『カプコンアーケードスタジアム』オールカタログ 後編

  • 記事タイトル
    『カプコンアーケードスタジアム』オールカタログ 後編
  • 公開日
    2021年03月12日
  • 記事番号
    4932
  • ライター
    鴫原盛之

史上空前の対戦格闘ゲームブームを巻き起きした『ストII』シリーズ、個性的なベルトスクロールアクションが続々登場!

カプコン往年の名作アーケードゲーム32タイトルが遊べる、Nintendo Switch版『カプコンアーケードスタジアム』の応援企画。最終回となる今回の後編は、1992~2001年までに発売された全10タイトルの遊びかたや見どころ、発売当時のトレンドなどなど、一挙まとめてご紹介します!

『天地を喰らうⅡ -赤壁の戦い-』

その名のとおり、『天地を喰らう』の続編となるベルトスクロールアクションゲームで、前作よりもキャラクターのサイズが大きく、かつリアルに描かれています。サブタイトルに『赤壁の戦い』とあるように、赤壁のステージでは船上で戦ったり、敵軍の船に火矢を放つデモが流れる演出が盛り込まれ、他にも長坂橋や華容道など、『三国志』でおなじみの舞台が登場します。

プレイヤーキャラクターとして登場する武将は関羽、張飛、趙雲、魏延、黄忠の5人。小生は当初、5人の中で特にカッコイイなと思った趙雲を使っていたのですが、必殺技を出した後のスキが大きく、何度も痛い目に遭ったので泣く泣く断念……。そこで、打撃の連続技から敵を投げ飛ばす方向を、左右いずれかに自由に変えられる魏延にチェンジしたところ、ようやくクリアすることができました。また、黄忠だけは通常攻撃が打撃技ではなく、飛び道具の弓矢を使うため、ザコ敵が相手でも数人に囲まれると途端に厳しくなるのですが、これはこれで遊んでいておもしろかったですね。

本作は全9ステージですが、2面の敵将(ボスキャラ)、夏侯惇がとにかく強いのなんの! 馬に乗って体当たりするわ、口から炎を吐くわ、ダッシュパンチを放つわ、画面外からでも爆弾をどんどん投げ付けるわで、最初の頃はまったくお手上げ状態。いったいここで100円玉を何枚失ったことか……。でも、夏侯惇がハンパなく強かった一方、ラスボスの曹操は小柄で、大した攻撃を仕掛けてこないのは実に意外でしたね(その代わり、制限時間がすごく短いですが)。

たとえ曹操を倒せなくても、必ずエンディングが必ず見られる演出も、さらにコンティニューなしでクリアするとエンディングが変化するのも、これまたナイスアイデアでした。

『天地を喰らうⅡ -赤壁の戦い-』

『ストリートファイターII’ TURBO -HYPER FIGHTING-』

『ストII』から数えて、シリーズ第3弾となる対戦格闘ゲーム。本作の発売当時、小生はゲーム雑誌を片っ端から読み漁る習慣があったのですが、それでも発売前の紹介記事を読んだ記憶がまったくなく、ある日地元のゲーセンに行ったら入荷予告の紙が突然貼られていたのでビックリした思い出があります。

最初に本作を見たときは、「ただキャラクターの服や肌の色が変わっただけなのかな?」と思ったのですが、デモ画面をよ~く見るとキャラクターの移動、あるいは技を出すスピードが大幅にアップしていたのでビックリ。初めのうちは、相手がジャンプしたのを確認してから、対空技を繰り出すことがなかなかできなかった記憶がありますね。「頑張ってマスターしたのに、「波動昇竜拳」のコマンド入力が全然間に合わないなんて……」とショックを受けるほど、スピード感が全然違っていた印象があります。

また、一部のキャラクターには新たな技が追加されたことで、敵として登場した場合は、『ストII’』とは違った対策を求められるようになったのも本作の大きな特徴のひとつ(※ザンギエフのハイスピードラリアット、春麗の気功拳など)。つまり本作は、単なる前作の「焼き直し」ではないというワケですね。

もし本作をご存じないかたは、先に初代『ストII』または『ストII’』を遊んでからプレイしてみてください。スピード感が全然違うことに、きっと驚くことでしょう。

『ストリートファイターII’ TURBO -HYPER FIGHTING-』

『スーパーストリートファイターIIX -Grand Master Challenge-』

1994年に発売された『ストII』シリーズの第5弾。対戦格闘ゲームブームの絶頂期に登場し、全国各地のゲームセンターには日夜対戦に明け暮れるプレイヤーが集まり、絶大な人気を博したことは、もはや改めて語るまでもないでしょう。

