餅月あんこのゲーセンに行きたい!
第8回「土屋昇平さん&SATOMIさんの音楽の話を聞きたい!」(前編)
今回はタイトーのサウンドチーム・ZUNTATAの土屋昇平さんと、奥様でボーカリストのSATOMIさんと一緒にタイトーステーションさんで『maimai』(2012年/セガ)や『グルーヴコースター』(2013年/タイトー)をプレイさせていただいた後、音楽の話を中心にお話を聞かせていただきました。
トータルで2万字越えの大ボリューム! せっかくのWeb媒体ですのでほぼノーカットで雑談も交えてお届けします。土屋さんはお好きでいらっしゃるビールを召し上がられていたので、どうぞお二人と一緒にビールを飲んでるような気持ちでマッタリとお読みいただければ幸いです!
(※このインタビューは2020年3月上旬に行いました)
カメラと歌へのこだわり
―― SATOMIさんのインスタを拝見すると、お二人で出かけられてる写真が素敵で。ゲーム業界を目指す若い人なんかが見たらホントに憧れだと思うんですが。
SATOMIさん(以下『S』):アレ見て憧れてくれるのかな?(笑)
―― 私はそう思いますけど。写真がまた素敵じゃないですか。(SATOMIさんが本格的な)写真も撮られるから。
S:写真も撮るし、歌も歌う、みたいな感じになっちゃってますが(笑)。
―― 土屋(昇平)さんのインスタにはよく海外のオシャレなビールがUPされてますよね。
S:昇平さんのアー写(アーティスト写真のことで、宣伝用に使われる)は私が撮るんですけど、それ以外のインスタグラムの写真は全部本人が撮ってますね。
―― (SATOMIさんがTwitterにUPされていた)新幹線のカタイアイスでしたっけ、iPhoneと一眼レフバージョン両方あって「おー」と思って。iPhoneでもすごく綺麗なのに一眼レフきたー! と思って。ほぼリアルタイムで更新されてたと思うんですけど、デジカメのデータってどうやって飛ばしてるんですか?
S:ワイヤレスで転送できるんですよ。本体にその機能がついてて。
―― すごいですね……! iPhoneって今けっこう綺麗な写真撮れるじゃないですか。それでも一眼レフはいつも持ち歩いてるんですか?
S:そうですね、やっぱり一眼レフって、何がいいかっていうと、自分がこういう風な暗さで、こういう風な感じで撮りたい、みたいなのを実現できるのでいいんですよ。iPhoneだけでええやん、って思うときもあるんですけど、でもやっぱりちゃんと撮りたい時は一眼レフですね。今もこれ……。
―― あっ、入ってるんですね! バッグが小さいから入ってないかと……。
S:これは一眼レフじゃなくてコンデジなんですけど、いつも持ち歩いてます。Canon PowerShot G7X MarkIIってやつです。今はMark IIIも出てるんですけど。
―― これがよく使われるカメラなんですね。
S:あと、Canon EOS Rもよく使ってます。フルサイズのミラーレス一眼ですね。
―― 使い分けてるんですね。土屋さんのアルバムの写真もめっちゃかっこいいですよね。
―― アルバム『SHOHEI TSUCHIYA WORKS』(※現在は『SHOHEI TSUCHIYA WORKS Vol.2』が配信中)、買わせていただきました! 最初いきなりSATOMIさんのボーカル曲から始まるじゃないですか。『ゴシップライターのテーマ』(視聴Youtubeはこちら)、めちゃめちゃかっこよくて震えましたよ。これはいつ頃レコーディングされたんですか?
S:4~5年前だと思います。歌の勉強は前からずっとやってたんですけど、こっち(関東)に引っ越してきて、ゴスペル以外のボイトレをやってなくて歌唱力が落ちてきてたんですが(笑)。
―― ゴスペル……?
S:とても簡単に説明するのであれば、黒人霊歌から始まった音楽ですね。そこからジャズやポップスのエッセンスが入ってきて、今の形になっているのですが……。
―― あ~! 「天使にラブソング」みたいな?
S:そうそう! 曲の感じについてはそういうイメージでOKです。
―― ゴスペルって聖歌隊みたいな、讃美歌みたいなのをイメージしてました。
S:もちろん神様のことを歌ってるんですけど、曲調とかが、ポップスやヒップホップ、ファンクだったりとかすごいかっこよくて。一般的には堅苦しく思われがちなんですが、もっと気軽に楽しめるような感じです。
―― そうなんですか! ……素朴な疑問なんですけど、英語の発音がすごい綺麗じゃないですか。作詞もされてて。
S:全然しゃべれないんですけど、発音だけが良くて(笑)。
―― 洋楽をよく歌われるとか?
