マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.10 西谷 亮

  • 記事タイトル
    マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.10 西谷 亮
  • 公開日
    2019年12月16日
  • 記事番号
    2386
  • ライター
    IGCCメディア編集部

日本のアーケードゲームの礎を築いた重鎮やゲーム情報通でもあるゲームライターといった業界関係者が、個人的に好きだったアーケードゲームをランキング形式で選ぶ「マイ・ベスト・アーケードゲーム」。
節目の第10回となる今回は、『ストリートファイターII』(1991年/カプコン)のゲームデザイナーとしても有名な西谷 亮氏の選ぶマイベスト・アーケードゲームをお届けします。大ヒットゲームをデザインする上で参考になったというタイトルも挙げられているそうです 。ぜひ、どうぞ!

西谷 亮

1967年東京生まれ。
1986年株式会社カプコン入社。
業務用ビデオゲームソフトの企画職として「ストリートファイターII」 「ストリートファイターII’」の開発に携わる。
カプコン在籍時には、「ロストワールド」「ファイナルファイト」 「X-MEN」などの企画も担当。
1995年株式会社カプコンを退社。
同年株式会社アリカを設立、代表取締役社長に就任。 代表作は「ストリートファイターEX」シリーズ、「EVER BLUE」シリーズなど。

No.10『パフォーマン』 ( 1985年/データイースト 開発:東亜プラン )

これ、すごい好きなんですよね。まず音楽が愉快でいいんです。それから完全にパターンにはならないんですけど、努力するとちゃんとうまくなっていく。そのあたりのバランスがいいと思います。あと、長く遊べる(笑)。1UPすると画面上から自機の頭が落ちてきて、それが画面下部にピコーンとはまるデモがあるんですけど、そのときその頭を撃つことができるんですね。撃って反対側にはじけたものをさらに撃って、と続けると、かなり点数が稼げるという。そういった細かいところも好みです。

No.09『ワンダーボーイ モンスターランド』 (1987年/セガ 開発:ウエストン)

これは、アクションとして相当よく出来ていると個人的に感じているタイトルです。コインの枚数を稼ぐようなプレイはあまりやらなかったのですが、縛りプレイがいろいろとできて……たとえばヘビーアーマーのような重い装備を全部そろえて遊ぶとか。氷の面とかめちゃくちゃ難しくなるんですけど、そういう細かい部分もしっかり作り込んであって楽しく遊びました。今どきの若い企画者にも、ぜひプレイしてほしい一作です。

ⒸSEGA/LAT

No.08『パンチアウト‼』(1984年/任天堂)

この一作だけじゃなく、シリーズということでエントリーさせてください。これは楽しくて夢中になっただけでなく、私のゲーム作りにすごく役立っているタイトルですね。ゲームのシステム自体は非常に単純で、「もぐら叩き」や「赤白の旗上げゲーム」のバリエーション的な側面がありますけど、タイミング次第で相手の隙が大きくなったり、右と左のパンチもちゃんと使い分けるとちょっと得だったりと、そういった細かい部分がものすごく考えられていて感動しました。ああいった細部への配慮こそが大切なんだと教えてもらった気がします。

NINTENDO SWITCH アーケードアーカイブス版にて撮影。
Ⓒ1984 Nintendo
Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.

No.07『ロボトロン2084』(1982年/ウィリアムス)

非常に刺激的な一作でしたね。二本レバーというのもおもしろかったですし。ただめちゃくちゃ難しかったんですよね。だから高島平のゲーセンが10機設定だと聞いて、そこに通って遊びました(笑)。これもパターンになりそうでならない、でも頑張ってプレイすると少しずつうまくなる。その不思議な感覚がよかったですね。類似作としては『スマッシュTV』もありますが、こちらも大好きです。難しくて二周はできませんでしたけど。

北米PS3版『Midway Arcade Origins 』にて撮影。
Ⓒ Warner Bros. Entertainment Inc.

