見城こうじが訊く 第五回 eスポーツキャスターってどんなお仕事? 後編

  • 記事タイトル
    見城こうじが訊く 第五回 eスポーツキャスターってどんなお仕事? 後編
  • 公開日
    2022年11月18日
  • 記事番号
    8712
  • ライター
    見城 こうじ

eスポーツキャスター 水上侑さん インタビュー

3回連続でお送りしているeスポーツキャスター水上侑さんインタビュー。前回は主にキャスターと選手や視聴者との距離感のお話、そして水上さんがこの仕事に就かれるに至った原点についてお訊きしました。
今回はついに最終回。eスポーツプレイヤーをはじめとする業界全体の現在と未来についてお訊きしていきます(このインタビューは7月に実施いたしました)。
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【聞き手】
見城こうじ

水上侑さんプロフィール
(ウェルプレイド・ライゼスト公式サイトより)
実況総数35本超えを誇る、様々なゲームタイトルの実況を務めてきたeスポーツキャスター。FPS、格闘ゲーム、MOBA、カードゲーム等々、あらゆるジャンルに精通しており、新作旧作問わず幅広いタイトルで活動を行っている。

主な実績
RTB将棋公式大会 実況 
電撃バーチャ道 実況 
スーパーグレート超速グランプリ公式オンライン大会 実況 
Vanguard ZERO Championship 実況 
GUILTY GEAR DUEL ONLINE 実況
Red Bull 5G 2021 FINALS 「eFootball™ 2022部門」 実況 
『Pokémon UNITE』Winter Tournament 実況
GBVS Cygames Cup 実況
The DBFZ WORLD CHAMPIONSHIPS 実況
MELTY BLOOD: TYPE LUMINA Official Tournament 実況
ポケモンワールドチャンピオンシップス2022 ユナイト部門 解説

eスポーツプレイヤーってどんな人たち?

―― ここからはeスポーツプレイヤーと業界全体のお話を少し訊かせてください。

水上 はい。

―― あくまで水上さん周辺の印象でけっこうなのですが、eスポーツプレイヤーの平均年齢はどれぐらいなのでしょうか?

水上 それはゲームタイトルにもよりますし、本当にまちまちかなと思います。格闘ゲーム界隈で大変有名なかたでいえば、ウメハラさんは40歳を超えていますし、30代以上でも第一線で活躍されているかたはたくさんいらっしゃいます。その一方で20歳前後の若いかたもいるような空間なんですね。

 FPSはかなり若いかたが多い印象です。『ポケモンユナイト』などは、大学生や場合によっては高校生とか……ぼくが知っている範囲で言えば、20歳前後の人が一番多いイメージがありますね。

―― 『ポケモンユナイト』もそうですし、FPSだと日本でも人気の『Apex Legends』や『VALORANT』はどれも基本無料ですね。やはりそういう点も、若い層に人気の理由の一つなのでしょうか? ハードルが低く、メンバーもそろいやすい。

水上 そうですね。それで遊びやすいというのは、たしかにあると思います。お金を使わずに判断できる。あとは、ぼくも聞きかじった話ではあるのですが、FPSは反射神経がとくに大事なので、どうしても年齢が若いほど有利とよくいわれます。事実としてどうなのかはわからないのですが。

―― 格闘ゲームなどのほうが、ある程度技術でカバーできる部分が大きいと。

水上 でも、格闘ゲームにも反射神経は必要なんですけどね。結局のところ、年齢が高くても一線で活躍されているようなかたがたというのは、純粋に「その人たちが強くなろうとプレイし続けているから」という一言に尽きるかとは思います。

―― 水上さんがご存じの範囲で、女性のeスポーツプレイヤーはどれぐらい活躍されているのでしょうか?

水上 幅広いジャンルで活躍する女性eスポーツプレイヤーやストリーマーのかたもいらっしゃいますね。ただ、数としては男性に比べるとまだ少ないように感じます。

―― 観客や視聴者の側としては、女性はどうなのでしょうか?