リュウの「真空波動拳」、ケンの「昇龍裂破」など、ゲージが満タンになると使用できる強力な必殺技「スーパーコンボ」を、シリーズで初めて導入したのも本作でした。最終ステージの対ベガ戦で、特定の条件を満たすと突如乱入してくる豪鬼の出現も、発売当時は大きな話題になったと記憶しております(キャラ選択時に隠しコマンドを入力すると、豪鬼が使用できる裏技もありましたよね!)。

前作『スーパーストリートファイターII』の段階でビジュアルを一新させ、キャミィ、T・ホーク、ディージェイ、フェイロンの新キャラクターを追加し、連続技がヒットするとコンボ数を表示する演出を盛り込むなど、ここで『ストII』シリーズの完成形が出来上がったのかと思いきや、さらなるグレードアップ版が発売されると最初に知ったときは本当に驚きました。しかも『スーパーストII』の発売から、わずか5か月後(!)という非常に早いタイミングでのリリースでしたから、なおさらインパクトが強かったように思います。

実は小生、本作の人気絶頂期に開催された、「第6回ゲーメスト杯争奪 『スーパーストリートファイターIIX』全国大会」の審判係を、さらに地方大会では審判係兼MCを担当しました。会場には、プレイヤーの他にも多くの観客が集まり、凄まじい熱気に包まれていたことを今でも鮮明に覚えています。まだライターを始めたばかりの駆け出しでありながら、歴史的な場面に立ち会う機会に恵まれて本当にうれしかったですね……。

『スーパーストリートファイターIIX -Grand Master Challenge-』

『パワードギア -STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT-』

人間ではなく、ロボットを操作するベルトスクロールアクションゲーム。操作は8方向レバーと攻撃、ジャンプ、サブウェポンの3ボタンを使用します。ゲーム開始時に、4種類のロボット(とパイロット)の中から1機を選択。当然ながら選んだロボットによって攻撃力や移動速度、射程などの性能がそれぞれ異なります。

本作の一番の魅力は、何と言っても敵がドロップしたサブウェポン、アーム、レッグの各種パーツを、自らが操るロボットに自由自在に装着できることです。ロボットは装備したパーツによって見た目だけでなく、攻撃方法がさまざまに変化しますから、まさにメカ好き人間には大歓喜のシステムですね。

攻撃とジャンプボタンを同時に押すと、カプコン作品ではおなじみの、少量のエネルギー(体力)と引き換えに強力な攻撃、メガクラッシュが発動します。さらにジャンプとサブウェポンボタンを同時に押すと、何とエネルギーの半分近くを消費して、画面内のすべての敵に文字どおり超強力な攻撃を放つ、超メガクラッシュも使用できます。

2人以上で同時にプレイすると出現する「無線機」のアイテムを取ると、ボス戦で巨大ロボットに変形し、しかも一定時間無敵になるアイデアおよび演出も見逃せないポイントですよ!

『パワードギア -STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT-』

『サイバーボッツ -FULLMETAL MADNESS-』

『パワードギア -STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT-』に登場したロボットを操作して遊ぶ対戦格闘アクションゲーム。『パワードギア -STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT-』の発売から、わずか半年後に派生タイトルがリリースされるという、そのスピーディーさは小生も当時は大変驚いた記憶があります(※『パワードギア』は1994年10月発売で、本作は1995年4月発売)。

ゲーム開始時に、使用したいパイロットとメカを別個に選択することが可能で、CPU戦は選んだパイロットによってストーリーやステージ数が変化する特徴があります。操作は8方向レバーと、A(アタック)1、A2の両攻撃ボタンと、ウェポン、ブーストの4ボタンを使用します。

小生の独断と偏見で恐縮ですが、特に注目していただきたいのがブーストボタンを使ったロボットの操作方法ですね。ブーストを使用すると、地上でダッシュができるだけでなく、空中を飛行、あるいは多段ジャンプをしたり、敵から投げ技を掛けられたときの受け身にも使えるので実に便利。これらの操作をマスターしないと、CPU戦でも2人対戦プレイでも苦戦必至です。

