餅月あんこのゲーセンに行きたい!

  • 記事タイトル
    餅月あんこのゲーセンに行きたい!
  • 公開日
    2023年07月07日
  • 記事番号
    9829
  • ライター
    餅月あんこ

第66回 イザベラ永野さんのゲームの話を聞きたい!(後編)

前回に引き続き、コンシューマーゲームをメインに扱う「ファミコン通信」(現:週刊ファミ通)で、長年、編集者を務めて、現在はフリーランスのイザベラ永野さんに、アーケードゲームのお話を聞かせていただきました

編集部にバーチャの筐体、ありました

イザベラ永野(以下、イザベラ):私は格闘ゲームが本当にヘタで。昔、編集部に『バーチャファイター』の筐体があったから、たまに遊んだけど。

―― ああ、そういえばあった! 格ゲーブームが来ましたね。

イザベラ:私はそこには全然乗っかってなくて。当時、女性もけっこうハマってましたよね。

―― ファミ通編集部だとササキMk.IIさんとか、かなり強かったよね。

イザベラ:そうそう。街にもいっぱい格ゲーの女性プレイヤーいたんだよね?

―― この間『EVO Japan 2023』にバーチャファイターeスポーツ部門があって、弟子サラさんとか出てたんだけど、女子チームもかなり健闘してましたよ。

イザベラ:そうなんだね!

―― たとえばゲーメスト編集部とかだと編集者さんライターさん全員バリバリアーケードゲームプレイしてるイメージだけど、90年代前半くらいまでのファミ通って、女性スタッフは主にRPGとかの記事を書いてるっていう印象だった。アクションとかシューティングとかレースゲーとか、一刻一秒を争うゲームは主に男性スタッフがやってて。

イザベラ:そういう傾向はあったかも。でも、若い子は女性も格闘ゲームをプレイしてたよ。ゲームがファッションとしてかっこいいみたいな風潮になってきたのはこの頃だよね。ファミ通でも格ゲーの攻略本も出したけど、判型を大きくしてデザインもすごくこだわってた。『鉄拳』の攻略本は大友克洋先生に題字を書いていただいてました。

―― それ、すごいね~!! 『バーチャファイター2マニアックス』も松本弦人さんがデザインだったしね……バブリー……。

イザベラ:そうそう! 装丁も中のデザインやレイアウトもセンスが高い感じでね。ファミ通がよく使ってた子ども向けの文体も使わなくて、全体的に大人っぽい感じでした。

―― なるほどー。今も多くの人に愛されてるけど、当時の格ゲーブームの勢いはすごかったよね。今はホントに人それぞれ好きなジャンルを楽しんでるって感じだよね。ゲーセンではクレーンゲームがすごい人気なんだよね。

イザベラ:クレーンゲームは常に人気ありますね。ショッピングモールなんかは、アクション系のゲームを置かずにプライズを取るゲームしかないお店もある。ぬいぐるみやおもちゃや、すごく大きいお菓子とか。

―― あるねえ。

イザベラ:今は女性がホントにゲーセンに行きやすくなったよね。セブンティーンアイスが置いてあるしねっ。

―― それ、昔から!

最新のダンスゲームにも興味はあります

―― 前に、『DANCERUSH』をやりたいって言ってたけど……。

イザベラ:無理だよ! あんな注目を集めるゲーム無理だよ! 1ステップも成功する気がしない。

―― やるって言ってたのに(笑)。コソ練しようよ! あとは今、気になるゲームはありますか?

イザベラ:『maimai』(※現在稼働中なのは『maimai でらっくす FESTIVAL PLUS』)とかかな。可愛いし。洗濯機みたいだし。

―― いいじゃないですか、手袋して。

イザベラ:そういえば『アイスクライマー』ってアーケードにあったよね。あれって協力していくやつじゃん。

ファミリーコンピューター Nintendo Switch Online の『アイスクライマー』。
© Nintendo

―― あ~、基本的に協力だよね。意地悪もできちゃうけど、みたいな感じだよね。『いっき』みたいな。

イザベラ:置いて行っちゃうやつね。そういうのはやってたけど、1対1で殴り合うみたいなゲームはあんまりやってないんですよね。

―― わりと平和主義というか、平和なゲームが好きっていうことがわかったよ。

イザベラ:人と戦えないよ~。

―― 私も『スプラトゥーン』、人と戦うのより、CPU戦のサーモンランばっかりやってる。

イザベラ:『スプラトゥーン』って陣取りゲームだよね?

―― 陣取りゲーム!!! もうひとことでおもしろくするのやめて!

昔はゲームする女子は珍しがられたのです

イザベラ:今って、ゲームがうまい女性が珍しくなくなったよね。Youtubeのゲーム実況配信者にも女子がいっぱいいる。

―― ゲームもうまくて可愛いゲーマーアイドル的な人は今すごくいるよね。昔は千葉麗子ちゃんぐらいしかいなかったのにね。

イザベラ:そうね。今の女子みんなうまい。腕に自信のある男子が、難しいゲームで女子にアドバイスしてあげて仲良くなる、っていう作戦も難しそうだよね(笑)。

―― あ、そうか、昔はホントに珍しがられたんだ。

イザベラ:そうそう。女の子でゲームが趣味って珍しい、っていう感じで、ちょっとヘタでもみんな許してくれたというか。ヘタなんだけどね(笑)。今、ゲームでお仕事をするのは大変ですよね。新しいタイトルがどんどん出ますから、いっぱいインプットしなきゃいけないし。

―― そうだよね~。色々な話を聞かせてもらってありがとうございました! まさか『ワニワニパニック』が出てくるとは思わなかったけど!

こんな記事がよく読まれています

2018年04月10日

ゲームセンター聖地巡礼「1980~1990年代 新宿」前編

今回から、新企画「ゲームセンター聖地巡礼」の連載がスタートします。当研究所・所長の大堀康祐氏と、ゲームディレクターであり当研究所のライターとしても協力いただいている見城こうじ氏のお2人が、1980~1[…]