水上 けっこういますね。ぼくは直接行けなかったのですが、最近行なわれた『VALORANT』の大会でも、会場に女性のファンのかたがかなり来場されていたと聞きました。ゲームが好きな女性はもちろん多いのですが、「この選手のプレイを見たい」「この選手に会いたい」といったさまざまな動機があって、それは男女を問わずありますね。

―― 韓国にはアイドル的な人気のeスポーツ選手が多数いると聞きます。あくまで一つの形として、男女どちらであれ、日本でもそういう方向で盛り上がる可能性はありそうですね。

水上 そういうこともあるかもしれません。現在でも、大会で活躍していてSNSでフォロワーが10万人以上いるような人や、イベント出演の発表がされるとチケットが完売するような集客力を持つ人がいます。それってもうアイドルじゃないですか。

―― ゲームの実力以外にも、人気が出やすい条件というのはあるのでしょうか?

水上 選手としての活動の中で、ストリーミング(ストリーマー)をやってる人はかなり多いですね。練習の様子や普段の様子だったりを配信したりすることで、人となりも伝わりやすいし、配信を通してファンとコミュニケーションも取れるので、とくにファンがよくつくと思います。

―― ストリーマー活動は重要な要素なのですね。

水上 あと、これからもっとeスポーツが盛り上がっていくと、eスポーツプレイヤーという職業自体に付加価値がついていくと思うんです。たとえば、今だとVTuberさんでも“箱推し”ってあるじゃないですか。まだ知られていない新しく出てきた人でも、その所属事務所のファンの人は、その人を推すみたいな。

 同様にeスポーツでも、その人のことはまだよく知らないけど、『VALORANT』のプロだからちょっと見てみようかな、みたいなことも起こっていくんじゃないかなと。そうやって、ぼくらeスポーツキャスターも含めて、eスポーツに関係する人たちみんながもっともっと注目を浴びるようになると、eスポーツ業界はさらに盛り上がると思うんです。

―― 最近よく取りざたされる、eスポーツのオリンピック競技化の話題に関してはどう思われますか?

水上 オリンピックの種目に……となるとさまざまな意見があると思うのですが、オリンピックと言わずとも、いろんなゲームの大会がひとところで行なわれるようなイベントがあったらいいとは思います。夢物語かもしれませんが、右を向いたら『VALORANT』、左を向いたら『ポケモンユナイト』、前を見たら『Apex Legends』、後ろを見たら『ストリートファイター』の大会が開かれているような。

 先ほど話した『春拳』というイベントもちょっとそんな感じでしたし、格闘ゲーム限定ではありますが、同じ会場で何十タイトルもの格ゲートーナメントを開いて、まるで「みんなで全部の格闘ゲームを楽しもうぜ」というような『EVO』というイベントもありますよ。

 合同大会ってかなりいい機会で、自分の知ってるゲームを他のゲームプレイヤーに知ってもらうこともできるし、自分も他のゲームのおもしろさを知る機会になるんですよね。それで人間関係が増えていくこともありますし、すごく価値があることだと思います。

―― これは大変デリケートな質問かもしれませんが、世界的に見るとFPSであったりMOBA系ゲームなどが共通言語になっているところもあって、それらの大会はとくに盛んに見えます。先ほども話に出ましたが、これらのゲームの多くは基本無料のものも多く、海外製品ながら日本でも若いプレイヤーが増えています。こうしたジャンルが伸びていくことで、世界のメジャーシーンで活躍するeスポーツプレイヤーが増えていくのではと感じているのですが。

水上 あるんじゃないでしょうか。やはり『VALORANT』の大会などは外から見ていて華やかで、観客も多いですよね。見る人が多いとそこから選手を志す人も増え、プレイヤー人口が増えればレベルも上がり、世界と並び立てるようなeスポーツ環境になるのかなあと。

どんな質問にも淀みなく答えてくれる水上さん

炎上問題――「おはよう」「こんにちは」「ごめんなさい」「ありがとう」しか言えない世界になっていいのか?