『サイバーボッツ -FULLMETAL MADNESS-』

本作の発売当時、大ヒットした『スーパーストIIX』などに比べると、対戦筐体で稼働させていたゲームセンターは少なかったように思います。ですが、人間の格闘家にはあり得ない、ロボットならではのアクションを駆使して対戦プレイが楽しめるゲームとして、当時は貴重な存在だったことは改めて評価すべき点かもしれませんね。

『19XX -The War Against Destiny-』

『19』シリーズの流れをくむ縦スクロールシューティングゲームで、8方向レバーとショット、ボンバーの2ボタンを使用して自機を操作します。自機はシリーズおなじみのP-38(ライトニング)の他、モスキートと震電の3種類から選ぶことができます。

本作をご存じない皆さんに特に注目していただきたいのは、過去に類を見ない「マーカーミサイル」を使用した攻撃方法です。マーカーミサイルとは、ショットボタンを長押ししたあとに発射するマーカーを敵に当ててロックオンすることで、以後ロックオンした敵に向かってホーミングするミサイルを撃つことができるというものです。

「なんだ、タダの誘導弾じゃないか」と思われるかもしれませんが、さにあらず。マーカーミサイルはロックオンした敵だけでなく、途中でヒットした他の敵にもダメージを与えることが可能で、しかもロックオンしていない敵を貫通する特徴も持っています。つまり、1回のロックオンで多くの敵をまとめて攻撃できるようにすることで、快感をさらに高めてくれる素晴らしいアイデアなのです。小生は、確かAOUショーの会場で本作を初めてプレイしたのですが、たった1回、それも1面だけしか遊んでいないのに、その楽しさにすっかり魅了されてしまいました。

ボンバーもボタンを長押し(ため撃ち)して、たまったゲージによって全3段階の威力に変化するのもおもしろいアイデア。特に対ボス戦は、早く倒すほど高ランク、つまり高得点を稼ぐことができるので、ボンバーの使った速攻パターンを研究しながら遊ぶと、さらに楽しさが増すことでしょう。

『19XX -The War Against Destiny-』

『バトルサーキット』

最大4人まで同時にプレイできるベルトスクロールアクションゲーム。主人公キャラクターはキャプテンシルバー、エイリアングリーンなど5体の個性豊かなキャラクター。8方向レバーと攻撃、ジャンプの2ボタンで操作します。敵を倒したときなどに出現するコインを集めると、ショップでパワーアップパーツなどを購入することもできます。

数あるカプコン伝統のベルトスクロールアクションゲームの中でも、異色中の異色と言えるのが本作ではないでしょうか? なぜなら、主人公の1人、いや1体であるエイリアングリーンは食虫植物を想起させるデザインで、カッコイイというよりはグロテスクそのもの。

また、幼女キャラのピンクオーストリッチも、自身がまたがっているダチョウを使って空を飛んだり、さまざまなユニークな攻撃を繰り出すなど、不気味さとコミカルさが混在したそのビジュアルは、一度見たら容易に忘れることができません。敵キャラも1面ボスのDr.サタンと、その子分で「おやび~ん!」が口グセの「ぴのぷ」をはじめ、怪しげなデザインのものが多く、独特の世界観を作り出しています。

その名も「バトル・ダウンロード」と呼ぶ、主人公のパワーアップシステムも注目ポイントのひとつ。ジャンプ中にボタン2個を同時押しすると発動し、キャラごとに異なる特殊能力が一定時間使えるようになるというもので、さらに同時プレイ時は誰か1人が使うと、その効果が仲間全員にも同時に発生するアイデアも素晴らしいですね!

『バトルサーキット』

『ギガウィング』

タクミコーポレーションが開発した横画面の縦スクロールシューティングゲームで、スタート時に4種類の機体の中から1つを選び、8方向レバーとショット、フォースボム(ボンバー)の2ボタンで自機を操作します。

ショットボタンを押すとメインとサブウェポンを同時に発射、サブウェポンは機体によって性能が異なります。ショットボタンを押しっ放しにして、ゲージがたまってから離すと、敵弾を跳ね返すリフレクトフォースと呼ぶバリアを発射し、跳ね返した敵弾で逆に敵を攻撃できるとともに、発射中は自機が無敵になるメリットがあります。

本作の見どころは、何と言ってもリフレクトフォース一発でおびただしい量の弾幕を跳ね返し、ピンチを一瞬でチャンスに変えられる爽快感の高さにあります。さらに敵を倒したり、敵弾を消すと出現する勲章を取ると得点倍率がどんどん上がり、うまく稼ぐとおそらくビデオゲーム史上初と思われる、「兆」の単位までスコアをアップすることができるという、まさに超インフレゲームでもあります。

思わず「ウソでしょ!?」と叫びたくなるほど、敵弾や勲章が画面にあふれ、スコアがみるみる上がる演出は必見ですよ!

