バンダイミュージアム探訪記~アーケードゲームも移植されたLSIゲームの魅力(番外編)

バンダイミュージアム探訪記~アーケードゲームも移植されたLSIゲームの魅力(番外編)  IGCC

LSIゲームの話題を中心に、2回にわたってお送りしてきた「おもちゃのまち バンダイミュージアム」取材レポート。LSIゲーム以外にも、昭和生まれには懐かしくてたまらないおもちゃがたくさんあった。

本稿は番外編として、『機動戦士ガンダム』(1979~1980年)のプラモデルやエジソンの発明品など、本編で紹介しきれなかったコレクター垂涎ものの所蔵コレクションを紹介していく。

ホビーミュージアムエリアで歴代の「ガンプラ」に囲まれる

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▲ ZAKUの夢

ホビーミュージアムエリアは「ガンプラ」(『機動戦士ガンダム』のプラモデル)をテーマに展示を行っている。初めて1980年に発売された1/144スケールモデルのパッケージが懐かしい。現在発売されているガンプラと比較すると、初期のモデルは真面目にアニメ設定に合わせていたためか、とても地味に見えてしまう。しかし、筆者の世代はこれを手に入れるために、当時ものすごい苦労をしたことを思い出す。

このエリアでの見どころは、『機動戦士ガンダム』30周年を記念して制作された1/144ホワイトベースと、原作者・富野由悠季※1富野由悠季 : 『機動戦士ガンダム』や『伝説巨神イデオン』(1980~1981年)などを生み出したアニメ監督。それまで子供向けと言われていたロボットアニメに重厚な設定とストーリーを持ち込んだパイオニア的存在。の手によるオブジェ「ZAKUの夢」。どちらも巨大で圧倒される展示物だ。現地でぜひ実物を見ていただきたい。

金井 富野さんは「ZAKUの夢」をバンダイミュージアム内で制作したんですよ。最初は館内の広場の近くにある窓のところで展示していたのですが、館内のレイアウトを変更したときにホビーミュージアムエリアに移しました。

――懐かしいガンプラがありますがこれは初期に発売されたものですよね。自分が子供の頃はなかなか手に入らず苦労しました。「セイラ・マス」 とかキャラクターモデルは比較的入手しやすかったんですけどね(笑)。

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▲初代ガンプラ

金井 1980年に300円で発売された初代ガンプラね。確かにすごい人気でトラブルも起きてしまって、誠に申し訳なかった思いがあります。

最初にガンプラを発売したときに、販売店で事故が起きてしまったんですよ。店のエスカレーターに、開店と同時にお客さんが押し寄せて将棋倒しになってしまった。ちょうど自分が模型部に配属されていたときなので、よく覚えています。ガンダムのアニメは、初回放送時はそれほどの反応はなかったんだけど、時間が経つにつれてどんどん人気が上がっていって、ガンプラは発売と同時に人気商品になりましたね。バンダイがガンダムのプラモデルを発売すると発表した時点で騒ぎになったくらいですよ

歴史的価値のあるおもちゃが集うワールドトイミュージアムエリア

ワールドトイミュージアムエリアは世界中の古いおもちゃが集められている。ここはジャパントイミュージアムエリアと対比しながら見学するとおもしろいエリアだ。おもちゃを通じて、日本と海外の文化の違いがよく伝わってくる。

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▲ 貴重なレトロトイの数々

金井 ここに展示しているのは、主に昔のヨーロッパで作られていたおもちゃですね。かつてイギリスに「ロンドン・トイ&モデル博物館」という施設がありまして、1999年に閉館した後、2001年にコレクションを引き取らせていただきました。

ここではその一部を展示しています。所蔵しているものはだいたい7000点くらいありますかね。そこから、これはぜひ見ていただきたいというものを選んでいます。18世紀中ごろや19世紀に作られたおもちゃもあるんですよ。

――熊の人形がたくさんありますが、これはテディベアでしょうか。ずいぶん古いものもありますが、そんなに昔から親しまれているキャラクターなんでしょうか。

金井 おっしゃるとおりテディベアなんですが、そもそもテディベアという名前のキャラクターはいないんですよ。アメリカには熊とルーズベルト大統領の逸話というものがあって、それは狩り好きのルーズベルト大統領が子熊を助けてあげたという話なんですね。ルーズベルト大統領のあだ名がテディだったこともあり、いい話だなーということで、自然発生的に子熊のぬいぐるみをテディベアと呼ぶようになったというのが由来です。だから、いろいろな熊のぬいぐるみを展示していますが、これらは全部テディベアなんですよ。

すべて本物!エジソンの発明品が並ぶエジソンミュージアムエリア

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▲ 団体予約して聞いてほしい館長の解説

おもちゃとは別に、エジソンの発明品の数々を展示しているのがエジソンミュージアムエリアだ。当サイトの読者には少ないと思うが、おもちゃには興味ないけれどエジソンの発明品に接してみたいという方は、このエリアだけ見学できるチケットが発売されているので利用されてはいかがだろうか。もちろん、通常チケットでエジソンの発明品も見学できるので、おもちゃ見学が目的で来館した方にもぜひ見ていただきたい。

――エジソンといえばいろいろなものを発明した偉人ですが、電球や蓄音機のイメージが強く、あらためてこの場所で発明品の多さに圧倒されています。昔に学校で見た印刷機もエジソンの発明なんですね。

金井 「ミメオグラフ」と呼ばれているものです。日本ではみんなガリ版と言っていましたね。誰でも簡単に印刷物が作れるようにと、19世紀末にエジソンが発明しました。昔は学校でも会社でも、鉄筆でガリガリって用紙に書いて版を作って、その版に粘っこいインクを塗って、わら半紙に印刷していましたよね。今ではそういった印刷はコピー機になってしまいました。

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▲クリアな音質と迫力ある音量で再生できる蓄音機「ダイヤモンドディスク A-100型」(1915年頃)

――今回、蓄音機で音楽を聞かせていただきましたが、その音圧に圧倒されました。電気的なアンプというものはなく、拡声用のラッパ構造を搭載しているだけですが、正直言って当時の蓄音機がこれほどクリアな音質と迫力の音量で音楽を再生できるものだとは、思っていませんでしたね

金井 解説については団体さんだけに限定させていただいているのですが、そのときにこれら実物を使って実演もしています。エジソンのトースターでパンを焼いて試食していただくということもしているんですよ。これが実に不思議なのですが、現代のトースターで焼いたパンよりも、エジソンのトースターで焼いたパンのほうが美味しいんですよ。食べた皆さんビックリしています。

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▲今でも使用可能な味わい深いトースター「ラジオトグルトースター」( 1910~1930年)

脚注   [ + ]