―― eスポーツプレイヤーの存在が広く知られるようになって、その言動やマナーに注目が集まる機会も増えました。このことについてはどう思われますか?

水上 使ってはいけない言葉を使わない、というのは当たり前の話です。その上で、もう少し世の中も寛容になっていただきたいな……という部分もあります。

―― どういうことでしょうか?

水上 まず、選手に対する誹謗中傷問題というのがけっこうあって、たとえば昔はゲーム画面だけで済んでいた配信の画面に、近年では会場が映せるようになって、観客が映せるようになって、そして選手の顔が映せるようになりました。そうすると、選手の見た目を揶揄する人が現れるんです。女性に対するひどい書き込みもそうですね。匿名のコメント欄だと言いたい放題になるので、その秩序は今なお深刻な課題の一つです。

―― それはどのように対処しているのでしょうか?

水上 作品によってはコメント欄を一切オフにして配信するようなところも、珍しいですが、ありますし、あとはコメント欄に担当者が張り付いて、そういうコメントを削除していくという方法で対策するところが多いです。それに今だと匿名のチャット欄に書き込んだものを(プロバイダーからの)情報開示でたどって法的な処置がとられた、ということもあります。

―― 他にはどんな問題がありますか?

水上 有名人に対する“言葉狩り”のようなものも目立つように思うんです。何を言っても、悪意を持った人がその気になれば燃やせる(炎上させられる)時代になっているなと感じています。

 たとえば配信で前後の流れを加味すれば何の違和感もない言葉でも、特定の5秒間を切り抜いたらマズく聞こえることもあるじゃないですか。そこで、それだけ貼り付けられて失言として炎上してしまったり。そうすると、立場のある人は本当にただただ品行方正な言葉遣いしかできないな、ということを最近かなり感じています。

 とくに選手がプライベートで行なっている配信って、その選手の素というか、ゲームをプレイして「おい、ふざけんなよー」みたいにキレてる姿を見せたり、ちょっとくだけたものが人気なところもあると思うんですね。そうやって盛り上げていくものに対して、「失言したら炎上して、下手したら立場を失ってしまう」という現状の流れって、どんどん相性が悪いものになっていってる気がするんです。

 もちろん、ぼくらキャスターだって、公式配信でちょっと変な言葉遣いをしたら、そこだけ切り取られて燃えてしまうこともあると思います。

―― ゲームに限らず、今あらゆる世界で起きている問題でしょうね。

水上 言葉って捉えかた一つだから、万人に受けのいい言葉遣いをしようとすると、「おはよう」「こんにちは」「ごめんなさい」「ありがとう」しか言えないようなレベルになると思うんです。もちろん、言ってはいけないことはあって、そこはぼくたちも気をつけますが、「それは揚げ足取りじゃないの?」というのも正直あって、世の中もうちょっと寛容になって、しゃべりやすい空気になってくれないかなあ……というのは感じます。

局アナ出身のキャスターがいかにすごいかという話

―― 最後にまたキャスターの話をお訊きしたいと思うのですが、先ほどeスポーツプレイヤーのアイドル性の話をしました。今後、eスポーツキャスターもアイドル的な人気が出るようなこともあると思われますか?

水上 いやあ、どうでしょう(笑)。でも、人気、話題性、注目度の高いタイトルにかかわっているなどで、フォロワーが多いかたもいらっしゃいますね。すべてのキャスターのかたと話したことがあるわけではありませんし、以下は想像とぼくの考えかたの話になります。

 キャスターは表立ってしゃべるから番組の顔ではあるのですが、たぶんeスポーツキャスターをやってるかたがたって自分のことを裏方だと思ってる人が多くて、主役は選手とゲームなんですよ。ゲームって選手が見せてくれる素晴らしい試合あってこそのもので、その選手のすごさとゲームのおもしろさを伝えるのがぼくたちの仕事であって、ぼくたちにスポットライトは当たらなくていいよね、と思っているわけです。

―― 人目を引くという点でいうと、eスポーツキャスターの中には、いわゆる局アナ出身のかたもいらっしゃいますね。

水上 はい、田口(尚平)さん、平岩(康佑)さん、柴田(将平)さんなど、いろいろなかたがいらっしゃいます。

―― 田口さんに関しては、こちらのウェルプレイド・ライゼストさんと業務提携されていますね。

水上 はい、エージェント契約をされています。

―― こうした局アナ出身のかたがたの実況には、何か特徴的なものがあるのでしょうか?