S:母親も音楽が好きで、ちっちゃい頃に、いろんな音楽を聴いてたんです。その中でカーペンターズをずっと聴いてて。
―― カーペンターズ、聴き心地良いですよね。
S:そうそう。それが多分良かったんじゃないのかな(笑)。それをマネしてたからなのか、昔から発音で悩んだことはないんですよね。
―― 歌詞も作詞されてますよね。
S:そうそう、でも作詞はGoogle翻訳にお任せした部分はありますよ(笑)。
―― いやいや、それにしても! お二人の作品を見てて思うのは、海外のノリをすごく感じるというか。
S:あ~、その話は昇平さんのほうがいいんじゃないかな、お~い!
―― ビール飲んでる(笑)。お二人も、ふだん聴かれる曲は、海外の曲が多かったりするんですか?
S:曲に関しては、昇平さんはそうですね。すごくいろんな曲を聴いてる感じです。私はとにかくDREAMS COME TRUE(以下ドリカム)が大好きなので(笑)。
―― ツイート見てたらすごく好きなんだろうなって思ってました!
S:でも誰もドリカムの話の相手してくれないから寂しいんですよ(笑)。
―― メジャーすぎると逆にあんまり「好き!」っていう話をする人がいなかったりすること、ありますよね。SATOMIさんのツイートで知ったんですけど、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(1991年/セガ)の音楽が……。
S:マサさん(中村正人さん)が作ってたんですよね。当時もけっこうTVCMにお名前が出てたんですよ。なのに意外にその事実が広く知れ渡ってない気が。
―― 私も認識してなかったのでビックリしました。
S:ぜひ覚えておいてください!
土屋さんのゲーム遍歴
土屋昇平さん(以下『昇』※お二人とも土屋さんなので):僕はゲーム業界に入ったのは2003年か2004年あたりなので、そんなに昔からの人ではないんですよ。学校を卒業してからすぐゲーム業界には入ったんですけども、ゲームって、進化が早いじゃないですか。ハードにしても何にしても。だから、たとえば4歳しか違わない人でも、経験が全然違うんですよ。
―― それはゲームの経験とか、スキルとかも含めてですか?
昇:だから4歳違うだけで、初めて触ったゲーム機がファミコンだったりスーパーファミコンだったり、全然違うものになっちゃうんですよね。でも、そういうふうに聞くとすっごい年齢が離れてそうなんだけど、年齢を聞くと「あれ、4つしか離れてないじゃん」みたいなことがすごいあるんです。
―― あ~、確かに。
昇:同じ40代とかでも、全然触ったことがあるゲーム機が人によって違うし、PS2とかPS3しか触ったことがないっていう人を見ると、えっ、そんなに俺年齢いってたっけ、みたいに思うんだけど、実は、「あれ、10年ぐらいしか変わんないんだ」、みたいな。
―― 確かにありますよねー。
昇:進化が早すぎて、年齢がわかんなくなる。すごい大きな違いに見えるんだけど、たった20~30年しか経ってないのに、これだけ変化しちゃってるっていうのが、ホントに凄いんですよ。あと同じぐらいの年齢だと思って話してて、「あれ、話が合わないな?」ってことがすごいある(笑)。ほんの2~3歳の違いだけでもう全然違う。
―― 土屋さんは大御所感のイメージが凄いですが……。
昇:それは僕がいる会社(タイトー)が、歴史のある会社だからじゃないでしょうか(笑)。
―― 土屋さんご自身もシューティングゲームはお好きなんですか?
昇:僕はファミコンからずっとゲーマーなんですけど、ファミコンって、アクションゲームが多いんですよ。
―― ああ、確かに。
昇:だから、「青春のゲームは?」って言われたらどちらかといえばアクションゲームですね。
―― たとえば一番好きなゲームは……?
昇:その頃のタイトルを挙げるなら『スーパーチャイニーズ』(1986年/ナムコ)とかかなぁ。あと『ケルナグール』(1989年/ナムコ)とか。
S:ああ(笑)。
―― SATOMIさんもよくご存知なんですか?
S:いつも色々聞かされてるから(笑)。
昇:世代はけっこう違うんですよ。6歳違うから。だから、触ったゲームはだいぶ違うと思う。
S:ですねー。
昇:僕がまた、コンピューターゲームに触ったのが早かったんですよ。幼稚園の頃に触ってたんで。
―― 早いですね。ファミコンが出たぐらいですか?
