市立小樽文学館にて7月17日から「小樽・札幌ゲーセン物語展2」を開催

  • 記事タイトル
    市立小樽文学館にて7月17日から「小樽・札幌ゲーセン物語展2」を開催
  • 公開日
    2021年07月16日
  • 記事番号
    5676
  • ライター
    藤井昌樹

北海道小樽市の市立小樽文学館で、2021年7月17日(土)から10月3日(日)までの期間、「小樽・札幌ゲーセン物語展2」が開催されます。
1980~90年代のゲームセンターとアーケードゲームをテーマにして、2021年1月から3月にかけて同所で開催された「小樽・札幌ゲーセン物語展」は大きな反響を呼びました。
その内容は、当時のゲームセンターで使われていたポスターやチラシなどのグッズ類、ゲーム情報やハイスコアを掲載していた雑誌、ゲームサウンドを音源化したレコードやカセットテープ・CDなどの展示のほか、実際に筐体でゲームをプレイすることもできました。
2回目の開催を要望する声が多く集まり、その要望を受けての開催決定となりました。

失われつつあるゲーム文化を後世に伝えたい

当時のアーケードゲームの一部は配信サービスによって今でもプレイ可能ですが、昔ながらのスタイルのゲームセンターという場所はどんどん減少しています。
北海道では一昨年、80~90年代のクラシックゲームをプレイするコーナーを擁していた「ディノスパーク札幌中央店」が閉店し、多くの道民プレイヤーにとっては当時のゲーム文化が消えていくという意味で象徴的な出来事に感じられ、喪失感にもつながっています。
そうした思いを受けて、様々なゲームファン有志の協力を得て作られているのが「小樽・札幌ゲーセン物語展」の大きな特徴です。
筐体や基板も含めたすべての展示品は、札幌・小樽圏に住むゲームファンのコレクションを借りて用意されています。
前回、お客さんとして来館されたかたの多くから「自分のコレクションも展示に使ってください」との声があがり、それを反映させているのも大きな特徴です。
フライヤーのイラストを描いているのも前回お客さんとして来館されたかたで、今回の展覧会は多くの人にとって受け手から発信する側へシフトする機会にもなっています。


  

実際にプレイできるゲームの数は大幅に増加

会場で実際に当時のアーケードゲームをプレイできるのが「小樽・札幌ゲーセン物語展」の特徴のひとつです。
前回の12タイトルから、今回は22タイトルに増加。
協力メーカーも増えました。

プレイアブル展示・スケジュール

※ 実際に遊べるゲームは、週単位で基板を入れ替えて展示します。

◎第1週:7月17日(土)~7月23日(金)
 ファンタジーゾーン(セガ・1986年)
 ドラゴンスピリット(ナムコ・1987年)

◎第2週:7月24日(土)~7月30日(金)
 ネメシス(コナミ・1985年)※海外版グラディウス
 マジェスティックトゥエルブ(タイトー・1990年)

◎第3週:7月31日(土)~8月6日(金)
 忍者くん 阿修羅ノ章(UPL・1987年)
 ブラストオフ(ナムコ・1989年)

◎第4週:8月7日(土)~8月13日(金)
 ぷよぷよ(セガ・1992年)
 出たな!! ツインビー(コナミ・1991年)

◎第5週:8月14日(土)~8月15日(日)
 バラデューク(ナムコ・1985年)
 ペンゴ(セガ・1982年)
※ この週は他の企画展の展示替えのため2日間のみの開館となります。

◎第6週:8月21日(土)~8月27日(金)
 沙羅曼蛇(コナミ・1986年)
 ワルキューレの伝説(ナムコ・1989年)

◎第7週:8月28日(土)~9月3日(金)
 雷牙(テクモ・1991年)
 ヴォルフィード(タイトー・1989年)

◎第8週:9月4日(土)~9月10日(金)
 メタルブラック(タイトー・1991年)
 ガンフロンティア(タイトー・1990年)

◎第9週:9月11日(土)~9月17日(金)
 ルナーク(タイトー・1990年)
 トライゴン(コナミ・1990年)

◎第10週:9月18日(土)~9月24日(金)
 グラディウスIV(コナミ・1999年)
 ドラゴンセイバー(ナムコ・1990年)

◎第11週:9月25日(土)~9月26日(日
 はちゃめちゃファイター(NMK・1991年)
 XXミッション(UPL・1986年)
※ この週は他の企画展の展示替えのため2日間のみの開館となります。