『ギガウィング』

『1944 -The Loop Master-』

『19』シリーズの第6弾にあたる、シリーズでは初となる横画面になった縦スクロールシューティングゲーム。自機は本シリーズおなじみのP-38(2P側はゼロ戦)で、1周全15ステージ構成ですが、ゲーム開始時に6面または11面からスタートできる、ステージ選択機能を搭載しています。

自機の操作は8方向レバーとショット、ボムの2ボタンを使用。ショットボタンを一定時間押しっ放しにしてから離すと、自機が上昇しながら強力なショット、その名もチャージアタックを発射し、しかも上昇中は自機が無敵状態になるメリットが得られます。

シューティングゲームのリリースがめっきり減った時代にあって、本シリーズの新作が出ると最初に知ったときはとにかくビックリしました。ゲームスタート時に自機が懐かしの宙返りを披露したり、特定の敵を倒すと「POW」アイテムが出現するなど、「かつて旧シリーズを遊んだ人たちに、またゲーセンに戻って来てほしいというメッセージなのかな?」と、勝手に想像していた記憶があります。

で、いざ遊んだみたら、これが実に難しい! 自機はライフ制なので、敵弾に1発当たっただけではミスにならないのですが、敵弾が全般的に速く感じられ、難易度は高いなという印象を率直に受けましたね。

ボスキャラは「凪」「遙」「遉兜(ちょうと)」など、実に凝った名前の巨大軍艦や戦闘機、戦車が出現し、ステージをクリアすると敵の破壊率に応じたボーナスが加算されます。過去のシリーズ作品とはまったく異なる、ハードロック調のBGMと派手な爆発音も要チェックですよ。

『1944 -The Loop Master-』

『プロギアの嵐』

ケイブが開発し、カプコンが2001年に発売した横スクロールシューティングゲーム。8方向レバーとショット、ボム、オート連射ショット(※基板で設定をONにすると使用可能になります)で自機を操作し、全5ステージを戦います。5面クリア後、特定の条件を満たすと2周目に突入します。

本作ではゲーム開始時に、ワイドショット型のTYPE-Aと、前方集中型ショットのTYPE-Bの2種類から自機を選択し、さらに「ガンフライヤー」と呼ぶα(拡散型)、β(前方集中型)、Γ(ホーミング型)の3種類の支援兵器の中から1種類を選択します。つまり自分の好み、または攻略に最適な自機と「ガンフライヤー」の組み合わせを考えながらプレイできるところに、本作ならではの楽しさがあるわけですね。さらにステージクリア後、プレイ内容によって「ガンフライヤー(のキャラクター)」との好感度パラメーターが変化し、その時々の状態によって性能が変化する、前代未聞の驚愕のシステムも導入されています。

自機は、ショットボタンを連射すると攻撃範囲が広くて移動速度が速いファイタータイプに、ボタンを押しっ放しにすると移動速度は遅くなりますが「ガンフライヤー」が敵を自動でロックオンするガンナータイプにそれぞれ攻撃形態が変わるのもおもしろいアイデア。また、敵を倒したときに発生する爆風で敵弾を消すとジュエル(宝石)が出現し、ジュエルを回収することで「ジュエルカウンター」と呼ぶ数値が増え、ボーナス得点が加算されたり、撃ち込み点がアップする「ジュエリング」というユニークなシステムもあります。特に、大量の敵弾をまとめてジュエルに変えたときは気分爽快です!

小生は本作をそれほどやり込んではいなかったのですが、2001年の発売当時は希少ジャンルとなっていたシューティング、しかも横スクロールのシューティングということもあって、とても難しかったですが楽しませていただいておりました。本作以降、カプコンからはアーケード用シューティングゲームの新作は現在に至るまで登場していませんが、またいつの日か本作のような楽しいシューティングがリリースされたらうれしいな、と切に思います!

『プロギアの嵐』

  
  
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