『カプコンアーケードスタジアム』オールカタログ 中編
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まさにカプコンのお家芸! 不朽の名作ベルトスクロールアクション、対戦格闘ゲームが次々と登場
カプコン往年の名作アーケードゲーム32タイトルが遊べる、Nintendo Switch版『カプコンアーケードスタジアム』の応援企画。中編の今回は、1989~1992年までに発売された10タイトルをピックアップし、そのおもしろさの秘密や、お役立ち情報、発売当時のプレイヤー事情などをご紹介していきましょう。
『ストライダー飛竜』
忍者を前身とする暗殺集団「ストライダーズ」の一員である主人公、飛竜を操作して、サイファー(太刀)で敵を倒していくアクションゲーム。1周全5ステージで、旧ソ連やアマゾン、浮遊戦艦などが戦いの舞台となります。
本作で特に注目していただきたいポイントは、小生もひと目で気に入った、飛竜の華麗でアクロバティックなアクションの数々ですね。操作は8方向レバーと攻撃、ジャンプの2ボタンを使用。攻撃ボタンを押すと飛竜がサイファーを水平に振るのですが、そのモーションとサイファーの描く軌跡がとにかくカッコイイ! サイファーはアイテムを取ると射程が長くなり、攻撃力も気持ち良さもさらにアップします。
レバーを下に入れながらジャンプボタンを押すと、飛竜はスライディングと同時にキックを放ち、耐久力の低いザコ敵なら一撃で倒すことができます(※スライディング中にサイファーを振ることもできます)。スライディング中は飛竜の体勢が低くなるので、これを利用して障害物をかわすことも可能で、なおかつ歩くよりも素早く左右に移動できるメリットもあります。
忍者がルーツということもあって、飛竜は天井にぶら下がったり、壁に張り付きながら移動したり、左右の壁を連続で蹴りながらジャンプして高い所まで登ることもお手の物。また、下り坂を進むと飛竜はどんどん加速し、スピードに乗った状態でジャンプすると通常よりもはるかに高く、遠くに跳べるロングジャンプも可能。ロングジャンプ中に、飛竜が空中で側転するパフォーマンスもこれまたカッコイイ!
『天地を喰らう』
『三国志』を題材にした、本宮ひろし原作のマンガをベルトスクロールアクションゲームにした作品。劉備、関羽、張飛、趙雲の4人の中から、好きな武将を1人選んでプレイします。2人同時プレイで遊ぶこともできます。
武力と知力は武将によってそれぞれ異なり、武力が特に高い関羽は攻撃力に、知力が高い劉備は体力が多くて必殺技が出しやすい特徴を持っています。また、各武将は馬に常時乗った状態で戦うのも当時としては斬新で、一定の体力を消費する代わりに強力な攻撃を繰り出す策略(特殊攻撃)も、使った場所によって火計、伏兵、爆裂の計、落石の計のいずれかに自動で変化する演出も秀逸でした。
小生は本作の発売当時、原作のマンガをまったく読んだことがありませんでしたが、その知識がなくても問題なく楽しむことができました。馬上から敵を蹴散らしたり、流星剣(連打攻撃)や真空剣(ため攻撃)を繰り出すと「オーリャー!」などという勇ましい声を発して、お気に入りの武将たちが技を繰り出すのも実に気持ち良かったですね。
そうそう、実は本作のエンディング画面では、なんと次回作の発売を予告するシーンが登場します。とりわけアーケードゲームにおいては、今も昔も非常に珍しい必見の演出です。
『ファイナルファイト』
カプコンを、もとい歴代すべてのベルトスクロールアクションゲームの中でも、最高峰の傑作であると言っても過言ではないでしょう。
