ゲーム・エンタメの最新の話題を伝えるぞ!
山村智美の『未来ゲーム Travelers』
目次
今年の3月末は、いろんなものが終わりましたね。
ニンテンドー3DSとWiiUのストアが終了。
1997年から続いていたアニメ「ポケットモンスター」ではサトシとピカチュウの物語が完結。
ソーシャルゲーム版『アイドルマスター シンデレラガールズ』サービス終了。
映像配信サービス「GYAO」が終了。
さらに約40年続いたバラエティ番組「タモリ倶楽部」も最終回を迎えました。
いろんなものが立て続けに終わってしまって、ちょっと寂しいですね。
でも、終わりがあれば、新しく始まるものもあります。
いろんなことが始まるシーズン、4月ですよ。
そんな4月だけに、今月は注目のゲームもイベントもニュースもさらにナイスな映像作品まで、盛りだくさん。
良い作品を逃さず味わって、心の栄養素をたっぷり接種していきましょう。
では、今月の曲~。
まずは、『スプラトゥーン3』より公開された、春らしさ満点のミュージックビデオを2つ。『スプラトゥーン』はキャラクターと楽曲の魅せかたが本当にうまいですよね。“音楽を観て楽しむ”という、今の時代のスタイルとうまく融合しているなと思います。
もう1曲。アニメ「ポケットモンスター」の主題歌といえば、やっぱりこれ。サトシの声優を務める松本梨香さんが一発撮りパフォーマンスの「THE FIRST TAKE」に登場して披露したオープニングテーマ「めざせポケモンマスター -with my friends-」です。
最後に。追悼の想いを込めて急遽もう1曲、坂本龍一氏のこちらを追加させていただきます。
ご冥福をお祈りいたします。
『バイオハザード RE:4』は期待に応えまくりなリメイクの優等生
バイオハザードシリーズをリメイクする『REシリーズ』の3作目になる『バイオハザード RE:4』が3月24日についに発売となりました。
原作の『バイオハザード4』は2005年発売。
『バイオハザード4』はシリーズ作品の中でも、画面構成をそれまでの固定カメラスタイルから、当時としては斬新だったプレイヤーを背面から見て操作するTPSに変更して大きなマイルストーンとなったシリーズ屈指の人気を誇る名作。
そんな名作をどのようにリメイクするのか?
この春一番の注目作といってもいい『バイオハザード RE:4』ですし、ボクも発売日からがっつりプレイしたのですが……、
これがもう、ものすごく出来が良いんですよ。
“今どきのよく出来ているゲームというのはこういうものです”と言わんばかりの優等生っぷり。
グラフィックスの刷新が何より効いているのはもちろんですが、REシリーズとして、ゲームのテイストをほのかに調整しているんですよね。
原作よりもホラーテイストが高まっていて、静かさや暗がりの怖さをかもしだしているシーンが強調されています。
それに、原作よりも難易度が少し高めになっていますね。
標準と言える難易度のスタンダードでも、ちょっと弾が足りなくなりがち。だけど、がんばればギリギリで何とか切り抜けられる。そんなシリーズの原点とも言えるヒリヒリ感が味わえる良いバランスの調整がなされています。
もともとゲーム全体のボリュームもがっしりとしている4だけに、この調整がされた『バイオハザード RE:4』は、さらにボリューミーに感じられるところがあって、遊びごたえ満点、プレイヤーの満足度をがっつり高めます。
周回プレイにおいても、かなりやりこみによる新発見が多くて、「え、あの場面はそんな方法でやり過ごせちゃうの!?」という驚きとおもしろみが満載。
よくできているゲームですよ。
