを広げてくれる。

さらに、中盤以降に入手性が高まってくる“ワイルドカード(W)”もあって、ワイルドはコンボのどのパーツにもなるしコンボカウントのリスタートにもなるという、コンボ継続の何でもあり的な存在。例えば、マナ消費が0→1→2→3→とカードを選んだあとにワイルドを使えば0→1→2→3→ワイルド→0→1→2とコンボがさらに伸びていく。

ワイルドを作り出すことができるようになれば、本作は新たな“コンボループ”のフェーズへ突入!
ワイルドでリセットしつつのコンボ途中に、カードを追加ドローするカードを入れれば、コンボしながらカードを補充し続けるというループが完成する。こうなればもはや敵は関係なくていかにコンボをし続けられるかという自分の世界へと入っていく。

ただ、ヴァンクロ側もそういうコンボループになっていくことは承知の上で、中盤以降は敵が“こちらの行動回数ごとに行動する”というターン制ではないルールで動いてくる。

敵の体力もコンボループを前提に増えていくし、さらに“コンボをやりすぎるとカードが割れて……”その先も想定されている。プレイヤーが驚くほどにダイナミックな本作だが、ダイナミックの先もあって奥深い。

デモ版をプレイしたときは、3Dダンジョンの移動にターン制のカードバトルという点で、正直なところ地味さを感じて「ヴァンサバ開発チームとは言ってもこれはちょっと微妙かな……?」と思ったものですが、製品版をプレイしたらその評価は一変。

コンボと派手さと敵がバシバシ倒れていく気持ちよさ、BGMに効果音などもテンションを高めてくれて、プレイするほどに「なるほど、これはヴァンサバだ!」と納得していくことに。

ローグライトのカードデッキビルダーと言えば3月にアーリーアクセスが開始された『Slay the Spire 2』を筆頭に、シビアで制限も厳しい削り合いを何とか勝っていくというものが多いですが、本作はそれらとは正反対。

自由に溜め込んだデッキでコンボを伸ばせるだけ伸ばし、敵をなぎ倒していく。爽快で、面倒くささやわずらわしさが排除されているゲームデザイン。“楽しい”を味わうローグライトになっている。プレイするほどに要素がアンロックされていく楽しさもヴァンサバ譲り。

ダークで湿度のある『Slay the Spire 2』系を“陰”とするならば、この『Vampire Crawlers』はエフェクトもサウンドも気持ちよくて爽快感を高めていく“陽”のゲームだ。

本質的な気持ちよさや爽快感の作り方が非常に上手く、まったく別ジャンルのゲームでありながら『ヴァンサバ』のあの気持ちよさを再現することに成功している。本作をプレイすると『ヴァンサバ』の開発チームはゲームを作るのが本当に上手いと思わされるばかりだ。

わかりやすくシンプルで爽快感重視なだけに、強いプレイがわかりやすすぎるというのが、ある意味では本作の懸念点。今後はDLCなりアップデートなりで、よりプレイのバリエーションやデッキを試行錯誤する方向などもモードも追加してもらえたら、さらに遊び込めるのではと感じるところ。

本作ならではの魅力がたっぷり味わえる上に価格も1,200円と非常に手頃。気になる人はぜひチェックしていただきたい。

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