水上 ぼくは格闘ゲームの出身なので、もしかしたら他の人たちに「それは違う」と言われてしまうかもしれませんけれど、ぼくらの場合、出身がゲームセンターのコミュニティ大会などのくだけた感じということもあって、最初は実況と解説の区別があまりなかったんですね。要はとにかく「2人でしゃべろう」ということだったんです。実況が解説っぽいことをしたり、逆に解説が実況っぽいことをしたり……。

 また、1人でしゃべることも多かったので、それで区別がなかったという面もあります。ただ、最近はお互いが慣れてきたので、そういうことも減ってきたのですが。

 それに対して局アナ出身のかたは、実況と解説の役割分担をより強く意識されていて、そこはぼくら以上に体に染みついている感じがします。起きたことをしっかりと言葉で伝えて、気持ちで盛り上げて、そして解説の人に振ってそちらで細かい話をしてもらう。あくまでぼくの印象ではあるのですが。

―― 大変おもしろいお話です。

水上 それと、局アナさんって発声を何回も何回も鍛え上げてきているので、本当に“声がいい”んですよ。

 eスポーツって「試合」と「つなぎ」でメリハリがある構成になっている番組がほとんどなのですが、局アナさんのしゃべりかたって、画面を見なくても声色だけで「今試合が始まったんだな」「今はつなぎだな」というのがわかるんです。それは発声もそうですし、声の“音”の使いかたなのかと思うのですが、わかりやすくて聞きやすくて、聞いてるだけで進行がわかる“気持ちいい声”をしてらっしゃるんです。

―― たしかに、テレビやラジオのアナウンサー業界には長年の伝統があって、そこには一日の長があるかもしれませんね。

水上 自分も実況のアプローチについては、彼らと戦いようがあると思っているんです。ゲームの知識とか、やり込んできた時間だったりは「負けないぞ」という気持ちがあって、そこは深掘りしたしゃべりをしていこうと思ってるのですが、本当に局アナさんの声の聞きやすさに関しては、マジで「つえぇ……」って感じます。

 ぼくも(芝居関係の)専門学校で2年ほど発声練習をしてはいたのですが、局アナさんはずっと声で仕事をしてきて、鍛え続けていると思いますので、ぼくも鍛え直したいと思って、改めて1年ぐらい前からボイストレーニングに通っています。実況の語彙力を高めるとか以前の、一番大事なところだと感じるようになりました。

eスポーツキャスターを目指す人たちへのアドバイス

―― これからeスポーツキャスターを目指すかたに、水上さんからアドバイスをいただくことはできますでしょうか?

水上 ぼくのときは特殊というか、まだテンプレートのようなものがありませんでした。今だとちょこちょこeスポーツ専門学校があって、その中にキャスター科もあると聞きますが、そこから今後どういう人が生まれるのか、ぼくにはわからないですし、「専門学校に通えば何とかなる」ともぼくには言えません。言えるのは、そうだなあ……やはり「実況をしましょう」というのが一番はじめに来るのかな。

 砕いて説明をしますと、非公式な場でもどこかでしゃべってみたいという人は、コミュニティ大会を企画している人に「すみません、実況させてもらえませんか?」といえば、大体そういうところでは人手が足りないので、何とかなると思うんです。

 それに対して、お金をもらって公式の場で実況をしたいという場合は、企業のキャスティング権限を持っている人に「選んでいただく」必要があって、そしてそのためには「知ってもらう」必要があるわけです。