今年は1月にもSFサバイバルホラーの名作『Dead Space』のリメイクが発売されましたが、『バイオハザード RE:4』は、それを上回る“ベスト・オブ・優秀リメイク 2023”っていう感じです。
ただ、気になるところもちょっとあって、
チャームというゲーム内で手に入るコインで獲得するアクセサリのガチャが、複数持っていても意味がないのに重複する仕様なので、ちょっとプレイヤー心理的に辛いところがあったり。
とはいえ、多少気になるところをを差し引いても、多くの人にとって満足が上回ることと思います。
バイオハザードシリーズといえば近年では、ユニークなPVで発売を盛り上げてくるところも注目ですが、今作でも「世界名作劇場」で知られる「日本アニメーション」制作のアニメPVを公開。ペラペラソースをはじめとしたバイオ4空耳あるあるから、カプコンのヘリをいじってくるサービスっぷり。
なお、シリーズお馴染みのエクストラゲーム『ザ・マーセナリーズ』が遊べるようになるDLCも無料で4月7日より配信されています。
というわけで、年度末で忙しかったという人、原作は未プレイで迷っているという人、ちょっと様子見していたという人、いずれの人にもプレイをオススメしていきたい1本です。
墨田区ホラーアドベンチャー『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』がかなりおもしろい
今年は、大注目の大作が発売される中で、ベセスダの『Hi-Fi RUSH』のように伏兵とも言える新規の良作が出てきて驚かされる年かもしれないですねー。
というわけで、3月9日に発売されたスクウェア・エニックスの新規タイトル『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。
Nintendo Switch/Steam/iOS/Androidでリリースされているホラーミステリーアドベンチャーゲームで、価格は1,980円とかなりお手頃。
これもまた、驚きのおもしろさ。
アドベンチャーゲーム好きなら全員プレイおすすめ級の逸品。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、昭和後期の日本、東京都は墨田区が舞台。実在する怪談「本所七不思議」に隠された《蘇りの秘術》を巡って、様々な登場人物がそれぞれの想いをぶつけ合う群像ミステリー。
いわゆるテキストベースなコマンド選択型アドベンチャーゲームで、登場人物たちが同時刻にどんな行動をしていたのか? ストーリーチャートからそれぞれの物語を選択して読み進めていくスタイル。
「え、そういうこと?」と思わず声が出るようなギミックもあれば、想像を掻き立てられる上手い伏線やキーワードの置きかた、独特なビジュアルと、引き込み力が高めなシナリオと、しっかりとしたハイクオリティです。
実は“ホラーゲーム夜中にプレイできないマン”なボクですが、プレイ中に何度か「うわぁ、びっくりした!」と声を出しぐらいビクビクしながらも、物語の先が気になる気持ちに後押しされて、夜な夜なプレイしていました。
何しろ1,980円とお手頃価格なので手が出しやすいですよね。
ボクも当初は事前情報をほとんど入れずに「この価格ならまぁいいや」と気軽に購入したのですが、最初の1時間をプレイしたあたりには、もう「おい、このゲーム、おもしろいぞ……!」と、興奮してました。
何といってもアドベンチャーゲームですので、驚きポイントを失わないようネタバレなし実況動画とかをみるにしても購入判断のために様子をみる程度にして、自分の手でプレイしてみてもらいたいところ。
春の夜に、じっくりプレイするのにいい感じの1本ですよ。
Apple TV+ オリジナル映画「テトリス」がゲームファン必見なおもしろさ!
