スーパーファミコンの名作「アクトレイザー」の全楽曲を完全楽譜化するプロジェクトが現在も支援を募集中
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- 記事タイトル
- スーパーファミコンの名作「アクトレイザー」の全楽曲を完全楽譜化するプロジェクトが現在も支援を募集中
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- 公開日
- 2019年08月27日
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- 記事番号
- 1332
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- ライター
- IGCCメディア編集部
「VGM Complete Score Seriesプロジェクト」をご存じだろうか。
VGM――ビデオゲーム音楽の歴史はまだまだ浅く、半世紀にも満たない。しかし、それでも数々の傑作が創り出されおり、純粋に音楽として鑑賞するに値する楽曲も少なくないのは、ゲームファンならうなずいていただけるだろう。
とはいえ、流行り廃れがあるのもビデオゲーム業界。遊ばれなくなったゲームは、次第に忘れ去られていくことになる。さらにはサウンドトラックとして後世に残るものも、ごく一部でしかない。
では、一部の例外の除いて、ゲーム音楽はただ消費され、時の流れに抗うこともできず、風化するしかない宿命にあるのだろうか。
そんな現状を打破するために市原雄亮氏が立ち上がった。
市原氏は指揮者であり、「新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団」というゲーム音楽を主体に演奏するオーケストラの代表いう、根っからのゲーム好き。以前、当サイトでも市原氏にインタビューを行ったことがある(参考:日本初!ゲーム音楽のプロオーケストラ『新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団』を率いて〜指揮者・市原雄亮氏インタビュー 前編・後編)。
そんな市原氏が立ち上げたのが、この「VGM Complete Score Seriesプロジェクト」。ゲーム音楽を一つの音楽作品と捉え、楽譜としてアーカイブしていくのを目的としている。
そして、最初に白羽の矢が立ったのが、スーパーファミコン用ソフト『アクトレイザー』(1990年/エニックス)。本作の楽曲を、作曲者である古代祐三氏(*01)の監修のもと、「全曲完全楽譜化」しようというのである。
クラウドファンディングサイトの「キックスターター」にて、7月19日より、支援の呼びかけを開始した。
すると、47日間の期間を設けていたものの、予想以上の大反響から、わずか3日と3時間で目標金額を達成した。
これにてめでたく「『アクトレイザー』の全曲完全楽譜化」は決定となったのだが、それですべて終わったわけではない。
現在も「ストレッチゴール(*02)」を目指して進行中となっている。
8月27日現在、公開されている「ストレッチゴール」は以下の3つ。
200万円 | コンデンススコア(読みやすく凝縮した楽譜のPDFを進呈) |
250万円 | ピアノ編曲譜作成(羽田二十八氏が編曲したピアノ用の楽譜PDFを進呈) |
300万円 | トークイベント開催(古代祐三氏を招いたトークイベントにご招待) |
いずれもファンならば、おおっ!声を上げずにはいられないものとなっている。
すでに支援金は集まった、と早合点し、安心しているそこのあなた!
今からでも遅くはない。
ぜひ、ゲーム音楽を「作品」として捉え、楽譜の形でアーカイブしていこうという意義深いこのプロジェクトに参加してみてはどうだろうか。
締め切りは、9月2日。
プロジェクトにご賛同いただける方は、ぜひ!
なお、本プロジェクトが大成功した暁には、古代氏の他の作品の楽譜化や、他メーカーのタイトルについても展開していく予定とのことだ。