 たとえば、ぼくが『ポケモンユナイト』の実況をしたいと考えたとき、キャスティング権限を持っているかたに、水上侑という人間を知っていただく必要がある。そして知ってもらった上で「(この人なら)やれる」「任せても大丈夫そうだね」と思われないといけない。

 そのためには、サンプルがあることが大事で、何かを実況して発信するというのがいいと思います。たぶん、一般の人が思ってる以上に「中の人(=メーカーの人など)」って、選手の配信や非公式のコミュニティ大会に関心を持って見てくださってることが多いです。そういうところで「こういう人がいるんだね」って知ってもらえるし、そこでしっかりしゃべれていれば、「大丈夫かも」と思ってもらえるかもしれないじゃないですか。

―― とても説得力のあるお話だと思います。

水上 本当にすべて「かもしれない」になるんですけど、その上で、自分のツイッターだったりnoteだったりに「eスポーツキャスターを目指してる」「○○というゲームの実況をしたい」ということも、強く思ってるのであれば、書いていいと思うんですね。

 「やれる人がいる」「任せてもいい」「やりたいと思ってるらしい」、この3点がそろえば、たぶんチャンスになるので、それをクリアするためにはどうすればいいかを考えることです。

 その方法としてぼくが取ったのは、何かしら自分で大会を開いたり、有名なユーザー大会にちょっとお邪魔してしゃべらせていただくなど、お金が発生しなくてもいいので、「しゃべれますよ」というサンプルを作りつつ、発信を続けるということをしてきました。人に会いづらいコロナ渦にあって、これがやりやすいことかなと思います。

―― コロナ禍になる前は、違うやりかたもあったということでしょうか?

水上 最初、ぼくはひたすらイベントに行って営業していました。キャスターになった2018年には、格闘ゲームから仕事を広げていこうと思ってたので、ラスベガスの格闘ゲームイベント『EVO』に自費で行って、いろんな人に名刺を渡してきました。イベント自体もかなり楽しかったですけど(笑)。

―― オンラインだけでなく、ずっと現場に足を運んでいたのですね。

水上 おかげさまで、それだけがきっかけではなかったのですが、翌年のEVOでは3タイトルほどお仕事でしゃべらせていただくことができました。ですので、オフラインで会場があるような大会イベントには足を運んで、直接自分の熱意を伝えるというのも一つかなと。

 でも、おおむねどのゲームもしゃべってる人が既にいるので、かなり気長に待ちましょう、というのはあります(笑)。でも、そうやっていると、本当にチャンスが巡ってくることってあるので、それを活かせるかですね。

―― 人に見せられるものを普段から用意しておく、というのはよくわかります。ゲーム会社への就職でも、ポートフォリオを準備しておきますからね。

水上 ああ、そうですね。声優さんのボイスサンプルなども同じですし。

―― 今は人に見せるために、あらかじめネットにいくらでも置いておけますし。

水上 お会いして名刺さえお渡しできれば、「お手すきのときにでもよかったら……」と自分が実況したタイトルのURLなども送ることができます。

eスポーツキャスターを目指す人たちにも真剣にアドバイスをしてくれた

「世界で一番実況タイトル数の多いキャスターになりたい」

―― 最後に水上さんご自身、将来はこんなキャスターになっていきたいという目標はありますか?

水上 キャスターの目標ってけっこう難しいんですよね。生ものというか、明日にでもeスポーツの現場が減ったら、それだけでなくなってしまうような職業ではあるので、それで食べていくことが目標です……という話にもなっちゃうのですが、それに近い長期的な目標を言えば、一つひとつのタイトルを大事にしながら、いろいろなタイトルの実況をしたいという想いは強いです。

 今もいろんなタイトルをしゃべらせていただく機会があるのですが、そのたびに「こんなおもしろいゲームがあったんだ」「こんなすごい人がいたんだ」という出会いがあって、コミュニティなどでも交流が生まれて、世界が広がるんです。

 ですので、見栄えのいい表現をするなら、「世界で一番実況タイトル数の多いキャスターになりたいです」という話になるかなと思います。

―― 本日は長時間にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

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