世界中の誰もが知るパズルゲームの名作『テトリス』。
ですが、『テトリス』は1980年頃のリリース時にいろいろと大変だったのも、長くゲームファンをしている人には良く知られるところ。
そんな『テトリス』の権利を巡る逸話がApple TV+オリジナル映画に。
映画「テトリス」が3月31日より配信開始となりました。
Apple TV+ オリジナル映画「テトリス」視聴ページ
https://tv.apple.com/jp/movie/tetris/umc.cmc.4evmgcam356pzgxs2l7a18d7b
今40代ぐらいの人だと、子供の頃にゲームボーイで『テトリス』を死ぬほど遊んで、毎日のようにスペースシャトルを打ち上げていたという思い出がある人もいるかと思います。
というかボクのことですが。
映画「テトリス」はそんな『テトリス』の販売権利を獲得すべく、当時のソビエト連邦に自ら乗り込んだヘンク・ロジャース氏の“事実をベースにしたフィクション”の物語。
ゲーム会社BPSの社長ヘンク・ロジャース氏が、ある年の家電見本市CESにて出会ったソ連製のパズルゲーム『テトリス』に惚れ込み、その人生を賭けて、当時の任天堂の社長である山内溥氏や、ニンテンドーオブアメリカ社長の荒川實氏らとゲームボーイ版『テトリス』の発売を交渉。
そして、崩壊が迫るソ連の特異な怖さ、そんな国に翻弄される『テトリス』の生みの親アレクセイ・パジトノフ氏との出会いや交流も、心情豊かに描かれています。
こうして紹介すると、お固くて重い話っぽいですが、まぁある意味で動いているお金の額とか重みのある話ではあるんですが、
こちらは映画としてあくまで事実をベースにしたフィクション。ところどころわかりやすく演出していますし、あくまでエンタメ作品として楽しめるものになっています。
ゲームボーイの『テトリス』を楽しんだことがある人、『テトリス』の権利にまつわるエピソードを知るゲーム好きの人は、見終わったあとにはこみあげるものがありますし、
それらを知らない人でも、多額のお金が動くであろう傑作ゲームのビジネス、特に世界的に知られる『テトリス』の誕生にこういう側面があったのかと、いろいろと新鮮なことと思いますヨ。
Apple TV+は、7日間の無料トライアルありで1か月間900円のサブスクサービスです。「テトリス」だけでなくいろいろと楽しめますよ。
ゲーム見本市「E3 2023」が中止に。ただし各メーカーの配信や「Summer Game Fest」は6月に
世界最大のゲームの見本市であり、最新のゲームのアピールの場として長く定着していた「E3」ですが、今年の開催が中止されることが発表されました。
……CESの見本市から始まる『テトリス』の物語が映画となって公開されたのと同じ日の3月31日に、世界最大のゲームの見本市である「E3 2023」の開催中止が発表されるというのは、何て数奇な運命なんだろうと思わずにはいられないですね……。
ちなみにE3あるあるなんですが、
E3はコンベンションセンターの会場に各ゲームメーカーや周辺機器メーカーなどがブースを出展している会場展示のイベントであって、その開幕直前に行われていた新作発表のカンファレンスはE3ではないです。E3の開催に合わせて行われていただけです。
今回中止になったのは展示のE3本体のことであって、6月に各メーカーが発表を行うのは慣例的に今年もあるようですヨ。
6月11日には、マイクロソフトが「Xbox Games Showcase」を配信し、そのあとに9月6日に発売予定が決定したベセスダの新作RPG『Starfield』の詳細を伝える『Starfield Direct』を配信するということです。
ゲーム開発会社CD PROJEKT REDは、『サイバーパンク2077』の拡張パック「仮初めの自由」の最新情報公開を6月に予定しているとのこと。
また、ゲームジャーナリストのジェフ・キーリー(Geoff Keighley)氏がホストを務めるゲームの最新情報を伝えるオンラインイベント「Summer Game Fest」は6月8日に配信されるとのこと。
25を超えるパブリッシャー、プラットフォーム、および開発者からのイベント、発表、最新情報を伝えるとのことです。
E3は正式に開催中止となりましたが、最新情報を伝えるというカンファレンス要素は『Summer Game Fest』や各メーカー独自のオンライン配信がありますので、楽しみにしたいところですね。
「EVO JAPAN 2023」が“ゲームプレイのライブハウス状態なでっかいゲーセン”みたいだった
格闘ゲーム最大の祭典「EVO」の日本版となる「EVO JAPAN 2023」が、3月31日~4月2日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されました。
EVOはコロナ禍にはオンラインでの大会開催を目指すも、2020年はCEOの事件による完全中止が、2021年にはソニー・インタラクティブエンタテインメントがRTS社と共同買収されるなど、この数年にはいろいろな紆余曲折、激動がありました。
ともあれ、久しぶりの大型なゲームイベント。日本でのEVO JAPANは2年ぶり。