昇:ちょうど四角ボタンから丸ボタンに変わったくらいです。
―― それ幼稚園児だったのに覚えてるんですか(笑)。
S:すごい(笑)。
昇:1983年じゃないですか、ファミコンが発売されたのって。1984年か1985年には持ってました。幼稚園の頃、僕が5歳ぐらいの頃にはもう家にありました。
―― ちなみに、ご兄弟は?
昇:ひとりっ子です。
―― 買ってもらったんですね!
昇:両親が好きなんですよ、ゲーム。
―― ああ、いいですね!
昇:なので、家にあって。父親は『4人打ち麻雀』みたいな、麻雀のゲームをずっとやってました。あと『ドラクエ』(1986年/エニックス)とかすごい好きで。
―― ファミコンですか?
昇:ファミコンですね。セガ・マークIIIは親戚の家にはあったんだけど、ウチにはなかったですね。で、持ってるゲームは大半がアクションでした。マリオなんてもうアクションの最たるものですよね。あと、『くにおくん』(熱血硬派くにおくん:1986年/タイトー)とか。
―― なるほど! じゃあ、ずっとゲーム音楽にも親しんでこられたんですね。
昇:そうですね。
―― そしてゲーム音楽の作曲家になると……。
昇:大御所って言われてる作曲家も、僕と30歳~40歳離れてるようなかたはほとんどいないんですよ、ゲーム音楽って。すぎやまこういち先生はちょっと別格だけど(笑)。ノビヨ師匠(植松伸夫さん)にしても、近藤浩治さんにしても、僕らと20歳ぐらいしか違わないので。だから実はそんなに離れてないんですよね。でも、ちっちゃい頃の5~6年ってすごい大きくて……。僕は2003年に社会人になって、フロム・ソフトウェアさんからスタートしたんですけど、僕が初めて制作に関わったのは、Xboxのソフトだったんですよ。
―― ほ~!
昇:でも例えばその10年前、1990年ぐらいに入社した人はスーパーファミコンとかの開発なんですよ。すごい差がある感じがしますよね。だから大御所のかたがたに仲良くしていただいてますが、実はそんなに年齢がすごく離れているというわけではないんですよね。濃いんですよね、たとえば1年間に起こる変化が。ゲーム音楽も、中心となってる人が毎年変わっていくんで。
―― ええ、そうなんですか。
昇:皆さんが知ってるようなゲーム音楽の作曲家さんももちろん活躍されてるんですけど、新しい人がどんどん出て来てますね。凄いですよ。みんな凄いイイ曲を書く。かっこいいですね。
―― そうなんですね!
昇:ゲーム音楽は、歴史としておもしろいですよ。
「青春のゲーム」は大切
昇:アーケードには、1996~1998年くらいの限られた期間だけハマったんです。
―― それは何をプレイしてたんですか?
昇:高校の3年間プラス、浪人の1年間の4年間か。友だちにすごいアーケードゲームが好きなヤツがいて。格ゲー全盛期ですよ。
―― なるほど!
昇:1996年だと『KOF』(THE KING OF FIGHTERS ’96:1996年/SNK)が一番わかりやすいですけど(笑)。やってたのは、SNKさんの格ゲーが多かったかなぁ。あとは、弊社の『サイキックフォース』(1996年/タイトー)はすんごいやってました。めっちゃおもしろい。ほぼほぼ格ゲーでしたね、やってたの。
―― 今はどういうゲームをプレイされてるんですか?
昇:(取材をした3月時は)今は『新サクラ大戦』(2019年/セガゲームス)をやってますね。ちょっと前は『デス・ストランディング』(2019年/ソニー・インタラクティブエンタテインメント)をやってて……。ゲームはめっちゃ好きでものすごくやってます。アクションは素晴らしいゲームも多いので、レトロゲームでぜひ取り上げて欲しいジャンルです。
―― なるほどー。SATOMIさんも一緒にゲームをプレイされたりするんですか?
昇:やるけど、シューティングやアクションはそんなに得意でないです。主にパズルとかだよね。
S:でも、『星のカービィ』(1992年/任天堂)はアクションだよね。
―― カービィ!
昇:かみさんは、好きなキャラがハッキリしてるんです。
S:キャラ優先です(笑)。
―― すごいわかります(笑)。SATOMIさんは、カービィがお好きなんですね。
S:カービィ大好きなんです。あとは『ポケモン』(1996年/任天堂)が出始めたのが、私が小学生の頃なので。
昇:彼女たちは『ポケモン』が青春なんですよ。
―― そうなりますよね!