◎アンコール:10月2日(土)~10月3日(日)
 バラデューク(ナムコ・1985年)
 ペンゴ(セガ・1982年)

『ゲーム雑誌・攻略本・同人誌展(仮)』につながる展示も

小樽文学館では来年春に「ゲーム雑誌・攻略本・同人誌展(仮)」を開催予定です。
「小樽・札幌ゲーセン物語展2」における書籍の展示は、来年の企画展につながる意味合いもあります。
特に注目となるのは、1980年代に「札幌そごうゲームコーナー」を拠点に活動していた札幌南無児村青年団(さっぽろなむこむらせいねんだん)の同人誌です。
当時のナムコ北海道事業所の協力のもと多くの同人誌を発行し、田尻智さんが立ち上げた「ゲームフリーク」とも交流があったサークルでした。
その詳細の展示は来年の企画展に譲りますが、「小樽・札幌ゲーセン物語展2」ではその一部を先行展示します。
  

当時のゲームセンター情報をアーカイブ化

この展覧会と連動した取り組みとして、札幌と小樽にかつて存在したゲームセンターの情報を広く集めてWikiに記録するサイト「札幌・小樽のゲーセン情報リスト」が制作されています。
2021年7月現在、札幌市204件、小樽市31件のゲーセン情報が登録されています。
展覧会では、Wikiに集まった情報を元に小樽市内にかつて存在したゲーセンについて掘り下げた展示を行ないます。
※ 札幌・小樽のゲーセン情報リスト
https://seesaawiki.jp/satsuotagacen/

トークイベントを開催。動画のオンライン配信も

会期中、ゲストをお呼びして会場である小樽文学館から展示にちなんだトークイベントを開催します。
感染症対策をふまえ、オンライン配信も行なう予定です。
決定次第、詳細を小樽文学館の告知ページにてお伝えします。

【展示会情報】

会場:市立小樽文学館(入場無料)
   〒047-0031 小樽市色内1-9-5
   電話 0134-32-2388

開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)

休館日:毎週月曜日(8月9日・9月20日を除く)
7月27・28日(火・水)、8月10・11日(火・水)、8月17日(火)~20日(金)
9月21・22・24日(火・水・金)祝日振替休館
9月28日(火)~10月1日(金)展示替え休館

企画構成:藤井 昌樹

協力:株式会社バンダイナムコエンターテインメント
   株式会社セガ
   株式会社タイトー
   株式会社コナミアミューズメント
   株式会社コーエーテクモホールディングス
   株式会社ハムスター
   GAMERSBAR lettuce702

※ 新型コロナウィルス感染症対策として、来館の際はマスクの着用をお願いします。また発熱・体調不良時は来館をご遠慮ください。展示品に触れる前後、会場に設置した消毒液で十分に手指を消毒してください。なお状況によっては会期途中で展示を中止する可能性もございます。あらかじめご了承ください。

前回の会場の様子がこちら。画像提供:藤井昌樹氏

関連リンク

■市立小樽文学館(会場)
http://otarubungakusha.com/yakata

■UPL墓堀り人(基板・展示品提供)
http://upl-gravedigger.boo.jp/

■コナ研(基板・展示品提供)
http://www.konaken.com/

■GAMERSBAR lettuce702(展示品提供)
https://twitter.com/gblettuce702

■メイプルリーフクラブ(展示品提供)
https://mapleleafclub.net/

■塩田智明(フライヤー・イラスト担当)
http://www.gamutgraphic.net/

■MAXIM HERO(展覧会チラシ設置)
http://maximhero.com/

■ディノスパーク札幌手稲(展覧会チラシ設置)
https://www.sugai-dinos.jp/park/teine/

■e-REVO(展覧会チラシ設置)
https://e-revo.online/

■G-Baoa.g(展覧会チラシ設置)
http://www9.plala.or.jp/ftp59722/baoa.html

■株式会社バンダイナムコエンターテインメント
https://www.bandainamcoent.co.jp/

■株式会社セガ
https://www.sega.co.jp/

■株式会社タイトー
https://www.taito.co.jp/

■株式会社コナミアミューズメント
https://www.konami.com/amusement/

■株式会社コーエーテクモホールディングス
https://www.koeitecmo.co.jp/

■株式会社ハムスター
http://www.hamster.co.jp/

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