ボクも2日目に現地に行ってみたのですが、会場はとても盛り上がってましたねー。
メインタイトルのトーナメントの結果や試合の模様は、各種ゲームメディアの記事や、下の公式チャンネルの配信アーカイブにお任せして、ここでは会場の様子や出展、魅力について書きましょう。
EVOは大会であると同時に、まさしくお祭りなんですよね。
各メインタイトルの試合が次々に進められている一方で、
本家EVO同様に、メインタイトル以外の様々なゲームの大会をその場で行うサイドトーナメントも開催されています。
都心部ですと、ゲームセンターのミカドでいろいろなゲームの大会などが定期的に行われていますけど、地方の人や、さらには海外の人も、まとめて集まる機会というとなかなかないですし、
こっちを見れば『スパ2X』が、あちらを見れば『ジャスティス学園』が、そちらを見ると『北斗の拳』が盛り上がっている、なんていう同時開催で世界中の猛者が集結しているという光景をまとめて観られるのはEVOならでは。
その様子は、例えるならば“めちゃくちゃ盛り上がっているでっかいゲーセン”。
全国レベルどころか世界レベルの実力者まで集まって、筐体なりゲーム機を囲って、みんなで一緒に楽しんでいる。プレイヤー同士の同窓会の空気。
ゲーセン特有のゲームプレイのライブハウス状態のすごいでっかい版。
海外の人もたくさんきているよ版。
『EVO JAPAN 2023』。
そんなお祭り的で、良い笑顔だらけな光景が広がっていました。
会場には企業ブースもありますし、格ゲーの祭典ですので、三和電子さんをはじめとしたアーケードコントローラーのパーツメーカーさんもがっつり出展しているわけです。だって、来場者がみんなアケコンに興味がある人だからね!
歴代のアケコンの展示も。懐かしの製品もたくさん見られました。
当然ですが、最新タイトルや最新技術の展示もたくさん。
ソニーの空間再現ディスプレイでプレイできるオリジナルの格闘ゲームや、モバイルモーションキャプチャー「mocopi(モコピ)」を装着して、全身の動きでプレイするゲームのデモなどもありました。
全国的なゲームセンターの数は残念ながら減少の一途を辿ってはいるのですが、やっぱり、集まって一緒に楽しむというアナログでライブな楽しみの場というのは、オンラインでは代わりがきかないまた違う魅力があるものだと思うんですよね。
来年もEVO JAPANが開催されたときには、ぜひ現地へいってみてはいかがでしょうか。楽しいですよー。
4月は新作ゲームは少なめだけど映画「スーパーマリオ」が公開! そして5月は新作『ゼルダ』!
最後に、4月の新作ゲームですが年度末の3月を越えた直後なこともあってか、いわゆる大型タイトルは少なめ。ここ最近の中ではかなりおとなしめな月ですね。
とはいえ、個性派なタイトルも当然ありますので、その中から注目度の高いものをピックアップしてみました。以下のものになります。
・『Atomic Heart』
[PS5] [PS4]
・『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』
[PS4] [Nintendo Switch][Steam]
・『Minecraft Legends』
[PS5] [PS4][Xbox Series X/S] [Nintendo Switch][Xbox Game Pass][PC Game Pass][Windows][Steam]
・『コーヒートーク エピソード2:ハイビスカス&バタフライ』
[PS4] [Nintendo Switch][Steam]
・『スター・ウォーズ ジェダイ:サバイバー』
[PS5] [Xbox Series X/S][Steam]
・『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』
[Nintendo Switch] [PS4][Steam]
また、渋谷を中心に東京が再現されたマップを舞台に、霊的な存在や妖怪と戦う『Ghostwire: Tokyo』は、新エリアなどを追加する大型アップデート『蜘蛛の糸』を4月12日に配信。Xbox Series X|S版の発売と同時に、Xbox Game PassとPC Game Passにも入るので、未プレイの人はこの機会に要チェックですよ。
映像作品では、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が4月28日に公開!
ちなみに、マリオの声を演じるクリス・プラットは、この映画のポストクレジットシーンに“何かがある”と語っているそうで、最後まで目が離せないようですよ。
そして、来月はもう5月でゴールデンウィークです。
そのゴールデンウィークが終わったら、ついに!
Nintendo Switch『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が5月12日に発売!
もう食い入るように観た人がほとんどだとは思いますが、
プロデューサーの青沼英二さんが『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をプレイする最新映像が公開されていますので、こちらを見つつ、発売を待ちましょう。