小生がまず衝撃を受けたのが、敵も味方もキャラクターのサイズが大きく、迫力があってとにかくカッコよかったこと。主人公キャラはガイ、コーディ、ハガーの3人から選べて、1人でも2人同時プレイで遊んでもとにかくおもしろい! スラム街、地下鉄、バーや工場など、薄暗くていかにも悪者たちが潜んでいそうなビジュアルの美しさも秀逸でした。
本作の素晴らしさは、レバーと攻撃、ジャンプボタンの組み合わせによってパンチ、キック以外にも投げやつかみ技が使えたり、ピンチのときには一定量のライフを消費することで、周囲の敵を蹴散らす必殺技を放つなど、多彩な技を繰り出せるところにあります。マップ上に隠されているものや、敵が持つナイフやパイプなどの武器を奪って攻撃することもできます。
ガイとコーディは、ボタンを連打すると高速で連続パンチを放ち、さらに前者は壁を利用した三角跳びを、後者はナイフを拾うと敵を突き刺す攻撃ができる特技を持っています。一方、プロレスラーのような巨体を誇るハガーは、ジャンピングパイルドライバーなどの豪快な技が使えるのも大きな魅力で、敵に攻撃が当たると鳴り響くビシッ、バシッというヒット音も実に快感でした(ハガーで1コインクリアを目指すのはタイヘンなのですが……)。
小生が初めて本作を遊んだのは中学生の頃だったでしょうか。2面の地下鉄ステージの終盤で何度も敵に囲まれてやられてしまったり、やっとの思いで地下から抜け出せたと思ったら、突然プロレスのリングに舞台が変わり、ボスキャラのソドムに瞬殺されたりして、慣れるまでかなり苦戦した思い出があります。
昔から、コアなプレイヤー間では「カプコンのベルトスクロールアクションゲームは、2面のボスがメチャクチャ強い」と、よく言われていたように思いますが、その伝統はすでに本作からあったわけですね。これも「3分間で100円」という、古くからのアーケードゲーム業界の伝統、あるいは開発のお作法を今日に伝える、ひとつのカルチャーと言えるのではないでしょうか?
『1941 -Counter Attack-』
1990年に発売された、『1942』と『1943 -ミッドウェイ海戦-』『1943改』に続くシリーズ第4弾。過去のシリーズ作品からビジュアルが一新され、小生も本作を初めて見たときは、「以前よりもキャラクターのデザインがすごくリアルになってる! スクロールのスピードも速くなってるし、サウンドもハードロックみたいだ!」と驚いた記憶があります。
2人同時プレイも可能で、1P側の自機は過去のシリーズと同じP-38ですが、2P側の自機にはモスキートがシリーズ初登場。こちらはP-38よりも攻撃力が高い(※P-38のショットは2連射で、モスキートは3連射)といった特徴を持っています。基本操作は『1943~ミッドウェイ海戦~』と同じで、8方向レバーとショット、メガクラッシュの2個のボタンを使用。ただし、メガクラッシュを使用するとライフが1ゲージ分減りますので、無闇やたらには使えません。
ショットはセミオートで発射されるようになり、さらにアイテムを取ることでマシンガン、ミサイル、スーパーシェルの3種類の武器が装備されます。また、ショットボタンを一定時間押しっ放しにしてから離すと、強力な波動砲を撃つこともできます。本シリーズではおなじみの補助翼(サイドファイター)に加え、自機と同じ攻撃力を持つ分身が2機分出現する、超強力なパワーアップのアフターイメージも新登場。壁があるステージでは、自機が壁にぶつかると横回転し、これを利用して回転中にショットを撃つとナナメや横にも攻撃できる、ユニークなアイデアも導入されていました。
各ステージをクリア後、成績に応じて階級がアップし、階級が高くなるほど敵を倒したときの得点がアップする「階級システム」を導入したのも、本作のおもしろいところですね!
