マイ・ベスト・アーケードゲーム Vol.05 きらり屋(ゲームライター)
日本のアーケードゲームの礎を築いたゲームクリエイターやゲーム情報通でもあるゲームライターといった業界関係者が、個人的に好きだったアーケードゲームをランキング形式で選ぶ「マイ・ベスト・アーケードゲーム」。
第5回となる今回は、『ゲーメスト』(1986~1999年/新声社)、『月刊アルカディア』(2000~2015年/エンターブレイン他)でライターとして活躍し、当サイトでも記事を執筆いただいているきらり屋さん。シューティング好きな彼女が選ぶベスト10には、納得のあのタイトルがランクイン!
きらり屋
『ゲーメスト』では1995年から廃刊まで、『アルカディア』では月刊誌創刊前のムック誌Vol.1が発売された2001年から2006年まで、主にアーケードゲームの紹介・攻略記事を執筆。2016年に、アーケードゲームの全国ハイスコア集計の継続を望むプレイヤーの要望を受けて創設された日本ハイスコア協会で、全国的なハイスコア集計活動に協力している。
No.1『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』(1997年/セガ)
もともとガンシューティングゲームを1クレジットクリアできると思ってなかった私に、考えて練習を積めばクリアできると教えてくれたゲーム。個性豊かなクリーチャーを撃って館の中を進むのは恐ろしくも楽しく、ルート分岐にわくわくさせられました。
ラスボスは的が小さく動きが大きいため、クリアを重ねるうちに自分の成長を感じられて本当におもしろかったです。今や広くFPSなどでも定石の、敵の頭を狙うという基本が、私の場合このゲームで身に付きました。
No.2 『アフターバーナーⅡ』(1987年/セガ)
100~200円で緊迫感あふれるドッグファイトが楽しめて、音楽、動く筐体、何もかも格好良かったです。操縦桿を入れている方向と反対側に素早く倒すと緊急回避(ロール)できるのですが、これ、ゲーム終盤ではスキが大きく撃墜されやすいNG操作となります。
当時腕力が低かった私は、最終面に近づくに連れて腕がプルプルし始め、操縦桿を制御しきれずロール暴発、撃墜されていました。そこで腕立てなど筋トレに励んでクリアしたのもいい思い出です。
No.3『雷電』(1990年/テクモ)
セイブ開発が開発したシューティングゲームで、現在も改定版が発売される人気シリーズの第一作。当時にしてみると珍しくないタイプの縦スクロールシューティングでしたが、ドット絵が抜群にきれいで目を引かれました。ボス戦で自機グラフィックがVTOL機(垂直離着陸機)っぽく変形する細かい表現に惚れました。
背景に牛がいる自然豊かな星から、広大な宇宙に舞台が遷移する物語性も好きで、いつも「牛たちの平和は私が守る!」と息巻いて出撃していました。が、自己ベストは最終面止まり、2P協力プレイのみ1,000万点達成しました。3周目の敵弾が速すぎて、レバーを入れて避けているのに撃たれるのは笑いました。
No.4『ガンフロンティア』(1991年/タイトー)
初めてランクを意識したゲーム。当時、連射が速すぎたり画面外に自機の弾が出ることで敵のランクが上がると言われていて、手連射とボリューム連射併用でクリアしました。ラスボスとの一騎討ち演出やBGMも秀逸。
No.5『ダンスダンスレボリューション』(1998年/コナミ)
ハマりましたー。当時、ゲーム雑誌『ゲーメスト』の所属ライターとして働いていた新声社のビル1階には、自社運営のゲームセンター「G-Model」が入っていました。その奥の扉の裏側にちょうどいい目地の床があって、泊まり込みのライター数名で、深夜にDDR部活と称して「ビジネス・ステップ」などを額に汗して練習しました。
No.6『悪魔城ドラキュラ』(1988年/コナミ)
ゲーセン通いを始めたきっかけのゲーム。近所のゲーセンの店内スコアを抜いたと思って店員さんに申請したら、1桁見間違っていて点が足りずに恥をかき、それをバネにプチ家出してカンスト(カウンターストップ)しました。おっちょこちょいすぎる!
No.7『パイプドリーム』(1990年/ナムコ)
ビデオシステム開発のパズルゲーム。ランダム出現するパイプを規定数以上配置して、ゴールに水を流すシンプルなルール。でも、十字パイプを多く使ったり、水流の加速ボタンを押すとスコアが加算される要素が熱く、特にA、Bコースをめっちゃ遊んでました。
No.8『ナイトストライカー』(1989年/タイトー)
夜の街を疾走する、飛ぶ、パイプくぐる、音楽格好いい――もうお腹いっぱいです! プレイヤーが被弾するQコースの演出が夢に出てくるほど好きで、高校の美術の時間にQコースエンディングを銅版画で彫ったら賞を頂きました。
No.9『パズループ』(1998年/ミッチェル)
アイディアがすごいと思って、遊んでどハマり。離れ離れの列の先端に同色を置くと、引き寄せ合って合体する。これを利用して列を押し戻し、ピンチを打開できると気付いたときの感動と、そこからの覚醒感がヤバいです。
No.10『パワードリフト』(1988年/セガ)
キャラがいっぱい選べる、5コースそれぞれ異なる格好いいBGM、激しいムービング筐体、箱庭のようなジェットコースター感が好きでした。神保町でよく酔っ払いが振り落とされて床に転がっていた、という話がいまだにツボ。
ゲーセンもひっくるめたアーケードのおもしろさ
今回選んだベスト10は、スコアに触れたゲームは人から教えてもらったゲーム、それ以外は1人で遊んでいたゲーム(たぶん)となります。
昔スコアラーが多いお店に通っていたので、スコアラーからプレイを見せてもらって真似たり、点取りの方法を教えてもらったりしていました。その後、それらのゲームは勝手に“稼ぎ”を意識した遊び方になっていったと思います。自分なりに目標を立てて遊ぶのも、“稼ぎ”というひとつの回答を与えられ、そこを目指して遊ぶのも好きでした。
今回、改めて好きなアーケードゲームを選ぶ機会を与えていただき、久しぶりに当時の記憶がよみがえりました。やはり、アーケードゲームには他プレイヤーとの出会い、ゲーセンもひっくるめてのおもしろさがあると思いました。
ゲームライター きらり屋