マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.09 津森康男

  • 記事タイトル
    マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.09 津森康男
  • 公開日
    2019年12月06日
  • 記事番号
    2344
  • ライター
    IGCCメディア編集部

日本のアーケードゲームの礎を築いた重鎮やゲーム情報通でもあるゲームライターといった業界関係者が、個人的に好きだったアーケードゲームをランキング形式で選ぶ「マイ・ベスト・アーケードゲーム」。
第9回となる今回は、『ナイトストライカー』(1989年/タイトー)や『パズルボブル』(1994年/タイトー)のプログラマーとして活躍なさった津森康男氏の選ぶマイベスト・アーケードゲームをお届けします。プログラマー目線で選ばれたタイトルの数々は、今でも輝きを失わないものばかりです。
『ナイトストライカー』のインタビューは、こちらをどうぞ。
【前編】【中編】【後編】

津森 康男

1968年、島根県出身。パソコンゲームに熱中し、RPGなどを改造するようになってプログラミングに目覚める。高校卒業後、タイトーに入社。デビュー作である『トップランディング』でプログラマーを務めたのちに『ナイトストライカー』を手がける。その後も『パズルボブル』や『プリルラ』などを経て、株式会社マトリックスへ移籍。現在はパチスロの映像制御や『ωラビリンス ライフ』にプログラマーとして参加しつつ、趣味で始めたダンスが高じてCMやショートフィルム、プロスポーツの決勝戦のオープニングアクトに出演。

No.10『パズルボブル』(1994年/タイトー)

拙作ではありますが、バブルシューターというジャンルを切り開いた記念の作品。シンプルなゲーム性の中にも色々なこだわりが詰まっております。2019年に誕生25周年を迎えました。

NINTENDO SWITCH アケアカNEOGEO版にて撮影。
Ⓒ TAITO CORPORATION 1994 ALL RIGHTS RESERVED.
Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.

No.09『Q*BERT』(1982年/ゴットリーブ)

キャラクターが乗った床の色を変えていき全部指定の色に出来たらステージクリア。ステージによっては2回踏む必要があるとか、3回目で最初に戻る等かなり頭を使うゲームです

No.08『I’Robot』(1984年/アタリ)

アーケードゲーム初のフルポリゴンゲーム。迷路の色を塗り替えていき、全部塗り替えたらステージクリア。カメラアングルによってスコアのレートが変わるのが斬新でした。

No.07『QIX』(1981年/タイトー・アメリカ)

陣取りゲームの元祖。敵を倒すでもなく、全部色を塗り替えるでもなく、既定の%の陣地を取ればステージクリアのゲーム性は今なお秀逸だと思います。

No.06『ドラゴンズレア』(1983年/シネマトロニクス)

当時フルアニメーションは夢のまた夢の時代、LD(レーザーディスク)を使用した全編フルアニメは衝撃的でした。システムはシーン毎に正解が決まっているのでゲーム性は浅いですが、昨今QTE(クイック・タイム・イベント)として復活しているのも注目。

DIGITAL Leisure社 DVD版にて撮影。
Dragon’s Lair is a registered trademark of Bluth Group Ltd. Character Designs © 1983 Don Bluth. © 2019 Digital Leisure Inc. Used under exclusive license from Dragon’s Lair LLC.

No.05『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

当時としては非常に奇麗なグラフィック、巨大なボス、世界観全てが衝撃的でした。隠しキャラという存在を最初に作ったのも本作です。

ⒸBANDAI NAMCO Entertainment Inc.

No.04『ガントレット』(1985年/アタリ)

迷路脱出物ではありますが、4人同時に遊べて、途中参加も可能という画期的なシステムが目を引きます。協力して遊ぶとより楽しいってのはこのゲームですでに証明されていたんですね。

北米PS3版『Midway Arcade Origins 』にて撮影。
Ⓒ Warner Bros. Entertainment Inc.

No.03『ミサイルコマンド』(1980年/アタリ)

トラックボールを使用したゲームは多々ありますが、こちらはマクロスのピンポイントバリアを彷彿とさせるゲーム性。ミサイル到達時間を考えながら照準を合わせるのに最適な入力でした。敵を爆発に巻き込み誘爆させ、誘爆が誘爆を呼び込むのはナムコの『グロブダー』でも採用されてます。また、セガの『SDI』のディフェンスシーンでは、このゲームへのオマージュが見てとれます。最初は背景が真っ暗な画面ですが、かなり進むと青い背景になり、勝手に朝を迎えたって驚いていました(笑)。

北米NINTENDO SWITCH『Atari Flashback Classics』にて撮影。
Ⓒ Warner Bros. Entertainment Inc.

No.02『スターウォーズ』(1983年/アタリ)

「STAR WARS(エピソード4)」の映画を題材にしたゲームです。ベクタースキャンモニターという線しか表示できないモニター(当時のAtariはよく使っていました)を使用したゲームです。宇宙空間でタイファイターと戦い、デススターの地表を進み、換気ダクトに魚雷を打ち込みデススターを破壊するまでが1ステージです。ゲーム中「Use the Force」の音声も入り気分はルーク。世界観を完全再現したゲームでした。ちなみに『ナイトストライカー』(タイトー)のトンネルステージは本作へのオマージュです。

No.01『マーブルマッドネス』(1984年/アタリ)

簡単に説明すると、時間内にボールをゴール地点まで転がすゲーム。注目なのは途中途中にある仕掛けの数々とそれにはまったときのボールのリアクション。高いところから落ちて粉々になったと思ったら箒と塵取りで片付けられるとか、ハンマーで殴られてボールの周りを星が回るとか、今では普通な感じですが1984年のゲームとしては驚異的なリアクションの数々でした。トラックボールでの操作になりますが、加速、減速の操作感がまた絶妙で、ボールを転がすだけで楽しいゲームでした。

北米PS3版『Midway Arcade Origins 』にて撮影。
Ⓒ Warner Bros. Entertainment Inc.

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