『戦場の狼Ⅱ』
『戦場の狼』の続編となるアクションシューティングゲームで、最大3人まで同時プレイが可能。本作の発売当時、3人が横並びで一緒に遊べる専用のアップライト筐体を最初に見たときは、そのデザインの珍しさにとても驚いた記憶がありますね。
主人公は通常ショット以外にも、3WAYや火炎放射器、グレネードランチャーが新たに使えるようになりました。他にも、カプコン作品では多くのタイトルに登場する、画面内の敵や敵弾を一掃し、緊急回避にも使える強力な攻撃、メガクラッシュも導入されています。なお、メガクラッシュは使用回数に制限がありますが、アイテムを取ることで補充することが可能です。
ジープや戦車、水上艇など、敵の乗り物を奪って乗り込んだり、敵の戦艦に装備された機銃などを奪い取れるアイデアも、なかなかどうしておもしろかったですね。敵・味方を問わず、ショット発射時などのアニメーションが細かく描き込まれ、武器を炸裂させたり敵機が爆発したときの演出も、前作とは比較にならないほど派手になっているのも大きな見どころですよ。
『チキチキボーイズ』
主人公である双子の王子を操作して、剣と魔法を駆使して敵を倒していくアクションゲーム。2人同時プレイも可能です(※兄が1P、弟が2P)。
本作を見たときの第一印象は、「これって本当にカプコンのゲームなの?」でした。それまでのカプコン作品は、『魔界村』シリーズのようなグロテスクな世界観、あるいは『ファイナルファイト』のように人間をリアルに描いたものが多いイメージがあったので、本作のように2頭身のコミカルな主人公が登場する作品は、あまりにも異色に思えたからです。敵キャラのデザインも実にユニークで、ラスボスのロエピー大魔王も含め、見ただけで思わず笑ってしまうユニークな敵がたくさん登場します。
操作方法もかなり凝っています。本作は8方向レバーと、剣、ジャンプ、魔法の3ボタンを使用し、剣ボタンを1回押すと正面に向かって剣を振りますが、ボタンを連打すると通常の2倍の威力がある「会心の一撃」、または振るスピードが増す攻撃に変化します。マジックはボム、タイフーンなどの種類があり、使用すると主人公が一定時間だけ無敵になるメリットもあります。
また、レバーを上に入れながらジャンプすると大ジャンプ、下に入れながらだと小ジャンプになり、壁を蹴ってジャンプする三角跳びも可能。さらに2人同時プレイ時は、2人が重なりながら剣を振ると、より強力な攻撃を繰り出すこともできるようになっています。
空中の敵に強いF-14、対地攻撃に優れるA-6、対空・対地バランス型のF-18の中から1機を選んで操作し、全10ステージを戦い抜く横スクロールシューティングゲーム。2人同時プレイにも対応しています。
自機の操作は8方向レバーと、メイン、サブ2種類のショットボタンを使用します。自機は敵や敵弾に当たるとFUEL(燃料)が減り、ゼロになると撃墜されてゲームオーバーとなります。また、メインショットは特定の敵を倒すと出現するアイテムを取ることで、どんどんパワーアップしていきます。
各ステージのスタート時に所持金を使って、ミサイル、ボムなどのサブウェポンや、シールド、燃料タンクを購入し、プレイヤーが自機の装備を自由にカスタマイズできるのが本作の最もユニークなところ。お金は敵を倒すか、またはステージクリア後の報酬を得ることができます。自機のデザインのカッコよさだけでなく、敵機も飛行機やヘリ、戦車、さらには軍艦やラスボスのスペースシャトルプランなどなど、1面から最終面まで徹頭徹尾メカ尽くしなのも本作ならではの魅力でしょう。
なお、余談になりますが、本作はある操作をするとお金を払わずに武器を装備したり、より高価な武器が手に入る裏技がありました。小生は、本作を初めてプレイしたのは発売してからしばらく後だったこともあり、この裏技の存在をまったく知りませんでした。後年、何かのきっかけでこれを知ったときは、「よくこんな裏技を発見したなあ……」と絶句した思い出があります。
『ストリートファイターII -The World Warrior-』
1991年に『ストリートファイター』の続編として登場した対戦格闘ゲーム。前作は押す強さによって攻撃力が変わる、圧力センサー付きボタンを搭載した専用筐体を使用していましたが、本作は8方向レバーとパンチおよびキックにそれぞれ弱・中・強の強さを持たせた6ボタン操作になりました(※後に、圧力センサーボタンを使わないタイプの『ストリートファイター』も発売されました)。本作が90年代のゲームセンターを席巻した、対戦格闘ゲームブームの火付け役となったことは、もはや説明は不要でしょう。