S:今も『ポケモン』は新しいシリーズが出たら必ず買って、楽しくプレイしてます。
昇:それぞれの世代に、みんな青春というか……好きなゲームがある、っていうのをお互いに認めていきたいですよね。それってすごく大事なことで。自分が好きなゲームをすごく好きで、例えばお子さんとかが違うゲームに夢中になってて、それが青春だったりして、それでいいじゃない、っていう。それは時代や世代によって全然違うから。あんこさんの青春のゲームってなんですか?
―― 最近ですけど、『リングフィット』(リングフィット アドベンチャー:2019年/任天堂)ですね。
S:いいですねー!(笑)
―― がんばってるとみんなに笑われるんですけど……人のゲームを笑っちゃいけないですよね。
S:「人のゲームを笑うな」ですね(笑)。
昇:僕の青春のゲームは『サクラ大戦』(1996年/セガ・エンタープライゼス)なんですよ。だから今『新サクラ大戦』をすごいやってるんですけど。セガサターンと『サクラ大戦』。これは僕にとっての青春です。みんなが知らないようなゲームもたくさんやってきたんですけど『CBキャラウォーズ』(1992年/バンプレスト)みたいな。
―― ?
みんなが『スーパーフォーメーションサッカー』(1991年/ヒューマン)を買ってるときに、僕はイマジニアの『プロサッカー』(1991年/イマジニア)を買ってるくらいで。
S:そのチョイスは何やねん!
―― ツッコミが(笑)。
昇:ボールが体にくっつかない、っていう、サッカーゲームにあるまじきゲーム(笑)。僕はそれを選んじゃったんですよね。『スーパーフォーメーションサッカー』は、ボールが体にくっつくんですよ。だから操作がしやすい。(『プロサッカー』は)ボールがくっつかないし、超飛んで超長いところをスライディングしてくるし、おもしろいゲームだったんだけど……ゲームではなかったな、あれは、もはや……(遠い目)。
―― ???
昇:そういうゲームを色々経験しつつも、『サクラ大戦』が一番青春だったなぁ、と思います。人それぞれ全然思い出のゲームとか、好きなゲームは違うので、ゲーム文化保存研究所さんには、文化っていうのは、人それぞれ思いが違う、っていうところを伝えていって欲しいです。
―― ありがとうございます!
昇:僕は「ゲームに格はない」っていうのを言いたいです。要は、ゲームに優劣はないんです。
―― ああ、なんだかいい話ですね。
昇:PC-FXが青春っていう人もいるんですよ! 僕もやってました。
―― PC-FXってなんでしょうか……?
昇:PC-FXを知らない!? それは良くないなぁ。日本電気ホームエレクトロニクスさんが作ったゲーム機なんですけど。
S:(うなずく)
―― SATOMIさんも知ってるんですか。
昇:まぁ、僕が持ってるからね。
S:私もゲーム機大好き人間なので。でも当時よくTVCMやってましたよ。
―― PCエンジンの後継機ですか?
昇:そうですそうです。
S:ギャルゲーが多かったよね。
昇:僕はそれで『ファイアーウーマン纏組』(1996年/NECホームエレクトロニクス、徳間書店)っていうゲームが超好きで、あれも青春のゲームだね……。
―― なにゲーですか、それは?
昇:何て言ったらいいんだろう、あれは。ジャンルが難しい……。一応恋愛ゲームなんだろうけど、『ドラゴンボール3』(1989年/バンダイ)みたいな感じで、技を重ねていって戦う、みたいな。ちょっと言葉で説明しづらいゲームなんです。ぜひPC-FXを買って、やってみてください。すんげぇおもしろいすよ。最高。
S:何も買わせんでも。
―― ……! じゃあ推しハードはPC-FXなんですか?
昇:いや、PC-FXは『ファイアーウーマン纏組』以外やってないです(笑)。そのゲームのためだけに買ってたりするから。
―― 『ファイアーウーマン纏組』専用……!
昇:いや~、いいっすよ、PC-FX。何がいいかって、セーブデータを保存するやつが、単4電池を入れてないと、データがなくなるっていう仕様なんですよ。だから僕は年に1回、年末の大掃除の時に必ずPC-FXの電池を取り替えるっていう作業があるわけです。
―― へぇぇ……!
昇:これがなんか、「ああ、今年も1年終わったなぁ……」っていう感じになるのよ。
―― (笑)PC-FXは、その当時買ったものをずっと持ってるんですか?
昇:そうそうそう。ほとんど使ってないから、全然新品同様っすよ。『ファイアーウーマン纏組』しかやってないからね!