No.06『ゲットスター』(1986年/タイトー 開発:東亜プラン)

これも長く遊べるゲームでしたね。当時にしては操作性もよく、殴ったり蹴ったりする感覚が気持ちよくて驚くと同時に勉強させてもらった部分が多いかもしれません。敵の種類も多くて。先へ進んでも敵の攻撃パターンが変わらず、攻撃力だけがどんどん上がっていくという一種の潔さ(笑)みたいのもプレイヤーとしては燃えましたね。調整は甘い気がしますが、アイデアとか雰囲気はよかったと思います。

No.05『北派少林 飛龍の拳』(1985年/カルチャーブレーン)

これも長く遊べるのですけど、それだけじゃなくいろいろな魅力が詰まっている作品だと思います。あと、今回ベスト10を選ぶのにあたって、過去のゲームのリストを見返して思ったのは、個人的にでっかいキャラが一対一で戦うゲームが好きなんだなぁということでした。あんまり意識したことがないのでちょっと驚いたんですけどね。今回ベスト10から漏れてしまいましたけど『ファイティングファンタジー』とか『空手道』とかも大好きですし。

No.04『ハンバーガー(バーガータイム)』(1982年/データイースト)

これも長く遊べたタイトルですね(笑)。当時、私にこの『ハンバーガー』のうまい師匠のような人がいて、いろいろ教わってうまくなったゲームです。ペッパーで敵をまとめて一撃で倒すパターンとか熱かったですね。残機よりもペッパーのほうが大切という。あとはハンバーガーを作るという、他にはない独特の世界観にも惹かれました。いいゲームだと思います。

No.03『ドラゴンバスター』(1985年/ナムコ)

今にしてみれば4方向レバーなので操作性は今ひとつかな、と思うのですが、とにかく大好きなゲームですね。兜割りすると攻撃力2倍、スーパーソードを持っているとさらに2倍、みたいな非常に単純なインフレ具合が楽しかった覚えがあります。私は『風来のシレン』シリーズが大好きなのですが、『ドラゴンバスター』も場所によって出るアイテムは決まっているけど、どこにあるかはランダムみたいな感じがすごくよかった。あの臨機応変に対処する必要がある感覚はいいですよね。

No.02『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

やっぱり、この作品ははずせないですよね。当時のあの見た目のインパクトはすさまじかった。特に生命っぽさを感じさせる、赤い明滅がよかったと思います。あと『ドラゴンバスター』でも言いましたが、適度なランダム要素。長く遊んでも飽きないという(笑)。もしかしたら一番遊んだアーケードゲームかもしれませんね。

ⒸBANDAI NAMCO Entertainment Inc.

No.01『クレイジークライマー』(1980年/日本物産)

これは長く遊べないんですけど(笑)、一位に挙げました。二本レバーを両手に見立てたあの感覚は、いまだにすごいなと思っています。死ぬところは死ぬという、厳しい部分も確かにあるのですが、唯一無二という感じがしますね。わかる人にはわかると思うんですけど、左手が強いのも何だかおもしろい(笑)。左手伝説というのがあって、ごく稀に看板も耐えたりしますし。地元の板橋では、まずいと思ったら左手を挙げるのが流行ってましたね。それから、ミスしたあと、かなり難易度が下がるように設計されているのも、当時かなり目新しかったと思います。

NINTENDO SWITCH アーケードアーカイブス版にて撮影。
©2018 HAMSTER Co.
Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.

マイベスト10を選んでみて……

マイベスト10の企画に呼んでいただきありがとうございました!
昔のゲームを思い出して当時プレイした情景を思い出す。この感覚がたまらなく楽しかったです!
せっかくの機会なのでなるべく漏れがないようにいろんな資料をみて、まずは気になるものをラインナップ。この時点で40くらいの候補がありました。
そこから吟味に吟味をかさね、泣く泣く10に絞りました。意外と10って少ないですね。 外れてしまったゲームも機会があればまた語りたいですね!

編集部より

西谷 亮さんのベスト10、いかがでしたか?
近日中に、西谷さんの特濃インタビューをお届けする予定です。
どうかご期待ください!

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