小生が本作を見た第一印象は、「キャラクターのサイズがとにかくデカイ、カッコイイ! 『ファイナルファイト』よりもスゴいぞコレ!!」でした。「あんなに大きなキャラクターが、まるでアニメ番組を見ているかのように滑らかに動くとは!」という驚きに加え、キャラクターごとにまったく異なるプレイスタイル(リュウ、ケンは同じですが)を持ち、とても覚え切れないほどの多彩な技を持ち、なおかつ必殺技を繰り出すたびにセリフをしゃべるなど、あらゆる面で衝撃を受けました。
で、いざ遊んでみたら必殺技が全然出ない! インストカードや、負けたときに表示されるコマンドを入力したつもりでも、当時としては複雑だった、レバーとボタン入力の組み合わせをマスターするのはタイヘンでした。特にリュウ、ケンの昇龍拳と、ザンギエフのスクリューパイルドライバーはすごく難しかったですね……。
発売された当初は、おそらく誰もがCPU戦をメインに遊んでいたと思います。ですが、やがて各地のゲームセンターで「対戦OK」「乱入できます」などと書かれた筐体、および2人対戦を楽しむプレイヤーが徐々に増えていき、「以前とはゲーセンの客層、雰囲気が随分変わったなあ……」という印象を受けました。
プレイヤーが2台の筐体に分かれて対戦できる、いわゆる「通信対戦筐体」のオペレーションが編み出され、気軽に乱入対戦が楽しめるきっかけとなったことも、ビデオゲームの歴史においては特筆すべき出来事でした。
『キャプテンコマンドー』
最大4人まで同時プレイができるベルトスクロールアクションゲームで、アメコミを彷彿とさせる世界観が特徴です。
本作に登場するプレイヤーキャラクターは全部で4人。リーダーのキャプテンコマンドー(※カプコンUSAのイメージキャラクターですね!)、ジェネティー(マミーコマンドー)、翔(ニンジャコマンドー)、ロボットに乗ったまま戦う天才赤ん坊のフーバー(ベビーコマンドー)の中から1人を選んでプレイします。
操作は8方向レバーと攻撃、ジャンプの2ボタンを使用し、ボタンを2個同時に押すとキャラごとに異なる種類のメガクラッシュ(必殺技)を繰り出すことができます。また本作では、ダッシュは左右だけでなく上下方向にも出せて、なおかつダッシュ中でも向きを変えられるのが大きな特徴です。これを利用して、相手の背後に素早く回り込んで攻撃するのが楽しいだけでなく、ダッシュジャンプ攻撃がいろいろな敵に対して非常に有効だった印象もありますね。
あくまで小生の印象ですが、ボスキャラはどのステージでも非常に強く、けっして簡単なゲームではありません。ですが、ダッシュおよびダッシュから攻撃を仕掛ける機会が多く、『ファイナルファイト』とはまた違ったスピーディーな戦いが楽しめるところに、本作の大きな魅力があると言えるでしょう。で、実は小生、本作に出会ったのは発売から数年経った後だったこともあり、一度も4人同時プレイで遊んだことがないんですよ……。4人で遊ぶとメチャクチャおもしろいらしいので、この機会にぜひともチャレンジしたいところですね!
『バース -OPERATION THUNDER STORM-』
8方向レバーとショット、ボンバーボタンで自機を操作する縦スクロールシューティングゲーム。2人同時プレイも遊べます。
基本操作や、アイテムを取るとメインショットがパワーアップ(※ワイド、バルカン、レーザーの全3種類があります)するシステムについては、過去にいくつも類例のある至ってオーソドックスなもの。ですが、本作には敵の攻撃から身を守る効果を持つ、その名もポッドが使えるアイデアを導入したのが独創的かつ画期的でした。
ポッドはゲーム開始時に、敵弾に自動で反応する「ファジー」と、前方に固定する「フロント」のどちらかのタイプを選択することが可能で、「H」「M」「N」のいずれかのアイテムを取ると装着されます。さらにポッドを装着すると、「H」はホーミング、「M」はミサイル、「N」はナパームのサブウェポンも発射できるようになります。
ボンバーのストックが2個以下になると回復ゲージが表示され、ゲージ満タンになるとボムが1個補充されるのもプレイヤーにとっては実にありがたいアイデア。また、ゲージはレバーを回転させることで回復速度がアップするのも、実にユニークなアイデアでした。1周全30ステージもあるので、ボリューム感も文句ナシ。小生は学生時代、1コインクリアができずに悔いが残っていたので、ポッドで敵弾を消す快感を楽しみつつ、この機会にぜひ再チャレンジしたいと思います!
次回「後編」へと続きます。
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