―― スゴイですねそれ。そんなに大事にされて。
昇:うん、大事にしてるっていうかね、『ファイアーウーマン纏組』をやってるだけだからね。
とにかく『ドラクエ』をやりたいんで
S:昇平さん、PC-FXとPCエンジンの話をし出したら止まらないんですよ。
昇:いや、別に他のハードでも止まんないですよ。
―― ファミコンからPC-FXの間に買ったハードは何があったんですか?
昇:ファミコンの後は、親がディスクシステムを買ってくれて。ゲームボーイ、スーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブ。
―― あ~、すごい充実してますね。
昇:PCエンジンはちゃんとコア構想に準じて、CD-ROM2とか、メモリーパック128とかもゲットしたり。
―― ほー! SATOMIさんはご兄弟は?
S:わたし、3人兄弟のまん中なんです。姉と弟がいます。私が触れた最初のハードは、PCエンジンだったんですよ。
―― またPCエンジンきた! 何歳ぐらいの頃ですか?
S:4歳ぐらいかな。
昇:お姉さんは?
S:2つ年上だから、6歳ですね。
昇:小学生だったらPCエンジンというのはわからんでもない。僕がPCエンジンを買ったのは小4か小5の頃だったんで。
―― すごいな……メガドラとかPCエンジンとかを私の学年で買ってた子って、ものすごいお金持ちっていうイメージでした。
昇:うちは、父親と母親がゲームに寛容だったっていうのが大きいですね。
―― そこですよねー。
昇:両親が『ドラクエ』をとにかくやりたいんで、『ドラクエ』が出るハードは買わざるを得ないんですよ。スーファミとか別に「買って」とか言うまでもなく、家にあった、っていう。その流れで、メガドライブとかPCエンジンとかも、なんとなく手に入ったみたいな。
―― 羨ましい環境ですね~。
昇:それはホント、運が良かったです。親がゲームを好きだったっていうのは。でもゲームを親と取り合いでしたよ(笑)。
―― あれ? SATOMIさんはPCエンジンからゲームを初めたけど、カービィがお好きになったんですね。
S:えーと……姉がゲームをプレイするのを見てることのほうが多かったんですよ。私、ゲームへただから(笑)。
―― そんなそんな、さっきの『maimai』と『グルコス』、すごかったですよ! プレイしてる姿も可愛かったし。
昇:すごい可愛いんですよ。『maimai』のプレイは踊りみたいですよね。
S:当初のコンセプトはそういう感じだったらしいんですよね。だからmaimaiガールオーディションもあったんだと思います。
―― あれって何年くらい前ですか?
S:8年くらい前かな?(注:2012年10月8日(月・祝)にPRイベントが開催され、『maimaiガール』の発表がおこなわれました。SATOMIさんは特別賞を受賞) なんでそのオーディションに挑んだかというと、私、セガの光吉猛修さんが大好きで、光吉さんと一緒に仕事がしたかったんですよ。
―― おお!
S:いまだに実現できてない夢です。光吉さんと共演がしたくて(笑)、ある意味不純な動機ですよね(笑)。
―― いや、そういう情熱ってすごく重要だと思いますよ!
S:で、maimaiガールコンテストっていうのがあるって聞いて、「じゃあ私もちょっとやってみる」って、当時、ほぼ毎日動画上げてました。
―― そうなんだ~! それまで音ゲーはよくプレイされてたんですか?
S:その前から音ゲーは大好きでした。小学生の頃『beatmania』(1997年/コナミ)が出てきて、触ったのは中学生の頃なんですが、とにかく曲がかっこよくて、「なにこれ!?」みたいな。ドリカムとクラシックを中心に聴いてた私としては、もうビックリする音楽で。よくラジオとかで洋楽は聴いてたんですけど、それ以外のテクノだったり、ハウスだったりとか、そういうジャンルを、私は『beatmania』で学びました(笑)。
―― なるほどー!
S:たぶんね、私くらいの世代の人たちにはありがちだと思います(笑)。
―― (小学生くらいの頃はそういう音楽に)触れる機会がないですもんね。
S:そうそう。「ドラムンベースってこういうのなんだ!」みたいな(笑)。
―― なるほど~。
S:『beatmania』で音ゲーをやることになって、私、大阪の堺市って、仁徳天皇陵が有名な市に住んでいたんですけど、堺東という所に堺銀座商店街っていうのがあって(笑)。そこに当時ゲーセンがたくさんあって『beatmania』がたくさん稼働していたんですよ。中学生の頃なんですけど、1人でゲーセンに行ってやってました(笑)。
―― 1人で! 硬派ですね!
S:一緒に行けるような友だちがいなくて。
―― 中学生でゲーセンに一緒に行く友だち、なかなかいないですよね、わかります、わかります。
この続きは、また次回に! どうぞお楽しみに!
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